コメダ珈琲「とろみコーヒー」の意義と注意点
コメダ珈琲で「とろみコーヒー」が
販売開始となったそうです → こちら
オンラインショップでも販売中 → こちら
さて、上記サイトの説明として
「とろみがついている分、冷めにくいので
ゆったりとくつろぎの時間を
お楽しみいただけます。」
と書かれています。
確かにとろみがついていると冷めにくいですよね
でもきっとコメダ珈琲さんの狙いは
それだけではないはず!!
今回はとろみコーヒーの意義そして注意点
について考えていきたいと思います
とろみコーヒーの意義
とろみコーヒーの意義、それは上記以外に
「水分でむせやすくなっている方にも
コメダのコーヒーを美味しく飲んでほしい」
ということだと私は勝手に考えております
どういうことかを言語聴覚士的視点で
説明していきますね
飲み込みのしくみ
飲み込みについてお話します
この絵はヒトの口から首のあたりを左から見た絵です
普段、食道の入り口は閉じていて
肺へつながる気管の方が開いています
それにより呼吸をしています
上の絵のように
食べ物(絵の中の赤いもの)が来たときには
気管の入り口には蓋をされ
食道の入り口が開き
食べ物が食道へと進みます
ムセと対策
さてこの飲み込みの動きというのは
「反射」なのですがその反射がなんらかの
理由により起こりにくくなることがあります
原因としては加齢や脳梗塞などの脳血管障害
パーキンソン病などなどです
これらの原因の他
ちょっとぼぉっとしていたなど
タイミングがあわずに気管の方へ流れて
いってしまった場合にムセが起こります
(ムセが起こらないこともあります)
お茶や水などの水分は
さらさらっと流れていくため
飲み込みの反射が起こる前に
気管の方へ流れていく危険性が高いものです
特に病気をしているわけでもない若い人が
時々むせるのは特に問題ありませんが
高齢になり頻繁にむせていたり
脳血管障害などにより明らかに飲み込みの
機能が落ちてしまった場合は
「とろみ粉を使用して水分にとろみをつける」
という対策をします
(対策方法としては他にもありますが
ここでは省略します)
お試しにおすすめ
さて、コメダのとろみコーヒーの話に戻りますが
「とろみコーヒー」という以上
コーヒーにとろみがついていて
普通のコーヒーよりも
口から食道へ流れるスピードが
ゆっくりだと思われます
そのため加齢によりむせやすくなっている
高齢者にとっては安心して
お飲みいただけるのではと思います
またとろみ飲料のお試しとしても
良いかもしれませんね
(お試しもなにも、必要ならとろみをつける
べきではあるのですが。)
注意点
さてひとつだけ注意点があります
それは既に脳血管障害などにより
飲み込みの機能が低下しており
病院で言語聴覚士により
とろみ指導を受けた方の場合です
このような場合は一般的には
コメダのとろみコーヒーはおすすめできません
なぜならその方その方それぞれに
適切なとろみの程度があるからです
とろみの程度が4段階あるとして
1のとろみでOKな方もいれば
4のとろみでないと危険な方も
いらっしゃいます
コメダのとろみコーヒーのとろみ具合が
ぴったり合うとは限りません
普段からとろみをつけるように
指導されている方が
「コメダのとろみコーヒーなら
とろみがついているから大丈夫」
と飲んでしまうと気管の方へ流れていき
肺炎になってしまう危険性があります
そのため既にとろみ指導を受けている場合は
とろみコーヒーを注文するのではなく
普通のコーヒーを注文して
指導されているとおりにとろみをつけて
飲むようにしてください
まとめ
今回はコメダのとろみコーヒーの意義と注意点
についてお話してみました
誤解のないように一応書いておきますが
私はこの取り組みを非難したいわけではありません
イチ言語聴覚士として
嬉しくありがたいことだと思っております
ただ注意した方が良い人もいるよな
と思って書いた次第です
そして私自身は実際にはまだ飲めておりません
ご了承くださいませ
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