売上を100倍にするのにやってきたこと

2023年11月29日の株主総会を持って7年以上務めてきた株式会社キャスターの取締役を退任しました。業務委託で手伝ってた期間も入れると8年以上、キャスターの経営や事業に携わってきたわけですが、その間に売上は100倍以上、従業員も50倍以上になりました。

私が管掌した範囲は広いのですが、比較的新しい事業の立ち上げ、既存事業で伸び悩んでるところの立て直し、営業やマーケなどレベニューを最大化するミッションが多かったです。
今回は、100倍以上に会社をしてきた中で、どんなことを考えてきたか、やってきたかを触れたいと思います。
なお、キャスターの事業に関することなので、具体的なところは書いていませんのでご了承下さい。


1. シンプルにする
とにかく事業を伸ばす上で重要だと思っているのが、シンプルにすることです。
これは事業としてもそうですし、営業する時もそうですし、KPI設定や、戦略にしてもそうです。やることを絞る、やらないことを決めるとも言い換えられます。

私も個人的に事業や会社の相談を受けることもありますが、だいたいうまくいってない事業や組織をみると「複雑」です。
この中で何が大事か?と聞いても答えられないことがほとんど。なぜ複雑なのはダメなのか。理由はたくさんあります。お客さんからしたら複雑なサービスは伝わりませんし、メンバーからしてもたくさんの指標と矛盾するような施策がいくつも走っていたら何が大事かわかりません。また限られたリソースをどこに集中するか決めないとだいたいが中途半端になります。だからこそシンプルにすべきです。しかし不思議なもので、事業をやっていくとどんどんアレもコレもと施策が増え、追う指標が増えていくものです。だからこそ定期的に断捨離をしてシンプルにし直すことがマネジメントの仕事であると言っても過言ではありません。そして、シンプルにするには考え尽くしたKPIに絞らないといけません。シンプルにすることは考え尽くすことでもあり、事業のドライバーを見極めることでもあります。イメージとして追うKPIは多くて3つ、ですね。

2.変数を動かす
事業のプロセスを因数分解し、KPIを設定するかと思いますが、その際に大事なのは「定数」と「変数」です。ここでの定数は自分たちだけでは動かせないもの、もしくは今の段階では動かしにくいものを指します。変数は、その逆です。
当たり前ですが、定数ではなく変数を動かそうとすることが重要です。定数を動かそうとすると、リソース投下量に対してリターンが少ない可能性が高く、成果に結びつきにくいです。だからこそ、変数を動かすこと。そして定数と思われてるものを変数に変えられないかに集中することです。
例えば営業で言えば、受注率を上げるのは営業マン一人ひとりのスキルを上げる必要があるので時間がかかります。なので定数と考えて別の変数を変えにいく、みたいなことです。もちろん受注率が変数として動かせる要素であればそれを変えます。定数なのか変数なのかの基準によく私が考えてたのは「いまいるメンバーのスキルや能力が全く伸びないとした場合に、変えられる数値はどれか」という視点で考えてました。

3.とにかく障壁を減らす
これはマネジメントしかできない仕事ですが、お客さんがサービスを使う時に存在するハードル、障壁をすべて取り除くということです。ハードル、障壁があればあるだけサービスを利用する可能性は減るわけですが、この障壁を自社の制約で作ってしまっているケースも少なくありません。そういったハードル、障壁となってるものを見極め、会社全体を動かしてでもそれを取り除くべきです。決して、他の部署だからと諦めたり、人のせいにしてはいけません。社内外含めてタフなネゴシエーションになることがあったとしてもハードルとなること、障壁となることは変えるべきです。

4.とにかく可視化する
なかなかうまくいってない事業にありがちなのが、現状把握ができていないということです。これはどうなってますか?この数値はどう?と聞いても答えられないことがほとんどです。当たり前ですが、現状がわからなければ課題は分かりませんし、課題がわからなければ何をすればいいのかわかりません。そのためには現状を正しく把握すること、数値で把握することは基本ですが、めちゃくちゃ大事です。それもざっくりの把握ではなく、中間指標なども含めて細かく数値で可視化し、そこから全体像を理解できるようにしてください。数値を集めたり、フローをメンバーに聞く過程で自分の理解も深まります。まずは何を聞かれても数値で、そしてできれば加えて定性でも答えられるように把握しましょう。

5.価格をあげる
これは個人としてはお手伝いしてる会社でもほとんどのケースでそうなのですが、提供価格が安いです。これは何もいいことありません。提供価格を決めるときには、裏側でのオペレーションやマーケティング、セールスのコストなどを全て加味して決めるべきですし、自らのサービスの価値を正しく伝える価格を設定しましょう。


6.思考と行動のバランスを間違わない
行動が全て!という人もいますし、まずしっかり考えようという人もいますが、これはどちらが正しいなどはなくフェーズと状況で変わります。が、経験則からいうとどちらかだけやっておけばいいということはなく、考えられる部分は考え尽くすべきですし、考えてもわからないことがあれば動いてみて、行動から得られる情報をもとに考えをブラッシュアップするしかありません。これはバランスが求められますが、人は結構単純化してしまいがちです。決して単純化せず、考えたり情報を集めたらわかるところと、行動しないとわからないことの見極めはきっちり行いましょう。例えば「まず行動してみて検証しましょう」というのはそれらしいのですが、なぜこのフェーズで検証するのか、何を検証するのか、などをしっかり考えることです。検証、検証となってていつまで経っても意思決定できてないことも多いですし、検証や分析というのは意思決定して行動するため、そしてそれを振り返るためにやるものです。そういった目的と手段が入れ替わるようなことがないように、思考と行動のバランスについては常に考えています。

7.あとはやりきる
あとはやりきるのみです。ただ、やりきるなら「ここまでやってるのか」というレベルの細かいところまでやりきるべきです。やってるんですが成果出ないという場合、やるべきことが間違っているか、もしくはやってるけどやりきってないパターンがほとんどです。ここは執念を持ってしつこいくらいに決めた手段をやりきることです。ただし、それをやりきった結果が出ないのであればすっぱり諦めて、戦略を練り直しましょう。粘りに粘った後は、間違えてた!と認めて、もう一度やり直す勇気が大事です。


なんだかばーっと書いたのでまとまりがないかもしれませんが、少しでも役に立っていたら嬉しいです!
もし事業手伝って欲しい、ウチも100倍にしたい!などあれば以下よりDMなど頂ければと思います。

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