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【プレビュー】vs 京都サンガF.C. 「サンガプレッシング」のハイプレッシャーを突破する / 祈りたいかつての「王」との再会【FC町田ゼルビア2024年第12節 挑戦J1】

こんにちはこんばんわ、ひだりです。
写真は2018年ホーム京都サンガ戦(2018/07/25 J2第25節)の写真。  町田2 - 1 京都、 土居 柊太・下坂 晃城の得点で町田が勝利した試合。懐。

前回対戦は2021年のJ2時代ですが、コロナの影響で自分はDAZN観戦してた時期だったっぽくて写真がなかった。バクスタ完成前の平たいバック自由席の雰囲気は自分にとっての野津田の原風景なので、見るたびちょっと染みます。

5/3 柏戦 / U-23日本代表 ウズベキスタン戦(平河・藤尾限定) 振り返り

さておき5/3 柏戦、おつかれさまでした。
荒木J1初アシスト+初得点、出るところ出て引くところ引き切るところ切る守備の判断、先制後の手堅い試合運びからの#おかエリキ

多く集まった市民に今後の若手ホープである望月ヘンリーも顔見せした上で勝利+再度の首位奪還。悔しすぎるアウェイ磐田の敗戦から一転、まちだ感謝祭で考えうる最高に収穫多い試合だったように思います。

この勝利をもって「これで良し」とするのではなく「完敗の試合からなぜ完勝の試合に転換できたのか」をきちんと再確認して、ベースの部分としてやるべきことをより深く掴んで、次に進んでほしいところ。

ヒヤリとした昌子サイドでのボール処理

特に、ドレシェビッチによるビルドアップを相手前線守備にケアされた場合、昌子経由での逆サイド展開 or ドレシェビッチを越えて中央〜ファー狙い攻撃受けた場面での対応では、前半ヒヤリとするシーンがいくつかあった。

はじめ昌子が狙われているのかと思ったのだが、それ以前に柏の攻撃の形がマテウス・サヴィオ、木下康介を置いた左(町田から見て右)に寄っている影響で、昌子のいる逆サイドが処理しづらい流れ弾に対応する機会が増えた結果にも見えた。
それでもスコアレスでやり切れたのは昌子含め流石ということでもあるけれど。

先々も起こり得るリスクとして、ドレシェビッチ側を消された場合のボール処理について、プレスバック役も関わりながら、どうエラーを潰していくか今後に向けてあらかじめ潰しておきたいところ。

【祝】U-23アジア杯 優勝

深夜のU-23アジア杯優勝、おめでとうございます。
しかし、ロスタイムの山田楓喜弾の後、ラスト5分くらいの平河は完全に町田仕様の平河でしたね……裏抜けドリブル進撃で時間を作る動き、コーナー付近での鹿島り。

特に、荒木が負傷で外に出て10人の時間帯、平河がカウンター前進できそうなタイミングでシンプルにクリアに逃げたプレイ、素晴らしかった。2023シーズン ホーム清水戦での失点シーンを思い出しました。10人の時間帯に裏を取ったエリキが単騎攻め上がってしまったことで逆カウンターを喰らって失点したアレです。

目の前のスペースがあり攻め上がれそうでもあの対応はおそらくあの場では正解で、状況を読んだ試合運びの理解の点で、平河の成長に感じました。

藤尾は前半早い時間帯でイエローもらったことで強く行きづらくなり、なかなか自分の日にはできませんでしたが、行ききれないなりに攻守への貢献度高いランニングや守備ケアは見せていたと思います。
松木と同様、連戦で流石に蓄積疲労がデカかったのはありそうな気もします。

ともあれ、両名ともオリンピック出場とカップ戦優勝に、真に貢献して帰ってこれたこと、素晴らしかったです。チームもなんとかかんとか首位の立場を守って2人を迎えられる、しかもエリキ付きで。いろいろデカい。最高のGWはじまってた。

そんなわけでGW連戦の最後はアウェイでの京都サンガ戦。
時間もないので、軽めですがプレビューいきます。よろしくお願いします。


京都サンガの現状

曺貴裁「あなたのハートに(ry)」

433(4123)ゲーゲンプレス

ボールホルダーに対して積極的にプレスを仕掛けボールを奪う守備を仕掛けるゲーゲンプレスのチーム。

自陣守備はボールホルダー前方にいる選手が激しく寄せプレス、前線選手のプレスバックも加勢して2人で挟み込む守備。

ボールを奪うと、奪った勢いそのまま4123の前23を中心に一気に前へ出る。特にアタッカー前線3枚のうち不動の2人、豊川と原はともに1発を決め切る決定力がある選手。両サイドバックも高めに位置取り二次攻撃をサポート。

近いレーンにいるプレス役選手以外は奪取後のパス受けをできるポジションに移動する程度、比較的ステイ気味でボールの落下地点への対応、こぼれ球奪取に備える。
全員がいっぺんに動くと相手に突破された時に自軍のスペースの穴が広がることを嫌がってか、プレス役以外はパスコースを作るための調整程度で比較的静的に守備ブロックを守る傾向が見られる。

神戸戦ではガンガンと前に出る守備もしていたので、対戦相手の特徴ふまえた守備テンポの変化はありつつも、基本的にはプレス選手による激しく奪う守備と、攻守で次の展開に備えるオフザボールの選手で、動きのメリハリをハッキリさせた対応を目指しているように見えます。

サンガのプレス戦術については、少し前のものになりますが、下記さかりーにょさんの記事も参考になります。

中盤:90分攻守で縦横無尽に走り切るハードワーカーが強く求められるサッカー

ハイプレスを軸に置くチームなので、中盤に求められるのは1に2にハードワーク。

コンディション次第だろうが、川﨑颯太が早速出てくる見込み。京都としては、以下のような得点状況なので、中盤で奪ってフィニッシュにまで関われる川﨑の帰還はデカいこと。

https://www.football-lab.jp/kyot より引用

5/3に行われたU23アジアカップ決勝で、川﨑颯太は71分から途中出場(ロスタイム含め34分ほど出場)なのでプレッシャーはともかく身体的には十分やれそうな気配。(なお町田側は藤尾スタメンで62分に、平河と交代。平河はロスタイム含め43分ほど出場)

CB〜自陣守備:前線プレスで空いたスペースへの危機管理と相手カウンターへの対応

中盤の前向きプレスが肝となるサッカーなので、4▼3の中盤(▼)と最終ライン4のライン間には隙間が生まれやすい。

最終ラインに求められるのは機を見て前に出てこの隙間を埋め中盤守備をサポートする動きと流れてきたボールの跳ね返し、自陣での相手カウンター攻撃への対応が中心となる。アピタウィア久に感じるハードコア・ヒップホップ感。。

少し下り目に落ちてくるアンカーと連携し、高め位置の選手に配給し、なるべく高い位置から攻撃を開始させる役割も負う。


ゲーゲンプレスでボールホルダーに襲いかかる、
黒田監督の言うところの「相手にやらせない」部分を特に重視する京都のサッカー。
良い時のサンガはプレスがハマり、相手に拮抗したゲームを強いる形となり相手としてはなかなかに息苦しい90分になる。

一方で、悪い時は、ボールホルダーへのプレスで空いた裏のスペースを突かれ後手の守備に回る。テンポよく人とボールが走るゲーム展開になるとプレス全体が空転し、選手各自バラバラに守備しているような見え方になる。

町田としては、大枠のロングボール前進の部分は変わらないとして、ボールを持ってどこまで引きつけるか、引きつけた後どう展開するか、球際で勝ち切ることは前提で、大きなスペースの突き方も考慮に入れ、スペースを先に取る攻撃で試合を有利に進めていきたいところ。

平戸太貴の現状

私たちにとって京都サンガと言えば、かつて若くして町田のキングの名を冠したレジェンド・平戸太貴の在籍するチーム。ということで個人にフォーカスした特別編です。

3日に行われたFC東京戦は敗戦となったものの、平戸が巻いてニア上に落とすCKで平賀大空のアシストを決めた。

今季も怪我だった?という話もあり出場ほぼなかったが、ルヴァンカップでのスタメン・神戸戦は出場なかったもののベンチ入りと少しずつ調子を上げている現状。

ゲーゲンプレスの強度と思い切りを重視する京都の中で、平戸は攻撃に違いを出す選手として期待する選手として使われているフシがある。
町田ではハードプレス、闘う部分も相当に仕込まれてきたのだが、その辺よりは中盤を漂ってのうまいゲームコントロールを図る潤滑油的な役割を担っている気配。

京都は、U23日本代表 川崎颯太を筆頭に、キジェサッカーの申し子・松田天馬、京都3年目の武田将平などが鉄板であり、中盤奪う部分を重視した編成を基本にする。また、平戸に近い役割を京都でより長くこなしてきた谷内田もいる。

昨年京都加入直後の負傷離脱からリズムを崩し、コンディションも上がりきらず、なかなかスタメンにまでは食い込めない、というのが京都加入後ここまでの平戸太貴の立場である。

6日の対戦で、後半0-0またはアゲンストの展開の場合は、サブ投入あり得そうには思う。

キジェさんも平戸にとっての町田との対戦の意味は理解しているだろうし、昇格即首位争いに名乗りという憎々しいJ1新参者となった古巣相手に、平戸もここで出ないでいつ出るんだ的なシチュエーションでの対戦ではある。

掲示板等でも京都サポが、現状苦しい状況だからこそ平戸の躍動を待ち望む声をちょいちょい見かけるし、ピッチに立つこと、久しぶりに祈っておきたい 🙏  恩返しはマジ勘弁。

ゼルビアの対策

球際には激しいプレッシングを敢行する京都に対して、町田としてはプレッサーが空けたスペースをいかに突くか、あるいは前進プレスの掛けどころを作らせず、逆に後退しての対応に終始させたい。

2枚プレスの寄せを超える

  • 近い距離感2人のダイレクトプレーで超える

  • 単騎で間を割る

  • 浮き球の競り合いのこぼれ球

ボールホルダーを積極的に喰いに来る京都は、こちらがボールを後ろに下げずに前へ打開すると、裏の守備バランスは崩れがちでもある。

敵陣中盤やサイドでボールを持った時に相手プレスから逃げずに、逆にどれだけプレスを誘き寄せられるか、プレスの隙間を縫ってボールを前に運べるかが重要になる。

フリック様パスを使ったプレス網の一気突破

ポジティブトランジションの瞬間、他の選手がどれだけサポートできる位置に走れるかが重要になる。

相手のプレスを受けながらフリックのようなパスでシャドー役の選手がスピードに乗って突破する攻撃がよく効く。
近い距離感の選手を使うユニット攻撃は積極的に使いたい。

セカンドボール回収の徹底

京都は奪う守備からのポジトラの勢い全開なサッカーをする。中盤での球際、ポストプレイでどれだけこちらにボールを持って来れるか勝負になる。

町田のロングボールに対しても、ボールを受けた瞬間を狙って勢いよく寄せてくると思われるので、オセフンはハーフスペース〜サイド寄りに流れてボールをうまく受けて、相手守備の基準点をヨコにズラしたい。

空きがちなプレスの脇・サイドのスペースを突く

縦レーンの範囲で守備を強く仕掛ける京都の守備指向もあり、プレスのヨコの脇やサイドのスペースに穴が空きがち。

京都はサイドアタックに対しては1人がプレス敢行、1人が奥でクロス方向塞ぎながらじわじわ寄せで2人で対応してくる。
内レーンから外側に向けた守備にアグレッシブに行くことから、瞬間的に大外レーンやCB・SB間のスペースが割と空く時がある。
そのためサイドライン際を走って大外気味のオーバーラップ、あるいは逆にチャレンジ&カバーで来る2人の間を割って進みゴールに向かうインナーラップなどが効きそう。

適正的にはバイロン・望月のコンビが向いてそうな仕事。バイロンで貯めを作りプレスを誘き寄せてるうちに望月が一気に裏を取る。
大外2枚をブチ抜いたらもたつかず、スピーディーにクロス入れたい。

縦ロングボールでプレスの矢印を後ろ向きに

だが、SJ入り4バックで町田のリズムを掴みやすくなる機能性は柏戦でも立証済み。

SJから縦ロンボやアーリークロスでダイレクトに敵陣ゴール前勝負→セカンドボール回収して二次攻撃→タッチ出たらロングスロー

と押し込み続けるのもひとつの手。
ロンボ嫌がってボールの出所を抑えに京都がハイプレスに来ればプレスで空いたスペースは使いやすくなる。長短のつなぎで翻弄できると京都はプレスのベクトルを定めづらくなる。

京都のプレスの矢印を後ろ向きにさせてしまえば、攻撃への切り替えにも時間をかけさせることができ、仮に奪われても前向き守備で即時奪還しやすく、相手のカウンターの目を潰してそのままショートカウンター攻撃を発動できる。

【駄】「SJ入り4バック」から漂う「3バック+SJ」感

SJ入れると

  • 右MF周辺・中盤の分厚さが増す

  • 対人もまあまあ強い

  • 右CB位置でのサポート機能も期待できる

  • ロングボール・クロス・セットプレーの精度

  • サイドライン近くでプレイすること自体ロングスロー運用に好効果

と極めて不思議な属性を持っていSJ入り4バックはむしろ3バック+1SJの表記の方が正しそうな趣がある。タグマの大東京書簡でFC東京番記者・後藤さんの言葉を借りると「砲台のような独特のプレースタイル」はすごく納得感ある。自陣サイドから中盤サイドへと上げて運用する砲台なのよな。。

意識が攻撃的すぎてサイドの埋めるべきスペースを埋めて備えるという守備的な予測が課題という本当にSBが本職なのかあやしい雰囲気があり(笑)、ウィークなんだけどそれが面白く魅力的な選手。

対人はそこそこ以上に強いからマンツーになれば良いのだけど、スペース管理のところが改善したら相当にマーベラスな選手になる。おっくんと足して2で割りたい。

狭く守り、縦に速く広く攻める

守ってはボランチのプレスバック、SBの内側への絞りも含めてアタッカー周辺をコンパクトにスペースを消して前進を許さない。

攻めては、まずはロングボールで守備体制揃う前にゴールを狙う縦思考ファストアタック、プレス迎撃に来たらサイドバックの攻め上がりも交えて幅を使うことで、京都の守備陣形を間延びさせギャップを突く攻撃を仕掛けたい。

京都433vs町田442でぶつかるなら、大枠はそういう感じの試合の狙いになっていくのかなと思います。

柏戦で見せることができたプレッシングとリトリートのバランスは、今節でも同様に重要となる相手。選手全員が声かけあい意識を統一して実行できれば、自然と結果はついてくるはず。

まとめ

データ編あたりはあまり詰めておらず、大ざっくりですが、京都戦については以上としておきます。系統的には柏と同様の強度・守備に特徴のあるチームが連続する形になるので、連戦の中でも変に相手への対策ばかりにこだわらず、選手・チームも比較的クリアに、自分たちに矢印を向けて試合に臨めるんじゃないかと期待しています。

藤尾・平河が出場するかどうかは未知数ながら、エリキも揃ってきての戦いにできると、めちゃくちゃ楽しみですね。

ちょっと天気が気になる

https://tenki.jp/forecast/6/29/6110/26100/10days.html より引用

14:00キックオフということで、京都の降水確率は50%。
今季ゼルビア、ふんばりの効きづらい降雨の状況ではあまりうまく行かない雰囲気もあるので、試合中だけでもどうか天気が保ってくれることを祈りたい。

今節京都戦、そのあと湘南が来て、その次は平日のセレッソ大阪との突撃となる、いつものことですが、重要局面が続きます。

夏以降に向けたチーム運用と強化・マネージメントの可能性をひとつずつ広げていくために、ここはなんとか連勝で進めていきたい局面です。

勝利を祈って応援したいと思います。GW最終日(少しさみしい)も全力で楽しみましょう。共闘!

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