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海南市の災害ボランティアに参加してきました

6/19(月) 、海南市災害ボランティアセンターを通じて、6/2の大雨で発生した水害に見舞われた地域で活動させていただきました。
和歌山県に限らず、各地域で被災された皆さまと周囲の方々に心よりお見舞い申し上げます。

当然個人が特定できない形でではありますが、少し詳細に記録しておきたいと思います。
長文ですが、ぜひ読んでいただきできれば活動に行ったり状況を周囲に広めたりということでご協力いただけますと幸いです。大雨から3週間近くたちますが、まだまだ大変な状況が続いている方、見えないところで孤立されている方も多いと思います。関心を持つ人が増えて「最後の一人まで」支えるため、ともにできることを考えられればと思います。

*最新情報・ボラ募集状況等は下記よりご確認ください。
https://kainanshishakyo.com/%e7%81%bd%e5%ae%b3%e3%83%9c%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%86%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%8b%9f%e9%9b%86%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

堺の実家から高速道路に乗って車で1時間ほどかけて、まず災害ボラセン(海南市保健福祉センターで開設)に午前9時に行きました。僕が到着したのは8:45頃でしたが、既に福祉センターの前に30名程度の活動希望者は集まっていました。(この日は最終的に48人参加されたそうです)
写真の通り注意事項を受け取り社会福祉協議会の運営職員の方から説明を聞いた後、手上げ方式(〇〇という作業があります、■人で活動してほしいのですが、こちらに行ってくれる方いますかと投げかけるスタイル)で集まった人たちのグループ分けが行われました。
軽トラ持参車、ならびに社協の軽トラを借用しての運転が可な人を起点に、1グループ4〜8人程度で構成されました。
(後で知ったのですが、社協所有の軽トラはAT車だったので、MT免許を持っていなくても運転できます。午後は僕自身初めて軽トラを運転して活動しました。)



午前、僕は50〜60代くらいの男性の方々と5人グループになりました。それぞれ単身でボランティアに来られていて、和歌山県内在住の方や海南市在住の方がおられる一方、岡山や埼玉からも来られていた方もいらっしゃったのが印象的です。
移動中や休憩時に複数回活動参加されている方にお聞きしたのですが、県外からのボランティア参加で、過去に熊本地震や西日本豪雨水害などの被災地に行かれたことのある経験者が多いとおっしゃっていました。
「お尻がむずむずする」「いてもたってもいられない」と話されているとのこと。
僕が活動ご一緒した方の中にもそんな思いで活動されている方がいたのですが、昔活動した際に被災された方から泣きながらお礼をいわれたことが忘れられず、また今ではボランティアに「ハマる」感覚をもって活動されているとのことです。また別の方は、「ボランティアが趣味だからね〜、旅行ボランティア!?も兼ねて温泉行ったり宿泊もするよ〜」と表現されていた方も。
午前の活動先は、「加茂川」という川の周辺地域の民家でした。元々JAがあった場所におしゃれなカフェ(Kamogo)ができている地域でもあり、後でインスタを見てみたら氾濫の時の壮絶な川の様子もアップされていました。
https://www.instagram.com/p/Cs_Catiy5VV/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MWQ1ZGUxMzBkMA==

活動先の民家は床上浸水には見舞われなかったものの、床下や倉庫が被害にあわれていました。ただすでに何度かボランティアも入っていたこともあって、僕たちが担当したのは倉庫にあった泥や物品などの運搬・廃棄や清掃を行い午前で活動が終わりました。飲み物をくださるなど、大変な状況にもかかわらずボランティアのことも気にかけながらお話してくださることに胸がギュッと締め付けられる思いでした。作業や運搬などもあったのでゆっくりお話というところまではできなかったのが心残りですが、「本当にありがたいんです」「こんなことまでしてもらってありがとうございます」とおっしゃっていただいたこと、少しでも力になれていたならと思います。
泥や物品の廃棄について、6/18まではボラセン周辺に集めていたところがあったそうなのですが、この日からはそれが無くなりクリーンセンターに廃棄しにいかないといけなくなったので、片道20~30分程度かけてセンターまでいかないといけないのがもどかしいところではありました。ただ5人いたので倉庫作業チーム3人とセンター運搬対応チーム2人に分かれて活動できたのと、運搬対応で一緒にセンターに行った方が海南市在住の方だったことで地理的な話や状況などを詳しくお聞きすることができました。
県外から沢山ボランティアが来ているのに地元の人間がもっと動かないといけないという思いもあって活動を続けてること、昔は市が栄えていて5つも映画館があったけれど今は超少子高齢化が進んでいること、津波対策で南紀田辺までの4車線化と紀伊半島一周高速道路の工事が進んでいること、和歌山県内で大きな力をもっている自民党・二階俊博議員がいることがこうした道路建設等に大きくかかわっているのではという話など、本当に濃い色んなお話を聞きました。
https://www.pref.wakayama.lg.jp/bcms/prefg/000200/kenmin/web/201207/tokusyu.html

そして午前で活動が終わったので、一旦ボラセンに戻り活動報告。また休憩室が用意されていたので、そこで食事をとりました。手書きで感謝の言葉が書かれていたり、「冷たいお茶をどうぞ!」と冷蔵庫にペットボトルの飲料があったりと、社協の方々も大変なのに思いやりのある場でほっこり、心もチャージさせてもらった感覚でした。

午後も活動できる3人が残り、1人は軽トラ運搬や他チームへ合流しての活動、僕たち2人は「畳を2枚上げてほしい」というニーズがあるのでそちらへ、分かれて活動しました。
行った先は午前とは違う場所で、「日方川」という川が氾濫した地域の民家でした。
後で調べたら氾濫当時の動画がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=c27wjyKLrYE
※動画を撮影する / 見に行く ということは非常に危険なので、必ず避難してください。
こちらの投稿者の方もそれを反省した上で、少しでも記録を共有すべくアップされているようです。

午前の加茂川周辺もそうでしたが、道やお店などの様子を見ても全く氾濫した様子や痕跡を感じず、ご自宅まで入らないと実際に水害が発生したことなどが分からない感じです。大阪北部地震の際に家庭内でモノが散乱して大変だけど外からは分からないのでボランティア依頼の発想がわかなかったり相談先が分からない方が取り残されるというような状況がありましたが、災害自体は違えどそれに近いような感覚を抱きました。というのも、海南市では家や道により高低差が微妙に変わっている凸凹した地形であることなども多く、少し家が高いところだったから浸水を免れた、少し低かったから床下まで浸かった、など家によって被害状況が違うということも沢山起きている様子なので、被災状況が見えにくいということはあるかと思います。また「あと数軒隣であれば被害はなかったのに…」というような思いも生まれやすい状況だと感じました。



活動の話に戻りますが、畳を上げるだけで終わらない予感はしていたのですが、活動先の民家につき状況を見たりお話するとやはり床下に泥がたまっていたり、木が湿っていたりという状況で、泥出しや消毒、乾燥などの対応が必要な状態でした。これまでも少しずつボランティアや近くにいる親族と相談して畳を数枚ずつ順に乾かしてという対応の途中のようでしたが、皆さん水害に会った際の知識がない中で対応されているので何が正解か分からずということで今に至っているようでした。また日々そこで生活されながらの対応なので、できるだけ大掛かりな対応がなくて済むようにという思いもあったご様子でしたが、このままだとカビ・害虫・悪臭等により健康被害が発生してしまう可能性があるので、一般的な対処方法についてお話をしました。「大事になっちゃったね…」「大家さんの電話番号も分からないし」と茫然にされており、今もその姿がずっと目に焼き付いており、とても胸が痛いです。ただ対処の方針さえ決まればボランティアや社協が連携している専門業者等との連携で対応ができる可能性があることなども併せてお伝えした上で、この日は畳などの感想や家具の配置替えなどをお手伝いして活動を終えました。
一緒にボランティアした方とボラセンまでの帰り道に「被災して、知識もなく調べるすべや相談先も分からない中では対応できないし、災害ボラセンに何をしてほしいと依頼することなんてできないよね。知識がある人が提案型で一緒に解決策や選択肢を探っていかないとね」と話してました。おそらくこのあたりは災害NPO等の専門家が入ることでできることだと思うのですが、(海南市ではなくほかの地域について考えたり聞く中でも)このあたりの連携などもまだまだ課題が大きいと聞きます。包括的な支援体制を本気で考えて一軒一軒に対応できる状況を作ったり、IT技術を駆使して写真や動画等から状況を判断し必要な対応や機関とつないだりできるような仕組みを作ったり、ということも必要ではないかと思いました。

またこの日は僕が所属している #神戸写真洗浄 #おたがいさまプロジェクト のメンバーとしても現地活動という側面があったため、最後の活動報告まで終えた後に、写真洗浄の手法・ニーズの受付方法などを社協担当者の方にお話させていただきました。具体的な洗浄の手順や活動状況なども熱心に聞いてくださり、お渡ししたチラシを住民の皆さんやボランティアへの周知にご活用いただけるとのことでした。
(代表 大竹 修さんからメールでも詳細を共有させていただきました)

色々お話をお聞きすると、社協職員に被災者はいなかったものの、6/2当時避難所にもなっていた災害ボラセンがある「海南市保健福祉センター」自体が被災、1階部分に泥水が流れ込んできたため急遽2階へ避難したそうです。しかし6/3中には早急に片付けが行われて、6/4からここで災害ボラセンが開設されたことを思うとこのスピードはものすごいことだと感じました。慣れない対応、また和歌山県内の各地域から応援職員の方が来られてチームを結成して対応にあたっている状況など大変なことも多い中だと思いますしもちろん課題も沢山あるとは思いますが、困難な中でもひとりひとりに寄り添い対応にあたられる職員の皆さんにも感謝したいです。

(1日を通して)
何より、やはり第一次情報として現場に行かないと分からないことがたくさんあると感じました。
先ほど書いた通りベテランのボランティアも多いですが、初めての災害ボランティアでももちろん活動できるし、グループで対応することが多くほかの皆さんと相談しながら作業にあたることもできるので、そこはハードルを感じずに関心さえあればぜひ現地へ行っていただきたいです。
人数がもっと沢山いれば、作業的なことだけでなく住民の方とお話して寄り添う「泥を見ずして、人を見よ」という活動がよりできるようになるとも思いました。
また、この投稿でもいろいろ書きましたが、自分自身、消化しきれない課題感やモヤモヤも沢山感じました。住民さんやボランティアの皆さんと話し出会ったことからも、学びと悩みがいろいろ出てくる感覚、これをこのまま終わらせず考え行動し続けることは大切にしたいと思います。自分だけで抱えることではないとも思っているので、ぜひそんな話を聞いてくれる人がいたら一緒に話したいです。

また、僕自身、個人で災害ボランティアに行くのは初めてでしたが、服装等必要なもののそろえ方や心構えさえ分かっていれば活動参加自体は全く難しくないと改めて感じたので、とにかく『できるだけ早く現場にいける“環境づくり”』を職場や学校などでいかに作れるかを今後のテーマにしていきたいと強く思いました。
とにもかくにも、行ってから・動いてみてから考えるということかなと。
ただ、もちろんそういった環境が整っていなかったり一人一人の状況・タイミングによって優先しないといけないことも沢山あるので、「できるひとが、できるときに、できることを」です。今回も行きたいけどいけなくて申し訳ない・情けないなどのご連絡いただいたりもしましたが、全くそんなことは無く、その思いがある人が複数いることが希望だと思いますし、一方でそんな温かい思いがある人が活動に関われるような社会や環境をつくっていくことを一緒に考えたいです。現地に行くだけでなく、寄付したり、情報をシェアしたり、調べて状況を知ったりも大切なことですし、「関心をもって関わり続ける」ということが希望につながると信じています。

今後どの程度県外からのボランティア募集が続くか分かりませんが、7月1周目にまだ募集が続いているようであればまた活動したいと思っています。
またこのタイミングに限らず、もし災害ボランティアに関心がある方がいれば持ち物や準備、心構えなどサポートできることもあるので、気軽にご連絡ください!

追伸:
災害ボランティアでは高速道路無料措置があるので、今回僕もそれを活用して往復の高速道路料金は無料で活動することができました。ぜひご活用の上、現地での活動にもご参加いただければと思います。
※但し、事前に資料作成(NEXCOサイトから簡単にできます)や印刷が必要、また地域や期間が限られているなどルールもあるため、事前に確認してください。
https://dc2.c-nexco.co.jp/etc/service/saigai.html

活動にあたりおたプロ代表の修さんのバックアップや、FB等でコメントや反応いただいた皆さんの応援も大変力になりました。ボランティアを送り出す視点でもこうした応援はとても大切だと皆さんから改めて学んでいます、ありがとうございます!

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