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コラム 04 忘れる人

「人は聞いたことの7割は翌日になると忘れる」

これは有名なエビングハウスの忘却曲線などで表されています。
20分後には4割、1時間後には6割ほど忘れるということも言われています。

どんなに素晴らしい講演会や授業を聞いたとしても、ある程度は忘れてしまうということは、誰もが経験済みのことと思います。

自分のために必要な内容で、心に深く響いた言葉であれば、その忘れてしまう割合は減ってくれるでしょうが、それでもやはり忘れてしまいます。

これは、しょうがないです。

もう、しょうがないのです (?・・)/


なので、そのことに気付いている大人は、メモを取ります。
聞いたことを忘れて(何度も)痛い目に遭った大人は、忘れる自分を認めた時から(大分経って)、自分の記憶ではなく頭以外の場所に記録するようになります。(それが確実!)

ただ、痛い目に合わないと、人は動かないし認めたりはしないので、若い子たちは自分の頭に挑戦し続けます。

そこのところも。。。しょうがないです。


しょうがないことだと解っているので、私は、若い子たちに何かを伝えようとするときに、何度も同じ話をするようにしています

私は「例え話マニア」です。

例え話が大好きです。(これほど相手に伝わるテクニックはないなぁと感じています)

なので、同じ話をするときには、例え話を変えて自分も楽しんでいます。


前に同じ話をしたときの内容を、どのくらい覚えてくれているのかな?

などと感じ取りながら話すと、「あ~この話は、あまり必要と思われていなかったのかな。」などと思いながら、その部分も楽しんだりしています。


実際のところ、聞いてくれている人にとって「役に立つ」や、「面白い」が、記憶の量に関係しているわけではないようにも感じています。(良い話だから覚えているというわけではない。ということです。結局全部わすれちゃうんです(笑))


このような考えを持っている私は、”聞いたことを忘れる”ということを”しょうがない”こと。と、思いすぎている部分があります。

なので、話を終えた後に、

「この話は、しっかり聞いてくれたけど、明日になったら、ほとんど忘れちゃうんだよ」

なんてことを、冗談っぽく言うことがよくありました。
私としては、

(聞いてくれてありがとう。でも、忘れることはしょうがないことだから、忘れてしまっても君たちは悪くはないんだよ。そのときは、私がまた違う例え話で伝えるからね)

と、いう思いを含めていました。



しかしです。

最近、これ、よくないなぁ。という結果が見えてきたのです。

どんなところが、よくないでしょうか?


最後の「忘れちゃうんだよ」って言葉が、「忘れても良いんだよ」に聞こえるようです。

確かに「忘れても良いんです」でも、良くないんです。

忘れても良い言い訳に使っては良くないのです。

この「忘れちゃうんだよ」を聞くと、それを「忘れても良い言い訳」に使ってしまって、忘却曲線を加速させてしまっていたのです。


例えば、勉強をしていない子供に、「勉強しなさい!」という言葉をいうことに近いでしょうか。
この場合は、「今からしようと思ってたのにぃ」などの、勉強をしないための言い訳に利用されてしまいます。
(少し例え話マニアにしては弱い例え話でしたね(笑))



とりあえず、どうしても忘れてしまうのはしょうがないことです。

忘れてしまう。ということを早めに認めて、その対処をしておけば良いですね。

「この話は、しっかり聞いてくれたけど、明日になったら、ほとんど忘れちゃうんだよ」

と付け足すことは、すこ~し控えようかと思います。

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