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ぶったん四方山話

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これまでに経験した物理探査にまつわるエピソードを紹介します。
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#自然電位法

世界”物探”遺産の旅#7 サルイエール

サルイエール(Sariyer)は、トルコのイスタンブールの最北端、ヨーロッパ側に位置する地区である。この地区のボスポラス海峡に面した村々は、かつては漁村でしたが、この街の富裕層の保養地となりました。オスマントルコ時代には、スルタンがピクニックや遠足でこれらの村々を訪れました。18世紀から19世紀にかけて、海岸には裕福な外国人商人たちの夏の別荘が立ち並んでいた。この時代には、多くの外国大使館が夏の離宮を建設しました。海岸道路が建設されて以来、これらの村々やその背後の丘陵地帯には

ぶったん四方山話#11 電気探査の伝統

伝統とは、ある民族・社会・集団の中で、思想・風俗・習慣・様式・技術・しきたりなど、規範的なものとして古くから受け継がれてきた事柄のことを言います。また、それらを受け継ぎ、伝えることを意味します。伝統を受け継ぎ、長く後世に伝えることは難しいことです。能や狂言、歌舞伎などは発祥当時は最先端の流行芸能でしたが、その技が数百年も受け継がれたことで伝統芸能になりました。 日本の物理探査学の伝統は、ひとりの研究者から始まりました。九州帝國大学工科大学の小田二三男助教授(当時)は、実家が