コラム 18 ヘルプとサポート

身の回りの出来事に、「なぜ?」という疑問を投げかけて、その仕組みや理由を調べて理解することは、とても大事なことです。他からの影響を受け身で捉えることが最善の保身術だと身に付けてしまうと、自分で考えることをしなくなってしまいます。

以前の記事にも「怒られたり否定され続けると、考えない人になるよ」という内容で触れています。


子どもたちには、「ヘルプ」はほどほどに。必要なのは「サポート」だと考えています。「魚を欲しがっている人に、魚を与えるのでなく、釣り方を教えろ」との言葉を聞いたこともあるかと思います。

魚を与えても、その場限り(ヘルプ)になってしまいます。釣り方を教えればその先に、自分で魚を手に入れられるという未来につながります(サポート)


ヘルプとサポート

ヘルプとサポートの違いはどこにあるのでしょう?
誰かの為に行動する事、という点で変わりはないのですが、そこには大きな違いがあります。

ヘルプの意味は【help:助ける・援助】です。
サポートは、【support:支持・支援すること】と出てきます。
ヘルプは助ける。サポートは応援する。というイメージでも良いと思います。

サポートは、「本人が未来に自分で出来るようになるための支援】です。
ヘルプは、「その場での援助」です。未来に本人が出来るようになる必要はありません。


自分で出来るようになるために

子どもたちは多くの場合、親や大人に支えられて生活をしています。そしてその子供たちの将来を考えた時に、ヘルプとサポートのどちらが必要になってくるでしょうか。

将来には、自分の力で考え行動し自立することが求められるはずです。
もちろん必要なのはサポートですね。


勉強のサポート

勉強のサポートはどのようにすれば良いのでしょうか。

勉強が嫌いな人もいるでしょうが、新しい知識を知ることを嫌がる人はいないのではないかと思います。誰もが生まれてからこれまでに多くのことを身に付けてきたはずです。赤ちゃんが身の回りの全ての物に興味を持ち、とりあえず口に入れてみる。食べられるものかどうかを判断し、形や質感を知っていく。歩きだして初めて見るものに興味を持ち、話し始めると多くの言葉を知っていく。

人は、本能として新しい知識を身に付けているようです。成長して大きくなってもその部分に変わりはありません。どんなに勉強が嫌いな人であっても、自分の好きなスポーツやゲームなど、そして人のうわさ話や悪口には興味があるものでしょう。すべて新しい知識を欲しがっていることに繋がります。

勉強が嫌いなのは、勉強がその興味の対象から外れてしまっただけです。
誰もがもともと新しい知識を欲しがっているのなら、興味を勉強に持っていくだけです。

勉強をするためのサポートは、まず、「興味を勉強に持っていく」です。勉強自体が必要だという理由を説明するのは当たり前なのですが、一般論では個人には響きません。
自分にとってなぜ必要なのか(得になるのか、損しないのか)を丁寧に説明し、本人にも考えてもらうことが必要です。人から聞いた事など信用できないものです。自分で考えて出した答えが自分の中の全てです。


勉強嫌いは勉強の仕方を知らない

勉強が苦手な方は、勉強のやり方が下手です。勉強は教わってきたけど、勉強のやり方は教わってこなかったのかもしれません。時間だけがかかって全く頭に入ってこないような方法を選んでしまっています。嫌な勉強を楽しくない方法で長時間やって頭にさえも入ってこない。そうなるとさすがに勉強が嫌いになるのも当たり前です。

正しい勉強法は知識です。大人自身が正しい勉強法を学び、子どもたちへ伝えることがサポートとなります。


自分で考えられるよう 勉強する環境を用意する

勉強をするのは本人です。サポートで出来ることは勉強をしやすい環境を整えることだけです。

勉強が嫌いで全くやらない子供がいたとしても、その本人は悪くありません。その子にとって、勉強をしやすい環境が与えられなかっただけです。環境を作るのは周りの大人です。

自分で考えることを忘れてしまっていなければ、だれもが新しい知識を欲しがっています。人それぞれ欲しい知識は異なっています。何を知ろうとしても構いません。

自分で考えられるようにする、勉強をする環境を用意することがサポートです。
勉強をやるかやらないかは本人です。
しかし、やらない場合はサポートが足らないか、適切でなかったということでしょうね。すぐに違う方法を試してみましょう。


最後に

今回のお話は、当たり前すぎて新しい発見などは何もなかったかもしれません。自分の頭の中の整理のために文章にすることがたまにあります。

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