vol.84 僕が考えるエンジニアの心得 ver1.0

今回は、僕が「こんな心構えでみんなと仕事ができると最高だなぁ」と考える、エンジニアの心得を文章化してみました。(エンジニア、と書きましたが、他の職種の人たちにも結構当てはまる部分が多いのではないか、と思っています。)

僕は基本このロジックに従って業務を遂行しています。
でも、まだまだこれから色々経験を積む内にまたバージョンアップしていくと思いますので、まだver1.0です。僕自身、数年後に今の内容とどう変わっているのか楽しみです。

僕が考えるエンジニアの心得 ver1.0

1. 「なされるべきこと」

わたしたちは、一個人としてやりたいことをするのではなく、会社として「なされるべきこと」にフォーカスしたチームを目指します。

一個人として「やりたいこと」と、会社として「なされるべきこと」は違います。会社としてはこれらが一致するようにできる限り最善を尽くします。
ただビジネスがある以上、本人の希望にすべてマッチさせることにどうしても限界があります。ですので、各個人しっかりと「なされるべきこと」をしっかりと考え、日々業務の中に面白みを見つけていくマインドを持つ必要もあるでしょう。

2. 「開発目的」

開発の目的は問題を解決することです。わたしたちの開発とは、問題をしっかりと見極め、コードへ落とし込み、リリースしてお客さまに価値提供し、問題が解決されたことを確認するまでの、すべての業務を指します。わたしたちは、開発はコードを書くだけ、という狭義の開発業務だけを行うのではなく、要件定義や各種設計はもちろんのこと、ビジネスやその他さまざまなことにも興味をもち学習し、積極的に関わる広義の開発業務を行っていきます。

それぞれのエキスパートがそれぞれの領域において活躍した方が効率的です。ただ、お客さまに価値提供を行うには、それら領域は複雑に絡み合っていて、おたがい興味を持ち学習し、積極的に関わろうとする努力をしないとサイロ化が進み本当のゴールを見失いがちになってしまいます。また、自分のよくわらかないものは悪く見えてしまいがちです。
広義の意味での開発業務を行うことで、会社としては問題の本質に向き合うことになり、自然とサービスは向上しますし、自己組織化が進みます。そして個人としては汎用的な複数スキルの掛け合わせにより市場価値がとても高まります。結果として会社と個人、双方が成長することになるでしょう。

3. 「案決め」

答えのないむずかしい問題は多くあります。しかしわたしたちは責任を持ち一生懸命考え複数案を練り、自ら案決めし提案まで行います。わからなくても「まずやってみる」。そういったチャレンジ精神を大切にします。

具体的には「○○についてA案〜C案が考えられますが、A案にしたいと思います。理由は...」というような形です。
例え失敗したとしても、自ら知恵を振り絞り何らかの案を出し切ることに大きな価値があります。そういった行動習慣を積み重ねることにより、次第と人に頼らずとも自分で物事を考え決断するという、汎用的な力が養われるでしょう。
ただ、自ら悩み抜いた末にどうしても案が出ないときもあります。そのときは期限を意識しつつ、思い切って仲間に相談しましょう。
相談を受けた仲間は、その人がわからないとすぐに投げ出していないかを見た上で相談に乗ってあげましょう。真のフォローとはそういうものです。

4. 「責任」

わたしたちは責任ある行動をとります。
わたしたちの意味する責任とは最後まで諦めずに仕事をやりきることを指します。
特に失敗したときには自ら率先して最後まで適切に対処し、振り返りにより社内全体で同じ過ちを二度と起こさないように対策するところまでを含みます。

責任という話しになると罰のイメージがつきまとい、および腰になる人はとても多いです。そうではなく、失敗してもリカバリーして同じ過ちをおかさないようにすることが大切です。思い切って最後までクロージングしていきましょう。

5. 「信頼と勇気」

わたしたちは信頼と勇気を大切にします。
わたしたちの意味する信頼とは、信用と異なり何の担保もなく相手を信じることを指します。
そのため、アクションを行う側、受ける側、双方に勇気を持ちます。

「何の担保もなく相手を信じること」とは、例えばその人の過去の実績を見て信じるに値するかどうかを判断する、ということではなく、無条件で人を信頼するということです。ですので、信頼することは難しくとても勇気が必要になります。
アクションを行う側はその言動により相手を傷つけない、そして相手に傷つけられないと信じる勇気、アクションを受ける側は相手が悪意がなく自分のことを想って話していると信じる勇気を持ちましょう。
特に相手にとって厳しく感じることは内に秘めて悶々としたり、陰口を叩くのではなく、積極的にオープンに話すようにし、また聞き手は思い切って話してくれた人に感謝するようにしましょう。
アクションを行う側、受ける側、双方のポイントとしては、人の問題とせず、あくまで問題にフォーカスすることです。波風立てず誤魔化して表面上仲良くするのではなく、真の信頼関係を築いていきましょう。

6. 「コミュニケーション」

コミュニケーションは双方向通信です。
話をする側は、背景などを含めた説明、また質問を受けたときには最後まで説明する「アクション責任」を負います。
話を聞く側は、わかった/わからなかったと反応する「リアクション責任」を負い、すべてを自分事とします。

「実はあのとき○○と思っていた」とか、「○○さんが言ったこと(決めたこと)だから」という会話が出てきた場合は要注意です。他人事となっている可能性があります。
聞き手は理解できないことは必ず質問し、話し手はそれに対しきちんと説明しましょう。
意思疎通した上で仕事を行うことは自然とアウトプットを高めますし、さらにもっとよいアイデアが生まれることもあるでしょう。

7. 「役職は役割」

役職はあくまで役割であり、そこに上下関係はありません。
役職者はその役割に応じた意思決定は行いますが、基本的には命令する人ではありません。
わたしたちは積極的に提案し、チームやプロダクトを改善しつづけます。

指示待ち人間になったり、お伺いをたてるような会話はやめましょう。上を見て仕事をするのではなく、横の仲間たちと一緒にお客さまに向かって仕事をしましょう。
とはいえ、役職者が命令を出さなければいけないときもあります。その場合は、どうして命令が出たのか、出した側、出された側、双方ともその背景や理由についてしっかりとコミュニケーションを取りましょう。

8. 「職人としての自己研鑽」

わたしたちは自己研鑽に励む心構えを持ちつつ、どのように生きていきたいのかしっかりと考えて、プライベートな時間を有意義なものとしていきます。

自己研鑽を会社がフォローする意味合いとして2つの側面があります。福利厚生的なもの(がんばる個人を応援)と事業戦略上のもの(戦略遂行のための必須スキルの習得)です。
会社としては双方の側面に対し、できる範囲でフォローしていきます。ですが、小さな会社ではできることはとても小さいです。
そして、おのおの職人である以上、基本はプライベートでも自己研鑽に励む心構えは必要です。とはいえ、プライベートの時間を使って自己研鑽をする/しないは個人の自由です。ただ、一般的な話として、どのような会社でもビジネスというものはどうなるかはわかりません。自分(や家族)を守ることも含めて、時間を有意義に使って欲しいと願っています。
どのように生きたいのか、道に悩んだときはマネージャーがいます。とても難しい問題なので答えがでるかはわかりませんが、ぜひ一緒に考えていきましょう。

9. 「守破離」

業務に問題はつきものです。
問題というものは他企業にも共通したものも数多くあり、自分たちの中だけで知恵を絞り解決にあたるのは得策ではありません。
わたしたちは「守破離」の精神で積極的に外部の技術やプラクティスを学び自己流を確立してチームを改善していきます。
そして得た学びは他の同じ悩みを抱える世界中の人達へ積極的に発信し還元していきます。

ありがちな罠として外部の技術やプラクティスを導入すること自体が目的となることが多いです。ただ流行っているから、ではなく、解決したかった問題が何なのか、自社でやるにはどうカスタマイズすべきかをしっかりと見極めて改善していきましょう。
そしてよりよい社会を創ることに積極的に参加していきましょう。


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