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「例え話がうまい人」って「抽象化がうまい人」だ

僕は例え話が上手な人が好きです。

「例える」って、話している事柄を他の角度から見えるようにすることで、その場にいるみんなが共通理解するのを助けるための優しい技術だと思います。

SHOWROOM株式会社代表の前田裕二さんの著書『メモの魔力』を読んでいるのですが、例えがほんとお上手。

一つ例にあげると、「抽象化」という言葉を説明するときにこんな例えをされています。

「抽象化」と言うと小難しく聞こえますが、実は、これは、小さい頃から、何の気なしに誰もがやっていることです。いくつか例を挙げます。時々外にいると、空からポツポツ水が落ちてくる。一つ一つの水の粒は大きさが異なるし、成分も微妙に異なるかもしれない。ただし、それをいちいち細かく名付けていたら埒があかないので、ひとまとめにして、「雨」と呼ぶことを学ぶ。これも抽象化の一種です。 お年頃の男子生徒が、好きな子と遊びに行くことを親に話すとき、「〇〇ちゃんと出掛けてくる」ではなくて、「友達と出掛けてくる」と言うかもしれません。これも、より汎用的で、他の具体にも応用できる別の言葉を使っているという点で、立派な抽象化です。

「抽象化っていうのは思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法なんだけど‥‥」と説明するよりもわかりやすいのではないでしょうか(そちらの説明の方が良い!って人も中にはいるでしょうが)。

「抽象化」という一見難しそうな概念を、身近な例に置き換えることで誰もが理解できるようにしているのです。

この文章を書くとき、前田さんの頭の中でどのような働きがあったのでしょうか。

① 抽象化ってなんだろう

② 個々のイメージや現象をおおざっぱにまとめて表現することだ

③ 誰もが見聞き、体験したことがあることの中で最も良い例はなんだろう

④ そもそも、抽象化しなくちゃいけない理由の一つって、いちいち具体的に言うと不都合が生じるからだよな

⑤ 雨粒の一つひとつに名前をつけていたら面倒くさいし、好きな女の子をいちいち親に伝えるとあとあと面倒だ

⑥(上記の例え話につながる)

あくまで僕のイメージですが、こんな連想ゲームが前田さんの頭の中で行われたのでしょうか。

④から⑤に移るところが、前田さんの素晴らしい例え力だなと思いますね。
普通そんなの思い浮かばないもん(笑)

おそらく、普段から膨大な量の事象を抽象化して頭の中の引き出しにストックしているからこそ、こういった例えが出るのでしょうね。

「例える力」はまさに、「普段からあらゆる出来事を抽象化し、一見関係のない出来事に関連付ける力」だと思います。

今日は、まだ午前ですが、今日起こる様々な出来事を丁寧に拾い上げ、それを磨き、いつの日か例え話として使えることを願いながら生きていきたいと思います。

さいごに

僕たちは、合同会社編集道という会社を通して「自分の個性をギフトし合う“喜ばせあい人生”を生きるヒント」を日々、研究・実践・共有しています。

この記事は全部無料で読めるのですが、「ギフト制」にしています。ギフトをいただけることで僕たちのチームは新しい経験をすることができ、それが気づきになり、言葉になり、また皆さんに還元できます。
*ちなみに、「#気づきの種シリーズ」は、日々出会う人のお話を書き留めているだけなので完全無料にしています♪

記事を読んでいただいた後に、ギフトしたいなって思われましたら、ご自身が無理のない気持ちのいい額をくださると嬉しいです♪ ☻

noteを読んでくれてありがとう! 僕らしく、優しさのリレーをつなぐよ。