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アニソン歌手はヴィジュアル系に浸されている 【宮崎京一, ryo(defspiral), 杉本善徳, IKUOの作曲遍歴】

キミは気づいているか。

アニソンやゲーソンを歌っている女性アーティストに
ヴィジュアル系作家も楽曲提供をしていることに。

アニメ好きでヴィジュアル系を嫌悪している人も多いだろう。
見た目重視で中身がなくただただ叫んでいるだけの汚いバンド。
そんなイメージを持っていないだろうか。

だが、実際はそこに境界線などはなく
チャラい見た目に反して仕事熱心な人が多く
ただ単に音楽に対して純粋にオタクをシている――

つまり我らが同志だ
そろそろ気づいてもいい頃合いじゃないかな。


はじめに

最近「趣味合いそうじゃない?」と薦められた人物が
まさに素晴らしい音楽の聴き方をしていたので
すこし、いやがっつり触発されて今回筆を執ってみます。

アニソンを集める際に
作曲者クレジットを見る人はどのくらいおりますでしょう。
私は歌詞カードを開いたらまず最初にそれらをチェックします。

そこで見つけた見覚えのある名前。
されど意外な組み合わせ。

今回は
その化学反応が味わえる方々を紹介いたします。


◎宮崎京一 (Lastier, DALIAN)

古いアニメファンはこの曲でピンとくるかもしれません。
【神風怪盗ジャンヌ】の主題歌も務めたLastier
そもそもこのアニメがPIERROTやD-SHADE(のボーカル)と
謎にV系を推していましたね。

こちらのギタリストであった宮崎京一。
今では完全にバンド活動からは離れ、職業作曲家として活躍されています。
主にmilktub関連のアニメ・ゲームへ提供することが多いですね。

Mind-set / AiRI

このガラスを割るような、と形容される超キンキン声が特徴的なAiRI。

彼女の歌唱曲の過半数は彼の手によるものです。
よってAiRIの聴き心地は
ソフヴィに近い、短調で軽快なロックサウンドそのもの。

バンド時代もメインコンポーザーとして気を吐いていましたが
そこからさらにペースを上げて楽曲を作成しまくり
またバンマスとしても多数のアーティストライブを成功させています。

クレジットが劇中バンド名義(第二文芸部)なので定かではありませんが
おそらく【キラ☆キラ】の楽曲もいくつか手掛けてると思われます。


Distance / 村川梨衣

近年だと、2018年の個人的ダークホース【ヒナまつり】のOPを担当。
やはり特徴として、ポップな中でもギターの主張が隠しきれません。

りえしょんって本人の電波なキャラに反してシリアスな楽曲が多いので、
ポップロックを集めてる人には気軽におすすめしやすいです。

百花繚乱 / 大友ソウリン(CV.加藤英美里)

ゲーソンを極めていくと、その食指はパチスロ楽曲にまで及ぶのが
実は正しい道筋だったりします。

長期に渡りシリーズ化しているこの【戦国乙女】の中でも
特に人気のあるこちらの楽曲が元V系作家の作品だという事実を
知ってる人はほとんどいないかもですね。

その他、緒方恵美・大橋彩香・戸松遥・楠田亜衣奈・黒崎真音・
後藤邑子・petit milady・Pyxis、【うらら迷路帖】に【黒子のバスケ】
のみこにYURIAにNANAに佐藤ひろ美
……等など、
提供先もほんとにめちゃくちゃ多岐にわたるので
集める際は覚悟してくださいませ。

ぶっちゃけ彼で「アニソンは作曲家で聴け!」書けるくらいです。


◎ryo (TRANSTIV NERVE, defspiral)

TRANSTIC NERVE時代は【快感フレーズ】のEDも務めましたが
the UNDERNEATHを経てのdefspiralも鋭意活動中。
つまり、上記の宮崎とは違い現行バンドと並行して楽曲提供をこなす
ハイパーマルチコンポーザーです。

特徴としては、生音にしろDTMにしろ4つ打ち主体の重たいデジロックで、提供したほとんどの楽曲がそれに該当します。
よって、クレジット見ずとも彼の作曲だということが非常にわかりやすい。

未来へGo! / BANCHO(CV.喜多村英梨)

【瀬戸の花嫁】の劇中ユニットで名曲と名高いこの曲もV系楽曲です。
担当してる声優も歌唱力が高く、
聴き心地もV系サウンドと遜色ありません。

EGOISTIC EMOTION / イジー(CV.小松未可子)&トーコ(CV.安済知佳)

個人的にとても気に入ってるのがこちら。
【タブータトゥー】というアニメのキャラソン。

もうこの曲もどこを切ってもdefspiral。
容易くTAKAの声が想像できます。

EleC☆TriCk / ロナ(CV.平野綾)

こんなイカニモな萌えアニメにも超絶かっこいい楽曲を提供。
歌唱者もガチなので普通にかっこいいデジロックなんですが
はたしてこのアニメに合ってる曲調なのでしょうか……?
アニメを見たことないのでファンの方教えて下さいまぜ。

その他
RIDER CHIPS・仮面ライダーGIRLS・TETRA-FANG等満遍なく絡んでるので特撮好きはよく名前を見かけるかもしれませんね。

いわゆる主題歌というよりは、キャラソンも数多く展開しており
【GOSICK】【SKET DANCE】【DEATH NOTE】の劇中歌等、
そしてアイドルクループ(さくら学院)と、手広く手掛けていて
ある程度活動領域がまとまっている宮崎京一より
さらに収集難易度が高かったりします。


この2名が、私の把握している中で2大売れっ子V系出身提供者ですかね。


●杉本善徳 (Ray, Waive)

Ray解散後、メジャー寸前までは辿り着いたWaiveの杉本善徳。
現在絶賛解散中。←謎の修飾詞ですよね。
なんと、再結成と銘打たないままライブを敢行中なのです。今も尚。

上記2名は、収集してるうちに気づいたパターンですが
Waiveは私にとって特別なアーティストのひとつなので
こちらは自ら熱心に集めています。

セハガガガンバッちゃう!! / ドリームキャスト(CV.M・A・O)&セガサターン(CV.高橋未奈美)&メガドライブ(CV.井澤詩織)

いきなり電波曲を流してしまい申し訳ありません。

たしかに曲調は杉本善徳ソロのネタ曲に通じるところがあり、
楽曲自体の違和感は理由づけて拭えるんですが
もう、どうしてここに抜擢されたのが謎

本人がTwitterで超喜んでたので別にいいんですが。

絶対と相対のトラバント / World of the WORLD.

一転して、今回紹介する楽曲の中でも超絶好みなのがこちら。
Falcomのゲーム主題歌等でお馴染みの小寺可南子のバンドです。

同人ゲームなので知名度はまったくないと言っても過言ではありません。
ほんとに一回だけ、夏コミで売られてただけなので
音源ももう手に入らないでしょう

それがこの上なくもったいない
楽曲だけでもサブスクか何かで解禁してくれないかな。
もっと色んな人に届いてほしい神曲です。

インターセクション / 片霧烈火

同じメーカーの【静寂に電気鋸】というゲームの主題歌。
こちらはこうしてショートバージョンで上がってるのでまだ救われます。

エロゲシンガーの雌雄の片割れである片霧烈火を起用している辺り
杉本のちゃんとゲームソングに向き合う姿勢を感じます。
(※雌雄のもう一人は霜月はるか)

だから楽曲だけでも普通に買えるようにしてく(ry

同じメーカーで花たん歌唱のも良曲なので併せて聴きたいところ。
他にも【ワールドエンド・シンドローム】【活撃 刀剣乱舞】、
アニソンタイアップはなくともA応P、kimeru等に提供しています。

元々ゲームソングが好きらしいので
RayやWaiveっぽさは割りと抑えめですね。


●IKUO (Rayflower, BULL ZEICHEN 88)

連続で田澤孝介歌唱ですね。笑
そもそもこのバンド自体がSOPHIAの都啓一とΛuciferのYUKI
元ラルクのsakura擁するドリームバンド。

BULL ZEICHEN 88に所属してるだけあって
ごちゃっとしたデジロックが特徴です。

まぁ、この枠にIKUOを入れるのはズルいかもしれません……
なんせ本人歌唱で【テニスの王子様】でデビューしてますから。

cross the line / AKINO with bless4

【終末のイゼッタ】主題歌の曲はギターにleda(DELUHI)が参加しており
わかりやすくシンフォニックロックなので
AKINO歌唱曲の中でもトップレベルで好きな曲です。
アニメもむっちゃ面白かったので思い入れも付加されていますね。

Field Trip!! / Liko(CV.黒沢ともよ)

そして同時期の【アクティブレイド】にも提供。
作曲がメインの仕事じゃないのに
偶然とはいえ続けて名前を見たのが面白かったです。

あと【エレメンタリオで会いましょう】でも
黒沢ともよのキャラソンに提供しています。
提供曲で声優が被るのも珍しい。

ヒラリ / 和田光司

【デジモン】に特に思い入れがないので
『Butterfly』よりもこちらのほうが好みでよく聴いています。

確かレーベルメイトだったはずなので、
この提供はまったく不自然じゃないですね。

これらの他には、皆川純子奥井雅美に提供しています。
自身のソロアルバムにはangelaを呼ぶ顔の広さ。
有名どこばかりなので、この中では一番プロ意識が高いのかもしれません。


※Leda (DELUHI, FAR EAST DIZAIN)

ちょっと番外編。
上記『cross the line』にも参加しているledaですが、
こちらにも参加しています↓

証×炎 -SHOEN- / 喜多村英梨

ほんとは同アルバムに収録されている
『Nonfictionista』を提供しているのですが、動画がなかったのでこちらを。

永世のクレイドル / 鈴華ゆう子

そしてこちらにもギター参加。
リフとギターハーモニクスに個性を隠しきれていません。笑

Have a nice MUSIC!! / プラズマジカ

同じく【SHOW BY ROCK!!】でも多数ギター参加してまして、
プラズマジカ、の一部の演奏、そして
シンガンクリムゾンズに『NeoN』『Red Addiction』を提供しています。

それにしても3Dライブアニメーションがいつ見ても可愛すぎるな……


●Rookie F (A)

もう何回目の紹介だって感じのA(エース)。
もともとゲーム音楽と相性のいい音楽性をしているので
アニソンとは親和性が高いはずです。

DAYBREAKER / かなでももこ

この曲自体はノンタイアップですが
【革命機ヴァルヴレイヴ】でデビューしたれっきとしたアニソン歌手です。

というか彼女のプロジェクト自体が
なかなか不思議な人脈の作曲者で埋められているので、
作曲者フリークとしては面白い布陣なのです。

LETZTE LiEBE / 中恵光城

【NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~】というゲームの曲。
というかこのゲームのプロジェクト自体が
なかなか不思議な人脈の作曲者で埋められていて――
さっきと同じ文脈ですね。というのも……

●苑 (摩天楼オペラ)

V系の中でも特に技巧派と呼ばれるシンフォニックメタルバンド。
当然この曲調はゲーム音楽と相性がよく
【SAGA】シリーズとのコラボもある彼らですが

Good Morning Dictator / かなでももこ

苑さん唯一の楽曲提供先。それがかなでももこなのです。
ついでにこの曲は【NOeSIS】の曲でもあります。

制作会社にV系好きな人でも居るのかな……

そもそも摩天楼オペラと同じ【エヴァ】曲をA(エース)でもカバーしたり
かなでももこも実はこっちのほうが先に提供していたりして
(※1st miniAlbumの「嘘のない私で」という曲)
佐々木久夫が苑を意識してないわけないなという経路を辿っています。

個人的にはどっちも大好きなんでお互い切磋琢磨してほしいくらい。

それにしても苑の提供曲は提供曲という範疇に収まってない気がします。
摩天楼オペラそのものでしかありません。
かなでさんも発声が寄せられてますやん。

ついでにキーボードの彩雨も一緒になって提供していて、
加えて、FlyME project山下大輝の歌うキャラソンも存在していたりします。


その他:単発だったり

tetsuya (L'Arc~en~Ciel) → ピコ

tetsuyaは同じKi/oonの後輩へ楽曲提供。さすがにラルク味強いです。
他には友人である相川七瀬にしているだけなので貴重ですね。


SUGIZO (LUNA SEA) → 黒崎真音【ドリフターズ】

LUNA SEAでは河村隆一がよく楽曲提供しているイメージですが
SUGIZOもわずかながら存在しています。

他にも【攻殻機動隊】のOrigaへも演奏で参加していたり。


中島卓偉 → 鈴木このみ【恋とプロデューサー】

ハロプロ系統への楽曲提供の多いTAKUI。
どういう経緯か鈴木このみが担当しているのが面白いです。


takuya (アンティック-珈琲店-) → 三澤紗千香【アクセルワールド】

おしゃれ系は、そもそも曲自体が
(オタクがイメージするような)V系っぽくないので違和感なしです。
もしくはアンカフェファンならわかりやすかったりするのかな?


カノン (アンティック-珈琲店-) → 分島花音【屍鬼、LiSA

正確にはユニットまで組んでるのですが
単発で数曲しか作成してないのでこの枠へ。
やはりアンカフェは熱心に聴いてないので特徴はわかりませんね……


tatsuo (Missing Tear, everset) → 喜多村英梨【神姫project】

そもそもこの曲は謎にHAKUEI (PENICILLIN)プロデュース
tatsuoは上述したryoと並んで仮面ライダー系統への提供も多いし、
なによりゴールデンボンバーの編曲者というメージが強いです。


Afterword

和也 (FANATIC♢CRISIS)→【つよきす】【パパと♥KISS IN THE DARK】 
長野典二(Missing Tear) → 米倉千尋

とか、探せばおそらくまだまだありますが、5000文字超えたのでこの辺で。

まぁ宮崎京一とryoはそのうち
「アニソンは作曲者で聴け」で取り上げようとしていたので
時間置いた後にまた特集するかも。

どうです?
意外とV系出身アーティストのアニソンゲーソンも多かったでしょう?

忌み嫌っていたはずの存在が、
実は自分の世界を支えている一人だったのです。

とりあえず、聴かず嫌いの頭でっかちな偏見は置いといて
素敵な音楽ライフを充実させていきましょう!


次回更新は1/27(木)です。
ではよしなに。



最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!