第七話 子供会

僕の小学校では、子供会があった。後で地区自治会という名前に変わったけど。

この子供会では、いろんな楽しいイベントやボランティアのような地域のお手伝いをする活動も行っていた。

毎年この時の会議が始まると、夏休みがもうすぐだと思えて楽しみだった。やはり必ずするのは、花火大会と肝試しだ。これは外せない。

みんなで少しずつお金を出し合って、町の路線バスに乗り30分かけて花火屋さんに行った。そこの花火屋さんには、たくさんの種類の花火が並んでいた。見ているだけでも1日中いられるぐらいだった。

長いひもに花火が連なっているナイアガラや、ねずみ花火に打ち上げ花火、いろんな種類の手持ち花火などを購入した。

いよいよ夏休みの子供会行事の日は、朝のラジオ体操からみんなワクワクでその話でもちきりだった。午前中は学校へプールに行って、午後から近くの公民館に集まってまずは大量の宿題をみんなで教え合いながらやった。
いろんな年代が集まるから、とても宿題がはかどったものだった。

その間にお母さん方が中心になって、夜ご飯を作ってくれていた。焼きそばや焼肉、焼きトウモロコシなどさながら祭りの出店のようだった。

お父さん方は、もちろん河原でBBQをしながら酒盛りをして出来上がっていた。

僕たちは宿題の時間が終わると、一目散にとっても美味しそうなご馳走に駆け寄った。ひとしきり食べると、6年生のお兄ちゃんお姉ちゃんたちが花火の準備に取り掛かる。僕は、ロケット花火で始まりの合図を空に放った。

とってもきらびやかで切なさの入り混じる花火をみんなで堪能した。

花火をしていると、光に吸い寄せられたカブトムシやクワガタも寄ってきたので僕らは夢中になって捕まえた。河原では、蛍の明滅がユラユラ揺らめいている。隣では、別の蛍もゲラゲラ笑いながら楽しんでいた。

花火大会が終わると、今度は僕の大好きな肝試しだ。

懐中電灯を1本持ち、二人一組で町内を回りお墓のところにある紙を持ってくるというルールだった。

僕は、とっても怖い話やお化けや妖怪などが好きなのでウキウキだった。
くじ引きで、相手を決めていく。僕と一緒になったのは、一つ学年が上のいつも優しくとてももの静かなお姉さんだった。

僕は楽しいので、懐中電灯でいろんなところを照らしながらお化けや妖怪がいないか探しながら歩いていた。すると、いつもあんなに優しくて静かなお姉さんが顔を真っ赤にして

「ちょっと!!あちこち照らさないで!!怖いんだから、真っすぐ足元を照        らしなさいよ!!」

と、怒られた。それが一番僕は怖かった。

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