終わりの日

ああ なんて素敵な日だ
幸せに思える今日も
夢敗れ挫ける今日も
ああ 諦めず足宛いている
狭い広い世界で
奇跡を唄う

僕らは知っている
空への飛び方も
大人になるにつれ忘れる
限りある永遠も
治りきらない傷も
全て僕のこと
今日という僕のこと

また、最後の日にこの曲を聴くことになった。

4年前は高校サッカーの最後の試合で、今日はコンビニバイトの最後の出勤。

冒頭の曲はMrs.GREEN APPLEの僕のことだ。

私の代の高校サッカー選手権のテーマソングで、準決勝のウォーミングアップの時にスタジアム全体に聞こえるくらいの音量で流れていた。

そして、その試合が私の高校生最後の試合になった。

4年経った今日、夜勤の深夜放送でまたしても「僕のこと」を聞くハメになったのだ。

この世の中を司る神様か何かの粋な計らいなのだろうか??

この曲を聞くと、私はいろんな感情が総動員されて、泣きそうになってしまうのだ。

部活一筋だった高校生活。

受験勉強を優先して本気でサッカーを打ち込まずに引退した後悔。

しんどかった受験勉強。

入試の直前の緊張感。

いろいろな場面と感情が走馬灯のように蘇ってくる。

この曲が流れた時に、お客さんが一人もいなかったら、泣いていたかもしれなかった。(実際は6人くらいいて、結構忙しかった)

この曲が終わる時には、店内のお客さんは一人も居なくなっていた。

そして、静まり返った店内で、私はあの日からもう四年も経ったのだと思った。

最後の日に「僕のこと」を聞いたというシチュレーションは全く同じだけれど、あの頃と中身は全く違う。

あの頃は本気でサッカーがしたくて、選んだ高校の最後の大会の、最後の瞬間だった。

今回は学校帰りにたまたま会った中学時代の同級生に誘われて、何となく始めて、なんとなく続けたコンビニバイトのラスト出勤なのだ。

私はあの頃と同じだけの濃度で「僕のこと」を聞けてないのだろうなと思った。

これが私の大学生活なのだ。

お客さんが買い物カゴに商品を入れてレジに来たら、バーコードを読み取り、袋に詰めて、渡す。

こんな感じの大学生活だった。(コンビニバイトを悪く言っているわけでは決してない)

低学年の頃は旧知の友達や大学の友達と何となく遊んで、高学年になると就活に明け暮れた。

等速直線運動のような日々であった。

そして、そんな大学生活もピリオドを迎えようとしているのだ。

大学生は人生の夏休みだなんて、世間一般にまかり通っている言葉があるけれど、それに甘えていなかったか?

一度でも、その言葉を疑ったことがあったか?

大学生の4年間が今後の人生を決定づけるのではないか?

そんなことを考え出した時には、既に最高学年で、就職先が決まってしまっていた。

これから私は4年間をおろそかにした、罰を受け続ける人生なのかもしれない。

楽をしたツケが必ず私に返ってくる。

4年間頑張り続けた学生との差はどれほどかを押し測ることすら私にはできない。

ただ、失った時間を振り返ったところでどうしようもない。

今の私にできることは、残りの大学生活を有意義に過ごすことと、社会人ではスロースターターにならないように、しっかり準備をすることなのではないか。

そんなことをうだうだ考えていたら、退勤の時間になった。

4年間お世話になりました。



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