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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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2021年9月の記事一覧

ミリしら物理探査#2 『しんたん』

 『しんたん』を変換すると、心胆・薪炭・震旦・浸炭・深潭などが出てきますが、どれも違います。物理探査の『しんたん』と言えば、震探つまり地震探査(じしんたんさ)のことです。  地震探査は、地震(の被害)の悪いイメージから、最近では弾性波探査と呼ばれることが多くなっていますが、石油探査の分野では相変わらず震探が一般的です。  実は震探には大きく分けて反射波に着目した反射法と、屈折波に着目した屈折法があります。石油探査では圧倒的に反射法が使われていますが、ダムやトンネル工事の前

ミリしら物理探査#1 『でんたん』

 『でんたん』は、電気探査の略で電探と書きます。電気探査は、地中に電流を流す能動的な方法と、ある種の鉱体が発する自然の電気現象を観測する受動的な方法に大別できます。ただし、『でんたん』という場合は、人工的に電流を流す比抵抗法を指す場合が一般的です。狭義では、電気探査は比抵抗を指します。  比抵抗法では、地面にプラスとマイナスの2本の電流電極を指して、電流を流します。地面に電流が流せるの?、と思うかもしれませんが、ある程度高い電圧をかけると電流を流すことができます。電流を流す

ミリしら物理探査#0 『物理探査』

 ミリしらとは、ある物事について全く情報を持ち合わせていない状態、または、そのような何のことか全く知らない名称から自由に推測したりする遊びを指すそうです。ミリしらという呼称は「1ミリも知らない」の略だそうです。1ミリも物理探査を知らない人のために、物理探査学の用語を解説する記事を始めます。まずは、そもそも物理探査って何よ?、から始めたいと思います。  物理も探査も聞いたことはあるけれど、これをつなげた物理探査という専門用語を聞いたことがある人は少ないはずです。物理探査は、物