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ぶったん四方山話

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これまでに経験した物理探査にまつわるエピソードを紹介します。
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2022年9月の記事一覧

世界”物探”遺産の旅#16 ヒマラヤ山脈

世界の屋根と言われるヒマラヤ山脈は、世界で一番、標高の高い地域にある山脈で、パキスタン、インド、ネパール、中国、ブータンと5つもの国に跨っています。この山脈中で最も高い山はエベレストで、標高は8849mもあります。ちなみに、エベレストは後から勝手につけられた名前で、チベットではチョモランマ、ネパールではサガルマータです。 この壮大なヒマラヤ山脈の麓では、ヒマラヤ岩塩といわれる岩塩が取れます。パキスタンで取れる岩塩はピンク色をしているので、ピンク岩塩ともいわれます。でも、こん

世界”物探”遺産の旅#15 海上自衛隊・えびの送信所

えびの送信所は、宮崎県えびの市に所在する海上自衛隊の超長波送信所です。無線通信は電波を使って行いますが、海中深くまでは電波は届きません。ただし、周波数の低い電波を使うと、海中の浅い深度(10~40m)までなら通信が可能です。えびの送信所は、海に潜る潜水艦向けの超長波送信施設として建設されました。当初は福岡県での建設が検討されましたが、最終的にはえびの市に建設されました。 稼働中の超長波通信施設としては国内唯一のもので、使用周波数は22.2kHzで、出力は200kWです。超長

ぶったん四方山話#14 地熱資源を有効活用したい

脱炭素に舵を切ったこれからの日本には、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーの利用が期待されています。太陽光発電や風力発電はお馴染みの再生可能エネルギーですが、これらは発電量が少なかったり、天候に影響されるなどの特徴があって、ベース電源にはなり得ません。しかし、太陽光や風力ほどの知名度はありませんが、純国産の再生可能エネルギーが日本にはあります。それが地熱です。 日本は火山国で、昔から温泉や蒸気を、健康の増進やレクレーションとして活用してきました。これも直接的な地熱利用で