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コラム 17 否定されにくい伝え方「いまさらバナナ」

「否定から入る人」というキーワードで検索をかけると多くのページが表示されます。それほど多くの方が無意識の内にしてしまう現象なのかもしれません。

「否定から入る人」というのは、何かを話しかけると「いや」「でも」などの言葉が返ってくる人のことを指しています。

私は否定をすることが「良い悪い」という話をするつもりはありません。しかし、せっかく自分に話しかけてくれた方の言葉を、初めから否定してしまうのはもったいない気もします。意見が合う合わないは関係なく、相手の考えを聞くことは自分の成長にもつながります。

自分が話しかけられた時は、ひと言めには否定しないように意識をしていれば良いので問題はありません。しかし、自分が話しかけたときに、相手に否定されてしまうことは、どうにもならないことなのかもしれません。


バナナってダイエットに良いみたいよ

「バナナってダイエットに良いみたいよ」

こう話しかけられたらどう答えるでしょうか?

「いや、バナナより少なめのご飯の方がいいみたいよ」
「バナナだけだとお腹減るじゃん」
「私ダイエットなんて必要ないから」

確かに、いまさらダイエットにはバナナって話を持ち出されても、「へぇ~そうなんだ~」なんて答えることは出来ないかもしれません。

しかし、聞き手として「いまさらバナナ」な話をしてくるのは何か意味があるのでは?と、期待を込めて興味を持って聞くことも、優しさなのかもしれません。否定から入ってしまうと、新しい知識を手に入れるせっかくのチャンスを逃してしまいます。

否定されてしまうのは、話の内容が大きく関係していることもあります。自分が面白いと思っている話でも、聞いている人にとってはどうでもよい話というのは、よくあることです。どうでもよい話だからこそ、否定(遮った)をしたうえで、もっと面白い話を提供してくれているのかもしれません。


否定されにくい話し方

否定されてしまうのは、「話し方」に原因がある場合も多くあります。否定から入る人が悪いわけではなく、否定される話し方をしてしまったことが良くないのではと、考えてみます。出来ることなら否定されにくい話し方をしてあげた方が優しいです。

「バナナってダイエットに良いみたいよ」という「いまさらバナナ」な話をどのようにすれば否定されにくくなるのでしょうか。


「バナナがダイエットに良いのってなぜなんでしょうね?」

これです。

こう話しかけられたらどう答えるでしょうか?

「そりゃあ、バナナだけ食べてたら痩せるでしょう」
「バナナって栄養あるみたいだよね」
「なんかそれ前に流行ってたよね」
「朝に一本だけ食べるやつだっけ?」

このように否定されることは殆どなくなります。しかしよく聞いてみると質問に対して答えてくれる人は少ないようです。バナナがダイエットに良い理由を答えてくれてはいません。ただ、否定されなくなったことは大きな変化です。

「バナナがダイエットに良いのってなぜなんでしょうね?」と言われると、バナナがダイエットに良いという前提の元で話がスタートしています。「バナナってダイエットに良いみたいよ」と言われたときのスタート地点とは全く異なっています。

誰もが質問をするより質問をされたい。そして話を聞くより、話を聞いてほしいものです。話のキッカケ(テーマ)を質問として与えられたら自分の中(世界)の話をしたくなるものです。同じテーマの元で、微妙なバランスを保ちながら自分の言いたいことをお互いに言いつつ(実は会話としては成り立っていないのですが)会話が進んでいくことが、案外心地よいものです。

相手に否定されるもされないのも、自分の話し方と心持ち次第なのかもしれません。


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