第十四話 中学校入学

一面銀世界だった雪が解け、梅の花が咲き始める。

ピカピカでブカブカの制服に身を包み、ウキウキしながら中学校へ入学した。中学校は、各地域の小学校から集まるので人数も増える。

僕は、昇降口に貼りだされているクラス表を確認した。1年D組だった。

真新しい内履きに履き替え中に入ると、小さな女性の先生が立っていた。僕たちのために案内をしてくれているのかな、と思い近づくと

「1年生はこの先は通らずに、右側の階段を上るように!!」

と言われた。僕は不思議に思い何故かを聞くと、どうやら学年ごとに歩く通路や階段を分けているようだった。そうしなければいけないぐらい、僕の通う中学校は ”荒れていた”。

3年生はとにかく元気で、下級生が教室の脇を通ろうものなら必ずラリアットされていた。廊下で自転車を乗り回しているし、天井や壁は穴だらけだった。なので、2年生はとてもおとなしくビクビクしながら生活しているようだった。

1年生は入学するとすぐに、自然の家という施設で宿泊してオリエンテーションをする。みんなでカレーを作ったり、今後の中学校生活について話しを聞いたりした。

休憩時間になり急に、体のとても大きな男子が大きな声で

「この中で野球が好きなやつ!手あげて!」

と、言った。僕は野球好きなので手を上げた。そこで野球部に入ることが決まってしまった。本当は、バレー部に入りたかったが男子バレーがなかったので野球をすることにした。

毎朝5時過ぎには、起きて準備をして朝ごはんを食べて新しい自転車にまたがり15Kmほどの道のりを通った。野球部は荷物が多いし、中学校のカバンも大きいので結構大変だった。


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