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ぶったん箸休め

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物理探査のことを略して、物探(ぶったん)と呼びます。ここでは、物探とチョッとだけ関係ある話題を集めました。智の箸休めです。楽しんで下さい。
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2022年3月の記事一覧

年度末はいつも忙しい!

 どこの職場でもそうでしょうが、年度が切り替わる3月末から4月初旬にかけては、忙しくなります。私の場合、いつもはそれほどではないのですが、今年はビッグプロジェクトが採択されたこともあり、実験や報告書の作成に追われて、てんてこ舞いです。  本当はこんな記事を書いている余裕はないのですが、最近はブログ書きが習慣化したので、日記代わりに書いています。ビッグプロジェクトというのは、MT法(地磁気地電流法)という電磁探査法の測定機を作るというプロジェクトのことです。令和3年度は、最初

リアル『バットマン』を目指して

 バットマンは、アメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーローです。コミックの他にも、映画・ドラマ・アニメ作品などが作られています。しかし、私が目指しているのは”ヒーローのバットマン”ではありません。今回の記事で扱うバットマンは、アメコミのバットマンではなく、コウモリ男(bat-man)の意味で使っています。  『はじめの一歩 物理探査学入門』の『地中レーダ』の章で、コラムに書いていますが、音を使って周囲の様子を”視る”ことができる人がいます。ダニエル・キッシュさん

ミリしら物理探査#25 探査深度と分解能

 気付いてみれば、ここ最近は物理探査に関連した記事を書いていませんでした。そこで今回は、物理探査法を選択する場合の基本となる『探査深度』と『分解能』の説明をします。この話は、別の記事でも触れたかもしれませんが、重要なので繰り返し説明します。  まずは用語の意味からです。『探査深度』は可探深度とも呼ばれ、”どの深さまで探査が可能か”を示す指標です。英語では”penetration depth”と言います。地下に存在する天然資源や人工物を探査する場合、どの深さに存在するのかを予

アイデアを現実に

 思い付いたアイディアを、実際のモノ(ハードウェア/ソフトウェア)に結実させるためには、多くのハードルが立ちはだかります。私がこれまでに出願した特許は20件ほどありますが、そのうち最終的に取得した特許は半分もありません。また、その取得できた特許を利用した製品も、試作段階までは行っていますが、商品化には至っていません。  特別な原理や法則を使わなくても特許は成立しますし、既存の技術を組み合わせても”スゴイ発明”をすることは可能です。現在当たり前に使われているスマホの無線技術は

『はじめの一歩 物理探査学入門』のタイトルロゴについて

 拙著『はじめの一歩 物理探査学入門』の表紙の図は、私が考案・作成しました。この本は、文章の校正や印刷は出版元である『九州大学出版会』のお世話になりましたが、それ以外は全て自力で作りました。表紙のレイアウトも例外ではありません。白黒を基調にしたシンプルな図柄にしたかったので、グレイスケールのピクトグラムにすることにしました。ピクトグラム(pictgram)と言うのは、ある意味の概念を単純化したシンボルで表したものです。日常的によく見るピクトグラムは、下のような”非常口”のシン