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懐古主義には屈しない

あの頃は良かった、だなんていつから口にするようになったのでしょう。
世の大人たちはこぞって吐き捨てます。「あの頃は良かった」。

アニソンを語らせれば、
昔はアニメのタイトルを叫んでいたものが良かった。

アニメを語らせれば、
最近はジャンクフードみたいなものしかない。
心に響くものがない。

音楽を語らせれば、以下同文。

昔の何がそんなに偉かったのでしょう。
年功序列の成金主義な会社とどう違うのでしょう。

そりゃ昔は資金が潤沢にあったでしょう。
そんな現実に胡坐をかいていろんなものを享受できたんですよね?

確かに0から1を作り出したことは尊敬しています。
だからと言って現代のものが
新しいというだけで否定される謂れはないと思っています。

温故知新。
昔のことを尋ね求め、そこから新しい見解を導くこと。
ルーツを知らずに語るのは愚かなことですが
だからと言って古いものだけを称賛して新しいものを断罪するのは
そのジャンルの間口を狭めるとしか思ってません。

私も年齢的には古い人間に属されて然るべき歳にはなってきていますが
それでもちゃんと最新のものにちゃんと触れて
物事を判断できる人間でありたいものです。


アニソンの懐古主義

ちょっと前に最新のアニソンランクを見て
「昔はそのアニメならではの楽曲があてがわれていてよかった」的なポストがバズっていました。

もうその発言が
最新のアニソンを知らない人が呟いていたんだな、としか思えません。

おそらく【マジンガーZ】や【宇宙戦艦ヤマト】
辺りを指して言われたものだと思いますが
2000年以降でもちゃんとアニメのタイトルを歌ってるものはあります。

【ハヤテのごとく!】 / KOTOKO

このshortバージョンだと一番しか流れてませんが
ラスサビでちゃんと「ハヤテのごとく!」って歌ってます。
そもそもタイトルがちゃんとアニメの表題通り。
このアニメのための主題歌でしかないのです。

【とある科学の超電磁砲レールガン】 / fripSide

「レールガン」といえばアニメ好きもしくはラノベ好きなら「とある」だと気づけるほど印象的なフレーズです。
後にも先にも「レールガン」なんて歌詞に盛り込んだ曲は思いつきません。

このように思考停止している懐古主義者は見向きもしないんでしょうけど
少なくとも自分はこの辺りが思いつきますし、
見てませんが【プリキュア】シリーズだって「プリキュア」と歌詞にありますし
【ダイミダラー】だって【真・ゲッター】だって、
ちゃんとロボの名前を歌詞で叫んでるじゃない。
必ずしも最近のアニメに昔のアニソンを彷彿とさせるものがないとは言い切れないはずなのです。


むしろ最近のアニソンのほうが、
メジャーアーティストでも多少寄り添ってくれてる気さえしています。
90年代のタイアップ商法のほうがアニメに関係ない楽曲が多かったように思いますけどね。(※それが悪いとは思ってません。)

直接タイトルを冠してなくても、
そのアニメにしか使えないような楽曲だって存在しています。

【推しの子】 / YOASOBI

↑今回あえて昨日公開された高橋李依歌唱バージョンを載せてみましたが
これなんて【推しの子】にしか使えない楽曲代表じゃないでしょうか。
「ルビー」「アクア」と登場人物の名前さえ歌詞に盛り込んでいます。
作品を知ってればこれだけで泣けてくる超傑作ではないでしょうか。

【ダークギャザリング】 / luz

先週ショッキングな情報が流れてきてしまいましたが……
私は人物と作品は切り離して考えるタイプなので楽曲には罪はありません。
この楽曲も「呪って」「祟って」とおおよそ邦楽では使われない歌詞が盛りだくさんで非常に面白い出来となっております。

アニメのためのアニソン。
表現こそ変われど概念は変わらないんじゃないかな、と強く思うわけです。

それに、当時のアニソンだって、
当時のトレンドに寄り添った楽曲だったのはないでしょうか……?
別にそのアニメだからその曲調になったわけではないはずです。

そもそもアニソンは音楽性を示す言葉ではありません。
私個人の感触では、
アニソンをアニソン足らしめる要素は歌詞にあると思っています。
その歌詞だって、ちゃんと読めば現在のアニソンだってアニソンしてるのだと、強く主張いたします。

……まぁ全然関係ないアニメタイアップがあるのは事実ですけどね。笑


アニメの懐古主義

ついさっき、最近のアニメはジャンクフードしかないという記事を読んでしまいました。
それに対して、強く反対したいと思います。

確かに多様化していろんなアニメがあるとは思います。
ですが最近のアニメが消費産業だとは微塵も思いません。
もしそう感じているというのであれば、
それはあくまで受け取り手側がそう消費してるだけで
作り手または出来上がってるものはちゃんと伝統を守ってるものだって
絶対あるはずです。

アニメの在り方って、そんなに昔と変わってますかね?
昔の作品だって当時は実写映画等に比べてだいぶ批判的だったと何かで読んだ記憶がありますよ?
アニメ好きな人をヲタクだと断罪するのは、まぁわかります。
大人になってもアニメにかまけてるのはそりゃあ少数派でなんか変な人なんでしょう。でもそれはあくまで消費してる側の問題です。
製作側には何の落ち度もないと思うんですよね。

製作会社の色、めちゃくちゃ感じてます。
ufotableの圧倒的な美麗作画とか、京アニの人物の動作の繊細さ
MAPPAの劇的戦闘シーンとか、SILVER LINKのかわいさ極振りとか
ぱっと思いつくだけでもこれだけあります。
絶対魂込めて作ってますよ。

異世界転生が多いとかはそれは時代的な色でしょう。
流行り廃りはどの時代でもあるでしょう?
当時は熱血スポコンや低俗ギャグが流行っていたというだけだと思います。
し、最近もそれに属するアニメがあるじゃないですか。
最初から面白くないと勝手に決めつけて見ず嫌いなだけじゃないですかね。
もしくはやっぱり単純に年齢を重ねてアニメを見る体力がなくなっただけ。

そう、あなたが最初に述べた通り年齢のせいです。
それを制作側の責任に転嫁しないでいただきたい。

というのが面白いも面白くないもちゃんと見てから判断しようと
毎クール50作品以上アニメ見てやろうじゃんかと豪語してる私からの異見反論とさせていただきます。


ヴィジュアル系の懐古主義

アニソンは音楽のジャンルではありません。
そして、「ヴィジュアル系」も音楽のジャンルではありません。
あくまで活動フィールドを"消費者側が"区別しているだけです。

ただ「ヴィジュアル系っぽい」というものは存在すると考えます。
それもアニソン同様、歌詞にあると思っています。
歌詞如何によって、ヴィジュアル系っぽい・ぽくない、と
まぁ勝手にですがこちら側は判断できます。
やはり邦楽とV系では歌詞が全然違うんですよ。
もちろん普通の邦楽にも
「あ、V系っぽい!」って思って好きになる楽曲は存在しますけどね。

ヴィジュアル系も90年代オールドスクール思考主義がはびこっていて
00年代以降のV系が好きな私にとっては肩身が狭いです。

確かに売り上げが落ち込んだ時期ではありますが
それはV系だけではなく時代がCDを売る時代じゃなくなってしまっただけで
最新のヴィジュアル系が劣ってるとは微塵も思わないんですよね。

単純に解散等で手に入らない希少価値だけで判断してるんじゃないかなと思ってしまいます。いわゆる音源所持マウント。滅びてほしい文化です。
サブスク解禁されたら変わるのかなぁ?
まぁいろんな契約等で難しいとは思いますが。

もちろん私はちゃんと当時の音を聴いて尚、今のほうがいいと思ってます。
LUNA SEAだって今のほうがかっこいいでしょ?と本気で思っています。

最近のヴィジュアル系が元気がない、などと思ってしまうのは
それは聴いてないだけ、触れてないだけ。
ちゃんと現役V系バンドだって魂込めて活動してますよ。
"ヴィジュアル系を利用して"ヒットしたゴールデンボンバーだって
楽曲だけはまじめに作成してるじゃないですか。

好き嫌いがあるのは確かですが、
それをアーティスト側に強要するのは違います。
感受性が衰えた自分を是非呪ってくださいませ。


Afterword

というわけで、旧Twitterで最近感じたことを吐露してみました。
昔は良かった昔は良かったっておっさんどもうるせぇんだよ!!!!!
と言いたいことを言ってみた感じです。

特に同年代に思うんですよね。
やっぱり歳食って老け込んでるだけだと思うんです。
それを「昔のほうが良かった」なんて言葉に変換しないでいただきたい。
ただ享受できなくなっただけ。今のも今でいいもんです。

まぁだからと言って新しいものだけが正義かと言われると
ちゃんとそれに至るルーツもちゃんと学ぼうね?とは思うわけなんですが。
マンスプレイニングにならないように気を付けます。
逆に古いもの好きな人に新しいものも評価してよ、と説くのに該当する言葉ってあるんですかね?

昔のは昔のでよかった。今もいいものはいい。
それでいいじゃないですか。
今のほうがいい、昔のはダメ、となるとそれはそれで違います。

正直【葬送のフリーレン】がオープニングテーマで
「葬送の~フリーレン~♪」って歌ってたら絶対に嫌ですよ。笑

やっぱりあくまで自分が好きか嫌いか、だけでしかないと思うんですよね。
食わず嫌いならそう言ってください。時代のせいにしないでください。
若い人を応援しましょ?
そのほうがそのジャンルの延命につながると思います。

年寄りがふんぞり返ってる政治がどうなってるか。
それが答えじゃないでしょうか。

今を生きるクリエイターさん、がんばって!


最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!