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大宮アルディージャ戦 試合前プレビュー(2022年J2 第32節)

はじめに

さあ、ビッグマッチがやってきた。

状態の上がった大宮アルディージャは横浜FC戦、仙台戦を見る限り、間違いなく相馬直樹前監督のチームでした。
今節、ゼルビアが試されるのは、ポポビッチ監督が3年間で進めたチームの進化。

(すべて重要な)42節のうちのごく1節である一方で、自分たちのレガシーとぶつかる。いまの町田はどうか?この3年間の積み上げで私たちは何を得たのかが問われる試合です。

もちろんコロナの影響や、実際に戦う選手の入れ替わりもあり、チームそのものはいろいろと変化しています。

だからこそ、現場以上にむしろ外部へのメッセージが強い試合。
現実と向き合って戦うことを求められる関係者以上に、チームに夢を見ている町田サポにとってこそ、この3年間の意味を確認できる、重要な試合に映る試合なのかなと思います。

順位のことを考えても考えなくても、絶対に勝ちたい、落とせない試合です。

分析にあたってはDAZNの大宮戦過去5戦ハイライト+仙台戦と横浜FC戦のフルマッチをチェックしました。
ここ2戦の戦いぶりが強烈に色が強く、今季全体のスタッツ状況はあまり参考になりそうにないため、見ていません。

今までで多分一番長いです。あまりまとめられてなかったり矛盾あったりするかもしれません、、。
ゼルビア見続けている人なら、見出しだけ飛ばして見てもらえれば、十分わかるかと思うのでななめ読みでどうぞ。

参考資料まとめ

※郡司さん駄コメ取り上げていただきありがとうございました!

大宮アルディージャ 町田戦プレビューに相馬さんの試合前コメントあり。

以下有料記事。ゼルビアタイムズには良い取材でこの試合の意味がハッキリ書かれています。
タグマ楽しいよ。

カッコいいエルゴラ+J2表紙。。後方からまくるぞ!

大宮の戦い方

相馬さんのチーム

相手選手の距離と時間を奪うコンパクトフィールドはほぼ完全実装。

ボール奪取からのワンサイドアタックは、そこに振り切りこそしていないものの、選手同士の近い距離感を活かしたスピーディーなトランジションは、選手たちの個人スキルの高さも相まってひとつの武器になっています。

前方向の圧縮守備で追い込むことで、相手選手からの精神的優位性を奪う。不屈という表現がふさわしい、私たちも見慣れていた相馬さんのサッカーです。

・前方向への鬼プレッシング。前がプレッシング行って空いたスペースは後ろが埋める。前向きにボールを奪って素早く攻める。
・攻撃はゴールへの直線的なアプローチを基本にしつつ、選手の個のスキルも活かし、サイド攻略からのクロス攻撃も織り交ぜる。
・ペナ角打開ではコンパクトフィールドを活かしたワンサイドアタックも実装済みっぽい。
・ゼルビアが一番嫌がる戦い方、全力でDFハメに来ると思う。スペースを消し、中盤で球際勝負に持ち込み、ボールは保持しない。攻撃はトランジションをギリギリまで鋭く尖らせる。(横浜FC相手にやれてゼルビアにできない道理はないという自信を選手も持っているはず)
・絶好調の菊池と栗本のダブルボランチは安井・高江に自由にボールを持たせない。自由なボール回しを阻害し、ゼルビアの前線と後衛を分断する。
・大宮花伝の松澤さんの取材でも話題に出たゼルビアDF奥山には、解決策を講じてくるかも。怪我から復帰し大宮を支える左利きドリブラー柴山か、187cmの高身長とテクニックも兼ね備えた矢島輝一?(←昨年の怪我以降出場ないのでなさげですね。慎也と混同してました。失礼しました。)「奥山は抜かれない前提」がゼルビアにはあるため、だからこそ奥山を突破できると大宮にはチャンスが大きい。
・翁長聖の上がった裏をスピードタイプの奥抜で突き、FWやボランチとの連携でペナ角攻略したい。CB1名をうまく釣り出せれば、中で合わせる力が強い河田・富山が勝負できる。

攻撃面をタレント力に任せられるのも強み

・個人力のあるタレントが豊富。スピードにある奥抜、攻撃センスの高い柴山・矢島、0-100の泉澤、チーム最多得点の河田、ゴールへの貪欲さがユニ来て走ってる富山貴光と、高校サッカーのスター武田英寿が控え…そもそも順位関係なしに攻撃陣のスキル、個のクオリティはJ2の中でも高いレベルにある。
ボール奪取した先の攻撃局面では、湧き出るアタッカーがご褒美を前にしたようなテンションで前へ前へと詰めてくる。

本来、ちょっと単純に今の順位にいるのがおかしいチームです。

サポの方周辺から「上手い選手が多く選手編成に偏りがある」みたいな話は漏れ聞こえてきていましたが、その上手い選手に相馬戦術が浸透することで、守備力がバーストしだしている。もともとの上手さに加えて、ファイターの闘気が漂っていて非常に怖い。
横浜FC戦終盤、ゾーンに入った選手たちの激しい前からプレスはちょっと狂気を感じました。こいつらすごいです。

町田の戦い方

1体1をハズす、ぶつかるなら負けない

大宮はキックオフ直後から前向きな猛プレスからのスタートが見込まれ、受けに回ってしまうと一気に押し込んでくる。
まずボールと人が動き、プレス方向をしぼらせない形で大宮の守備をうまくハズしたい。ぶつかるなら負けない。
大宮の獰猛な守備を如何にいなせるか、賢く戦えるかが勝負の風向きを決める。

序盤15分の失点をしない

横浜FCは前半3分、仙台は前半11分・12分と、大宮と対戦した両チームとも序盤の失点が以後のゲーム展開に大きく響いた。
大宮の前方守備に勇気を与え、プレス強度を高める結果になるため、序盤の失点を絶対に避けたい。

序盤の時間帯は持ったらドゥドゥや太田のスピードを活かした裏狙い、ロングボールで中盤省略のFWあて、クリアなどハッキリしたプレイが好ましい。

足下パスは危険。人とボールが動く展開を

大宮のファーストディフェンダーの寄せ+セカンドプレスでの囲い込みまでがかなり速い。
中盤で足下に収めるパスをゆっくり持つのは、大宮の守備の的を絞らせリスクになるため、テンポよいリズムでボールと人の動く展開で試合を進めたい。昨年、アウェイジュビロ磐田戦での「フラッシュパス」からのアーリアゴールのように、選手の動きの中で走る先に先にパスが出る展開で決められると理想。

CB、ボランチ、サイドプレイヤーの連動

ボールを前進させる上で、CBを底に、ボランチとサイドプレイヤーが相互にパスルートを産み出す動きが重要になる。
特に菊池、栗本のダブルボランチはかなり強力で、仙台戦、横浜FC戦での機能性は、万全時の佐野高江に匹敵するプレス強度があるようにも見えたし、経験値では上回る。

ゼルビアのボランチは、病欠なければ高江安井がファーストチョイスでしょうが、相馬さんが相手ボランチに自由を与えるはずはないので、状況を見てサイドバックが起点となって攻撃を前進させる動作が求められる。

いつものことですが、サイドの攻守へのハードワークが攻略のカギになるため、CBは上がりすぎない形で、大宮の裏取りとロングボールでの前進阻止、サイドバックが上がった裏のスペースもケアできるよう警戒が必要。深津と菅沼は相互にコミュニケーションを取って対応したい。

個人的には、GKも後方でのDFラインとのパス交換と状況を見たフィードに長けたポープが良い気もする。福井のハイボール予測とシュートストップも強力なので、かなり悩ましいのだけど。

サイド展開から素早い長短の縦

大宮の圧縮守備に合わせすぎると結果的にパスコースが限定され、ショートカウンターの餌食になる。(横浜FC戦では頻発していた状況)
縦横の展開を混じえ、じわじわと圧縮守備を広げるためのアクションが求められる。

圧縮守備を広げるためのセオリーがサイド展開なのは間違いないが、2018年のことを思い出すと、町田からすれば相手チームの単純なサイド変更はむしろチャンスに見えていた。

  • そもそもサイド展開されることは想定済み(11人全員スライドする覚悟ができている)

  • 組織的な高速スライドを徹底すれば、サイド展開するタイミングは相手ボールホルダーをハメこむチャンス

  • 囲い込み時、ゴール方向・ボールホルダー横・サイドのタッチラインの3方でプレッシャーをかけられる

相手のシンプルな横サイド展開は、むしろワンサイドアタックの攻撃を発動する糸口に感じていたような気がします。

スライド守備する腹の座った圧縮守備陣を壊すには、いろいろ方法はあると思うのですが

  1. ハイテンポでの連続サイド展開をまじえ、相手がスライド守備できなくなるまで、ボールを回したおす(天皇杯でのレッズ戦・鹿島戦のイメージ)

  2. スライドで届かない位置(相手守備網の外・裏)にボールを持っていく(リカルド・ロドリゲス監督の徳島との対戦のイメージ)

この3年間でボール保持が強化されたとはいえ、基本的に速攻ベースのチームであるゼルビアで(1)の手を取るのは簡単ではないため、自ずと(2)のスライド守備では対応しづらいボール展開、相手守備陣の外・裏を使う方向で望むことになるのかなと思う。

圧縮守備に対しては、横サイド展開にプラスして、長短+角度を変えた多様な縦パスで変化をつけたい。

  • 逆サイドからダイアゴナルに大きなロングパス一本

  • サイドに来たボールを素早くフリックやダイレクトで裏を付く

  • 千葉戦1点目のような相手守備網の隙間を抜くパス交換での打開

サイド展開から縦を付くことで、守備者の意識を裏のケアにひきつけ、死角ができたところを、三番目の選手の動きで裏を取りたい。
大宮-仙台戦での、後半の仙台の戦い方は、わりと近いイメージの攻撃をしていたように思います。

ペナ外からのミドル

ゴール前の混戦状況はしぶとさがある一方、あれ?というボールがゴールに転がる、みたいな展開は相馬ゼルビア時代によく見た光景な気がします。

ゴール前混戦でのマイナスの落としからおっくんのミドル、結構あり得るんじゃないかと期待してます。
ゼルビアの中でも守備で重大な責任を負うおっくんですが、師匠とも言うべき相馬さん率いるアルディージャに恩返しミドルは胸熱でしょう。枠に飛べば入る!くらいの気迫で、ガンガンとは言わないので、スキ見てワンチャン狙ってほしい。

強い気持ちで

夏の暑さに加えて、今週もゼルビア、アルディージャ双方にコロナ陽性者が出ており、両チーム、良好な状態とは言えません。

戦術検討を尽くしても、出場可能なメンバーが未知数な以上、ピッチ上でどれだけ正しく表現できるかは見えない部分が多いです。

双方うまくいかないなら、ピンポイントな点で合わせるフィニッシュの志向が強いゼルビアの方が、繊細さが求められるプレースタイルな分、不利かもしれません。

とはいえ結局、最後はピッチ上の選手たち同士の、気持ちの勝負になる気がします。あと1m、あと半歩の踏み出しで局面をこっちに持ってこれるか、これないか。

苦境の折、前節・千葉戦を勝ちきれたのは自信になることだと思います。平戸・アーリアなしで、あの1点目を決めきれたのはデカい。

いまの「ゼルビアらしさ」はテンポの良いパス連携からの美しいフィニッシュ。
ゼルビアらしいゴールを奪えれば、勝てる試合だと思います。

先制点を奪える鋭いチームを仕上げたのは、ポポビッチ監督が積み上げた仕事の素晴らしい成果。
良くも悪くもは多分にある話ですが、いまのゼルビアのパス連携での組み立てや状況打開、ゴールまでの美しいラインは、間違いなく相馬さんの時代には見られなかった景色です。

メンバーのキャラクターも華やかで、とてもいいチームだと思うので、だからこそ、このチームを見続けたい。

強い気持ちで、ゼルビアらしい攻撃で、試合を決めきってほしいです。

まとめ

最後は、両軍フィールドにぶっ倒れるような試合になると思います。
勝っても負けても、いい試合が見れると思う。勝つけど!

現地に行く予定です。
ちょっと、コロナ状況の怖さもありますね…感染対策には十分気をつけて大宮に向かいたいと思います。

最新のゼルビアが、最高のゼルビアであるために。
目の前の1戦に集中して、勝ち抜きましょう。共闘!


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