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「Humankind~希望の歴史~上・下」を読んで

久しぶりに読み応えありの大作。

オランダ出身の歴史家、ジャーナリストのルトガーブレグマンの「Humankind~希望の歴史~上・下」を読んだ。

正直、怒涛の12月を過ごし、「年末年始にゆっくり読書でも・・・」と考えていた自分にとって分厚い上下巻はヘビーだった。

なぜ、このタイミングでこの本を手に取り、購入し、読もうと思ったのか?。

この本の帯にサピエンス全史のユヴァル・ノア・ハラリさんの言葉「わたしの人間観を一新してくれた本」が書いてあったからだと思う。

昨今では最も影響を受けた本の一つ、サピエンス全史。その著者が絶賛している本とあっては読まない理由がない。

そして、その絶賛は間違いなかった。この本はサピエンス全史と同じくらい私に影響を与えるものになった。

細かい内容は割愛するけど、要約すると「歴史、精神医学、心理学、社会科学、文化史、そして資本主義や戦争などから考察し、『人間とは何か』という本質を追求した本。」だった。「人間とは本質的に善だ」と言うことを様々な角度から検証され、断言している本。それは何も「こうであったら良いな」という理想主義的な話ではなく、事実に基づいて考察された解。だからすごく納得させられた。

人間とは本質的に善だ。

しかしながら私たちの社会は時にそうは見えない。ニュースやSNS、インターネットメディア、どれも人間の醜い部分を表現している発信が多い。

それらがこの人間の本質を見えにくくしているのかもしれない。

そう言われると、社会のシステムもそうかもしれない。

仕組み、制度、法律・・・人間は悪いことをする生き物だという考え方が前提になって出来ているものが多いかもしれない。会社のマネジメントも学校教育もまさにその中にある気がする。

それはしょうがないことかもしれない。犯罪もあるし、堕落もする。怠けたい時もあるし、ずるい時もある。これが人間。だけど・・・・だ。本質的には善だと言うことを前提に世の中を見てみることに意味があると思う。

つまり、『人間は善き自分で居たいと思っている』という’’フィルター’’を通して、自分以外の他者と関わって生きていくだけで、世界は変わると思う。

少なくとも、その考え方を選んだ私の人生は変わると思う。

ハラリさんと同じように私の人間観も一新してくれた本と共に2022年がスタートした。


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