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SNS~親愛と軋轢


私の思い出す限りでは、SNSは10年以上前にmixiより爆発的に広まり、インターネットにおける人々の距離を縮め、多様なコミュニティを形成し始めて、もはや当然そこにあるものとなって久しい。
現在では主なSNSとしてはTwitter、Instagramなどが主流になっているようだ。世代や趣味傾向により棲みついているところは異なり、あるいは両方利用してる人も少なくはあるまい。


メディアに出ようとする人間———私のような箸にも棒にも掛からない麻雀プロなどにとっても、自分の存在を売り出すためにはSNSは大変重要なものとなったし、今も重要なものであり続けている。勿論使い方次第ではあるが、たんなる承認欲求にとどまらず、マネタイズの手段としても用いられるようになってきている。我々にとっては大きなメリットを享受できるもので、もはや使っていないという方が少数派であろう。


しかし、デメリットもある。
SNSはメディアに出る人間とそれ以外の人間の距離を近づける。それ自体は悪いことではないように思える。ただ、距離が近づくことによって起こる不具合もある。SNSが登場するまで可視化されなかった強すぎる想い、気持ちが見えるようになり、人々の間に軋轢を生み出すこともある。それはメディアに出る人間当人との間のこともあるし、その人間を知る者同士、つまりファンなどの間の諍いを発生させることもある。


冒頭で引用したツイート。
「プロを呼び捨てにするな」という主張だ。一見するとリスペクトを示せ、というただしい主張のように見える。

しかし、よくよく考えてみると、例えばプロに対する親愛の情の表し方というのは人それぞれだ。
もしかしたら、呼び捨てにすることがその人への親近感を表していることもあるかもしれない。テレビでプロ野球中継を見ている父親がヘマをした選手に対して「なにやっているんだよ、〇〇」と呼び捨てで野次りながらも夢中になって毎週テレビの前にかじりついているのを見てきたのだ。
私自身も、インターネット(にちゃんねる)で麻雀プロとして活動していたときは「比嘉」と呼び捨てされ、ヤジられたり下手くそ打牌をボロクソに言われながらも、コミュニティの中に溶け込んでいき、多くの支持をいただいた。それが現在の自分を作ってくれた。


親愛の情の表し方は人それぞれだ。
それがそれぞれの中で完結している場合はそれで何も問題は無かった。


だが、SNSはインターネット上でその人々の想いを可視化し、そして加速させた。
人によっては、リスペクトは神格化にまで行きついたかもしれない。
人によっては、野次、批判は誹謗中傷にまで行きついたのかもしれない。

そうなると、それは自己完結では済まなくなる。他者への呼びかけだけに留まらず、抑圧や同調圧力にまで発展することもしばしばだ。それはこの業界だけではなく、SNSではありふれた光景で、うんざりするほど見てきたのではなかろうか。

この記事は少し前に話題になった。
プロへの打牌批判はするべきではない、という主張だ。
実際、批判と誹謗中傷における明確な区別がつきにくい場合も多々あり、どこで線引きをすればいいのか、ということは結構難しいかもしれない。


それでは、このような問題を解決するのはどうすればいのか。

私個人としては、「寛容になる」か「棲み分けをする」の二つくらいしかない、と思っている。

前者の「寛容になる」がより重要で、基本的な部分だ。つまり、「こういう考え方をする人もいる」という自覚を持ち、その存在を認め、排除しようという考えは持たないことだ。「この部分がよくない、改善すべき」などの批判を口に出すくらいはいいだろう。しかし「ゴミ、クズ、無くなるべき」などの罵倒までは他人の目につくところで言うべきではない。そのあたりの距離感は個人によって様々なので「何を言ったらアウトなのか」はそれぞれが考え続けるべきだとは私は思う。

それでも、心に引っ掛かりどうしても許容できないという人は「棲み分け」るしかない。リムーブ、ミュート、ブロック、いろいろな方法がある。大事なのはちゃんと「こういうのは受け入れられません」とはっきり言っておくことだろう。ただ、「こういう考えの人もいる」という考えが前提になければ、結局排除行動に行きつく場合もある。「全員自分と同じ考えでなければならない」という考えは辞めて、寛容になることがうまくやっていくためには大事だと私は思っている。


SNS疲れという言葉が昔一時流行っていたけれど、その当時よりも現在はすべてがさらに大規模になっている気がする。情報が多く流れてくる中で、自分の心を刺激するモノが何度も現れ、熱狂し、ストレスを受け、疲れてしまう。それならSNSから離れるか、すべてに寛容になるかで自分を守る。
なにかにカッとなっても、すぐに反応せず一旦落ち着いて暖かいコーヒーでも飲んで、そのあと楽しいゲーム天鳳 でもしてそのなにかは忘れてしまおう。



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