結局「デジタルリテラシー」とは何なのか?
はじめに
前回の記事では、あらゆる分野でこれまでには求められなかった「デジタルリテラシー」が必要ということを書きました。
また、過去の記事では「データ活用スキル」について書きました。
ずっと書いてきて疑問に思うのは、
データ活用はなんとなくわかるが、デジタルリテラシーって何だ?
ということです。これまでも多数デジタルのスキルについて書いてきましたが、今回は改めて「デジタルリテラシー」を具体的に特定していきます。
デジタルリテラシーとは
デジタルリテラシーをどのように定義するかについて、様々なご意見があるとは思いますが、ここでは
「ソフトウェア開発」「先端テクノロジー」「セキュリティ」
という3つの分類で整理したいと考えます。その理由を以下に示します。
デジタルスキル標準の「テクノロジー」「セキュリティ」
まず、IPAの「デジタルスキル標準(DSS)」を参照してみます。ただし、DSSでは「デジタルリテラシー」という用語そのものは定義されていません。代わりに「テクノロジー」「セキュリティ」というスキルの定義があります。
テクノロジーは大きく「ソフトウェア開発」と「デジタルテクノロジー」に分けられ、それとは別にセキュリティが定義されています。
わざわざセキュリティをデジタルリテラシーに盛り込んでいるのは
これは、以前の調査結果を反映したからです。詳細は以下の記事をご覧ください。
そもそも、DSSでは「デザイン」と「セキュリティ」の重要性が高まっているということを示しているドキュメントである点も重要です。
3つのスキルは具体的に何が違うのか
先ほど挙げた三つのサブカテゴリーは、詳細に本文中に説明されています。それぞれを詳細にみていきましょう。
ソフトウェア開発
このスキルを一言でいうと、
ソフトウェアの開発および運用に関する知識と理解、活用できる力
です。具体的にソフトウェアを構成する要素の技術だけでなく、チーム開発や開発プロセスについても含まれているのは重要です。
いわゆるDevOpsと呼ばれる領域までもソフトウェア開発と呼ぶ範囲
である考えることができます。
先端テクノロジー
このスキルを一言でいうと、
デジタルの先端テクノロジーに関する知識と理解、活用できる力
です。DSSでは「フィジカルコンピューティング」と書かれていますが、これらはIoTやロボット、ドローンなどが含まれる領域ですし、その他メタバースなども先端テクノロジーでしょう。これらを上記の「ソフトウェア開発」とわざわざ分けて書いたのは
普段の業務で開発するソフトウェアが先端テクノロジーを使うとは限らない
からです。多くの業務システムはレガシーと呼ばれる技術の組合せで実現していることが多く、先端テクノロジーの知識とは分けて考えるべきでしょう。
セキュリティ
このスキルを一言でいうと、
セキュリティ対策の技術と運用に関する知識と理解、活用できる力
です。セキュリティの技術だけではなく、インシデント発生時のマネジメントもセキュリティの領域に含まれます。
おわりに
今回は、「デジタルスキル標準」などを参照しながら、デジタルリテラシーを具体的に特定していきました。
デジタルリテラシーを具体的に定義すると、なんとなく学ばないといけないことが明らかになったのではないでしょうか。
少なくとも「プログラミングスキル」が「デジタルリテラシー」ではない
ことは明確です。また、「データ活用スキル」と同じように、これら領域の一つずつ身に着けていくというよりは、業務などの活動の中ですべての領域に触れていくことが成長への近道かもしれません。
今後も、データ活用・デジタル技術活用については深堀を進めていきます。
(つづく)
この記事が参加している募集
課金してくれるととても嬉しいです。シェアしてもらっても嬉しいです。「いいね」も嬉しいですし、フォローも嬉しいです。要するに、どんなことでも嬉しいです。