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逃避の散歩 19.京王井の頭線(その3:富士見ヶ丘駅から吉祥寺駅)

(その2:東松原駅から高井戸駅)より続く。

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『ミセス・ダウト』の主題歌である、エアロスミスの『Dude(Looks Like A Lady)』を脳内BGMに、左右を都営住宅に挟まれた線路沿いの道を歩く。車通りも人通りも少ないので、心地よく進める。

やがて道は左に逸れ、最初の角を右に入ると四差路になる。右に踏切が見えるのを確認したら、前の道を進む。緩い上りとなって、やがて下りながら少しだけ右に逸れる。

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1時間53分経過、富士見ヶ丘駅前を通過。右に踏切が見えるが、渡らずに左折する。

最初の横断歩道の先に橋が見える。橋名板を見ると「月見橋」と書いてあり、橋の下には川が流れている。察しがついたと思うが8分ぶりの神田川だ。ここからまたこの川に沿って歩く。

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右側には京王井の頭線の車両基地・富士見ヶ丘検車区がある。

道は広くないがちょっとした桜並木があり、電車に乗っている時には見えない検車区の様子がわかる。

検車区を過ぎると人見街道に合流する。この街道は別ルートで吉祥寺へ歩くときにも横切ることはあるが、歩道の狭いところが多いので、基本的にはなるべくこの街道を歩かないようにしている。

変則的な五差路になっている横断歩道から久我山駅の南口が見える。横断歩道と同駅南口の右側に見える踏切を渡る。

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おっと、通過証明の写真を撮り忘れるところだった。

2時間3分経過、久我山駅北口を撮影して通過。そして最初の十字路を左折し、最初の踏切に差し掛かる。

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踏切を渡らずに坂を上り、これから複雑な道を通ることになる。

ここで『イップ・マン 完結』の『中秋大戰』(作曲:川井憲次)が脳内で流れる。ドニー・イェンの『イップ・マン』シリーズは格闘アクション映画好きにはたまらない組み合わせの名勝負が多くて素晴らしい。

まず坂を上ったところを突き当りまで進み左折、2つ目の角で送電用の鉄塔が見えたらそのまま道なりに直進。また突き当たったら、左に跨線橋があるのを確認して右折し、最初の角を左に入る。

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一瞬、「道を間違えたか」と思わせるが、奥の道路標示を見れば左折できることがわかる。左折してすぐ右折というクランクに入り、また道なりに進んでいく。最初の角を進行方向から見て左側にまた跨線橋が見えたらそのまま直進する。

また突き当たるので左折。道は下り坂になる。

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やっと線路沿いに出た。下り坂は続いている。

ここまでをおさらいすると、坂を上ったら直進して突き当りを左→ひたすら直進して突き当たったら右→最初の角を左→突き当りを左に入って道なりにひたすら直進→突き当たったら左。

この辺りでまた『イップ・マン 完結』より『最終一戰』(作曲:川井憲次)に脳内BGMが切り替わる。タイトル通り、終盤の決闘シーンで流れる。シリーズを通して観ていると、このシーンが切なく感じる。決着のため、今まで超えなかった一線に踏み込んでしまうからだ。

途中で踏切前を通過すると、また線路から少し離れてしまうが問題はない。ここから杉並区と三鷹市の境界をしばらく進む。

三鷹台駅北交差点に差し掛かり左を見ると、交差点の名称通り、三鷹台駅が見える。ここで杉並区の境を越えて三鷹市に入る。ついに市へ突入だ。

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交差点の踏切を渡ってから左折し2時間18分、三鷹台駅前を通過。そのまま右折し、線路沿いに進むと同時に、また神田川と合流する。余談だが、神田川に入ってすぐ、三鷹台駅の改札口へ向かう陸橋の隣に公衆トイレがある。

道はしばらく線路沿いに伸びているが、途中で川の流れに合わせて右に逸れる。最初の橋が見えたら左折。ここで神田川とはまたお別れだ。

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少し進むと、階段と小さな踏切が見えてくる。これが今回のルートで最後に渡る踏切だ。

渡って右折するとすぐに上り坂となる。上り切ってしばらく進み、丁字路の道路標示が見えたら井の頭公園駅のホームが見え、同時に下り坂となる。

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2時間29分経過、井の頭公園駅前を通過。

さて、残るは吉祥寺駅となったわけだが、そこまで進むには井の頭公園を抜けなければならない。ここで『ドラゴン/ブルース・リー物語』の『Bruce and Linda』(作曲:ランディ・エデルマン)が脳内に響く。いろんな映画の予告編で使用されているので、タイトルを知らなくてもこの曲のあるフレーズを聴けば「あの曲だ」と思う人は多いはず。

階段を下りてすぐのところに見える公衆トイレ右側の「よしきり橋」を渡って左折、左に水門橋が見え、その先の左側に「ひょうたん橋」がある。ここでまた神田川に遭遇したが、ここで本当にお別れだ。

ひょうたん橋あたりで右側に公衆トイレが見えたらその手前を右折する。

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車止めの先は上り坂となり、「水門通り」と書かれた案内標識があるのを確認できれば正解だ。この車止めを越えたところで最後の越境、三鷹市から武蔵野市に入る。

三鷹市、短かったな。

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坂を上り切ると踏切が、さらにその先には井の頭通りの信号が見える。だが、さっきも述べた通りこの踏切は渡らない。

踏切の手前を左折し、さらにその突き当りを右に入って道なりに直進する。そして線路の高架下をくぐり、ここで井の頭通りと合流する。

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井の頭通りに入ってすぐ左折すると、その先には吉祥寺駅の駅舎が見えている。だが、南口(公園口)まで着かなければ終わりにならない。そのまま直進し、駅舎の高架下をくぐる。

ちょっとした高揚感が出てきた。

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高架下を越えて右を見上げると吉祥寺駅の駅ビルが見える。残りは100メートルほど。駅前なので、当然ながらこの辺りから人通りが多くなってくる。最後の人混みポイントに入った。

井の頭公園の近道でもあることから、信号待ちで多くの人が通る丸井吉祥寺店前の横断歩道を渡る。渡った先に見えるのは終着点だ。

脳内でザ・バスボーイズの『バック・イン・タウン』(原題『(The Boys Are) Back In Town』)が流れる。『48時間』の主題歌として有名だ。締めくくりにいい曲が来た。

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吉祥寺駅南口(公園口)に2時間39分で到着。

京王井の頭線の路線距離は12.7キロメートル(参考)。やや遠回りしたが、実際に歩いた距離もだいたい同じくらいか少しだけ長いくらいだと思う。渋谷区から始まって目黒区、世田谷区、杉並区、三鷹市、そして武蔵野市と6つの市区をまたいで移動した。

通しで歩いて改めて思ったが、今回のルートは大半が人通りの少ない静かな道なので、無心で歩くにはいい逃避に向いている。それに、上映時間が長めの映画1本分(例:『七人の侍』、『指輪物語』各章、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』など多数)で渋谷から吉祥寺まで歩けることはわかった。

さて、コーヒーでも飲んで一息ついたら帰ろう。