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ルールを理解した瞬間に神ゲー『バルダーズ・ゲート3』

先日、150時間の長い冒険の末『バルダーズ・ゲート3』(以下「BG3」)をクリアしました。率直な感想としてTRPG未経験者だからこそ何もかもが斬新で、私の中では人生ベストの1本になる程に爆発力のある作品でした。しかし最初からこの作品の虜だったかのと問われたら答えは否です。作品内で用いられる固有名詞の意味がわからない為に上手くビルドが組めなかったり、シナジーのない防具をキャラクターに装備してしまったり、ただでさえ難しいゲームなのに無知が重なったことでさらに難易度が引き上がり苦戦しながら、やっとの想いでAct1クリアしました。

しかしそんな私ですが、とある工夫の結果BG3沼にハマることができました。それが何か紹介すると同時に根本的に人を選ぶゲームであることは否めませんから、このゲームは誰に向いているのか、そして最後にこのゲームを通して私が感じたことを語っていきますので、お付き合いいだけると幸いです。


Act.1 誰にオススメなのか

アビリティポイントの振り分けとか「D&D」の前提知識がないと
どのように振り分ければいいのか分からないですよね。

まずこのゲームは万人にオススメできるものではないと断言して差し支えないと思います。「BG3」はテーブルトークRPG「ダンジョン&ドラゴンズ」(以下「D&D」)を原作としており、物語もちろん、様々なことをダイスロールで判定するといったシステム面も原作に準拠しており、ある意味では「好きな漫画、アニメを原作のゲーム化」「好きなアイドルが出演しているドラマ、映画」といったファンに向けたコンテンツの側面も兼ね備えている訳です。大好きな作品が原作リスペクト満点でゲーム化されて、ファンの方々はさぞ嬉しかったことでしょう。

では「BG3」は原作ファンにしか刺さらない作品なのか?否、決してそうではないです。このゲームに触れた方なら例え趣味趣向に刺さらなかったとしても、クオリティの高さは理解できたはず。では原作ファン以外でどのような人ならハマれるのか、または向いているのか、独断と偏見で例を挙げたいと思います。

こんな人にオススメ①:SRPG愛好家

例外はあるが戦闘は決まったシチュエーションで開始するワケではなく、
画像のように城壁にできた穴から奇襲をかけれたり出来ます。

このゲームのジャンル、とくに戦闘はシミュレーションRPGに該当するでしょう。「ファイアーエムブレム」や「ファイナルファンタジータクティクス」と同じですね。ターン性バトルで自分と相手の駒を交互に動かし戦略的に攻略するアレね。フィールドにマス目こそはありませんが、1ターンに移動できる距離がメール単位で決まっておりプレイ感覚は非常に近しいと思いました。

いや、むしろSRPGが好きであることが前提かもしれないなぁ…。私をはじめとした「TRPG」「D&D」未経験者の方々は、このゲームをより楽しむにあたって様々な固有名詞、ルールを把握する必要があり、その上でSRPGの基本的な立ち回りまで詰め込むのは相当な労力で、ゲームに対するモチベーションが非常に高くないと厳しいんじゃないかなと思います。

こんな人にオススメ②:オタク気質な人

このゲームの最も難関な点は「己の無知」、ゲーム内で用いられる様々な用語と何が出来て、出来ないのかさえ把握してしまえば、手強いけど決して理不尽ではなくゲームらしいトライ&エラーが楽しめます。

上記の画像は「BG3」における防具の詳細になります、身に馴染みのない単語が散見できるでしょう。「1d4」「攻撃ロール」「セーヴィング・スロー」これらの意味をプレイし察するのは困難でしょうし、手っ取り早く理解する為に最低でも調べる必要があり、遊びや休息の時間に極力脳を稼働させたくない方は当然いることでしょうから、そういう人には敷居が高い判断せざるおえません。ですのである程コンテンツに触れること自体に探求心を持てるオタク気質な方が前提みたいなところはあるかと。(もう1度言いますが「D&D」未経験者な上でね。)

Act.2 BG3を楽しむ為の工夫

パッケージ版BG3の特典として冒険者の手引きなるものが付属。
スパイク・チュンソフトかの初心者への救済措置?

「BG3」はとれる選択肢がとにかく膨大なゲームで、1つ1つ自力で試していたら、どれくらいの時間を要するのかわからないほど。いや、遊びの為にある程度の勉強は許容すると前の項目で述べましたけど、さすがに限度ってものがありますわな。てことでみんな大好きYouTubeで「バルダーズゲート3 解説」と検索するに至ったと。

ちなみに解説動画を視聴するまで正直葛藤がありました。基本的にシングルプレイのゲームは自分で試行錯誤してクリアする主義で、攻略はもちろん解説も見ない人間でしたので、エンターキーを押した瞬間に自尊心が傷つくんじゃないかと…。そんな自分の行為を正当化しようと脳みそが回転を始めました。

40項目ある特技を0から一つ一つ調べたら、どれ程の時間を要するのか。

導き出された答えは「TRPGは1人では遊べない」でした。例えば素人の私を誰かがTRPGに誘ってくれたと仮定しましょう。ダンジョンマスターや友人は、初心者の私に楽しんでほしいので、丁寧にルールを解説してくれるでしょう。また私が逆の立場だったとしても同じことをすることでしょう。

何が言いたいのかというと『バルダーズ・ゲート3』はTRPG「D&D」に準拠していながら、解説してくれる友達が付属していない最大の欠陥を抱えたゲームだったってこと!いや、マルチプレイには対応しているので、正確には私に友達がいなかったという悲しいオチなのだが。しかし、こんなご時世だ、ネットには心強い有識者がいる!彼らの力を借りることにしたとさ。

オススメの解説動画

世界観やゲーム内で出来ることの解説に関しては「アシムさん」の動画がオススメ。ネタバレへの配慮が素晴らしく、また「D&D」のルールブックを16冊所持しているらしく、最もバルダーズ・ゲートの世界観に精通して1人でしょうから、観解説から伝わる熱気、愛情がとてもいいです!上記の動画は私のオススメの1つ、オープニング解説動画で、そういうことだったのか!ってなる動画ですね。
この場を借りて「アシム」さん、素敵な動画ありがとうございました。

Act.3 感想

私が『バルダーズ・ゲート3』に魅了された大きな理由として、今まで私が遊んできたゲームでは得られなかった新鮮さが多かったことが大きいです。

例えば魔法で例を挙げると、炎や氷の攻撃魔法、加速などの補助系の魔法、回復魔法、それらは従来のRPGのように便利で強力、さらに「BG3」はそれに加えて、動物や死体と会話できるようになる魔法や、高いところから落ちてもダメージを受けないようになる魔法なども同じくらい便利で必ずしも戦闘で使える魔法だけが正義じゃない感じとか本当によく出来てるなぁと感心した。

次にやはり世界観とキャラクターでしょう。正直に言うと最初こそは洋ゲー特有のバタ臭さを感じておりました…しかし長い冒険の中でパーティメンバーや物語への理解が深まるにつれて、ゲームへの没入度が増し思わず目頭が熱くなってしまう場面もありました。

このゲームのタイトルにもなっている大都市「バルダーズ・ゲート」に訪れた瞬間…あの興奮は忘れることは出来ないでしょう。それが何故なのかはプレイした人ならきっと共感してくれるでしょうし、未プレイの人の楽しみを奪いたくないのであえて言いません。

他にも楽しかったビルドやそれぞれのキャラクターのことなど語ったらキリがない程に楽しめたゲームでした。人は選ぶ作品ですから強くはオススメはできませんが、購入したけど難しくて積んでしまったって人にはぜひ解説動画の1本や2本見たうえで再度トライする価値はあるぞと言いたいです。

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