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【EURO2024レビュー】オランダvsトルコ 膠着戦の泥沼越え 強い気持ちで。 【決勝トーナメント 準々決勝】

こんにちわこんばんわ、ひだりです。

Windtosh’s Catina Project.さん#ユーロ2024アーカイブ化計画 に参加しています。

抽選の結果、ひだりはオランダ代表を担当しています。
だいぶ間あいてしまいましたが、今回は、2024/7/7(日)日本時間 午前4:00キックオフ、オランダ代表vsトルコ代表戦のレポートです。はしょるところはしょって、少しざっとで行きたいと思います。

Xつぶやきまとめスレッドは下記。

どうぞよろしくお願いします。


試合前のトピックス

決勝トーナメント ラウンド16ではルーマニア代表を下し、2008年以来4大会16年ぶりのラウンド8進出。20年・5大会ぶりのベスト8を目指して、今回のEUROでパフォーマンスの評判の良いトルコ代表との対戦。

結果

🇳🇱オランダ 2-1 トルコ🇹🇷

フルマッチ ABEMAリンク、そろそろ切れますがも一応貼っておきます。

リアルタイムでまとめた Xのスレッドはこちら。

基本配置

オランダ 3241 保持325 非保持4231~433

オランダの配置は3241。
最終ラインを高く取り、トルコの跳ね返すボール回収・中盤経由前進に高めから妨害をかけ、ボールを奪ってポゼッション攻撃を繰り返す。
後ろ3枚にダブルボランチが随時サポートに入りながらボール保持。シャビシモンズの間受け・デパイのライン下りてのポストプレイも活かしながら、サイド裏やポケットに侵入するアタッカーに良い形でボールを入れていく。

トルコ  523 保持3421 非保持523

オランダにボールを持たれることを前提に、まずは最終ライン5枚で守備の構え。オランダがボールを差し込んでくるポイントを狙って、両サイドおよび中央で枚数かけた寄せを実行した。
やや後ろ重心の守備で構えながら、奪うと中盤チャルハノールなど経由で早めのカウンターを狙う。時折は前線ユルマズのスピードを活かした裏抜け狙いのロングボールを飛ばす。

前半

前5枚の連携で崩しを探るオランダ

オランダは今大会通じてベースとして使用している325。前5枚の縦関係入れ替わりで相手守備とのギャップを生み、パスをつないでアタッキングサードへの侵入を図るやり方。右SBダンフリースの上下動で守備では4バックの型も取る。

この試合序盤のオランダは、敵陣内〜センターライン付近までで奪い切る意識が強かった。流動的に動くウィング・IHのサイド2人+前線デパイの掛け合わせで攻め、ボールを失うと近い距離感そのままそのサイド2枚がトルコ最終ラインまでを追う守備を見せ、速い攻撃を狙うトルコに簡単にボールを蹴らせない。

オランダの攻め手は前5枚の当てどころに対してどれだけ効果的なボールの入れ方ができるか。デパイのポストプレーにシャビシモンズやボランチが絡む形、ガクポやダンフリースのサイド上がりを使うパターンなど局面にあわせてさまざまなアプローチを探る。

奪って速攻カウンター+セットプレー勝負のトルコ

対するトルコは523でゴール前を狭く塞ぎつつ奪ってカウンターの構え。スピードある裏抜けが特徴のユルマズを狙ったロングボールでオランダ最終ラインの押し下げながら、セカンドボール回収・2列目の駆け上がりも活かして、奪ってなるべく速い攻撃で決め切る狙い。
アタッキングサードで、危険な持たせ方をしなければ良いと、自陣ではある種割り切った守備の構えを見せるトルコに対し、オランダはボールポゼッションを高めて試合を進めるものの、バイタルエリア〜ゴール前に人数かけて密度高く守るトルコ守備の前に、ゴールを脅かすには至らない。

トルコは速い攻撃と合わせて、ギュレルの高いキック精度を活かしたCKやセットプレーからの加点も狙いだった。速い攻撃で一気にゴールを襲い、万一ファウルで止められても、まあそれはそれ、という戦い方。
前半29分、中盤奪取からカウンター・スルーパスでユルマズvsファンダイクの1対1持ち込み〜ボールを下げたところでファウルを受けセットプレーを獲得する流れが典型的。

セットプレー崩れ、ギュレルの絶妙クロスでトルコ先制

CKやフリーキックの度にゴールの雰囲気をただよわせていたトルコが、やはりセットプレーから試合を動かす。34分左CKの跳ね返しを右サイドでギュレルが回収。左利きのギュレルが右足で巻いて落ちる美しいファークロス、アカイドゥンがドンピシャで合わせトルコが先制に成功する。

失点したオランダは、得点後のトルコの守備警戒も影響し、アケが中盤高さまで上がっての組み立て関与も増やして攻め立てるも得点には至らない。大枠は得点前と変わらずポゼッションで打開ルートを探るオランダ・守って速攻を狙うトルコの流れで推移したまま前半を終えた。

前半総括

後半

ベグホルスト投入によるオランダ攻撃緩急の向上

(まんま想定通りでちょっと驚いた)後半入りよりベルフワインに替えてベグホルスト投入。ベグホルストが入ることで、オランダはデパイ・ベグホルスト前線2箇所でのポストプレイが期待できるようになる。

前半は前線5枚のどこかにボールの入れども、その都度後ろ5枚のスライドで素早いトルコの守備の寄せに苦しんだオランダ。ボールを前目で収めて連携で崩そうとしても、なかなか収めた後の攻撃につなげることができなかった。

体勢の無理が効くベグホルストの投入により、速いタイミングのクロス投入でタッチラインギリギリのところでもヘディングでつなぎ、中央で合わせる、スピーディな攻撃を行えるようになった。
ボックス内の起点がハッキリしたことで、クロッサー役を担う左サイドのアケやガクポ、右サイドのダンフリースも前へのアクションを起こしやすくなる。
前線にボールを収めたあと時間をかけず、なるべく直接的にゴールへ迫るプレイをする。速い攻めを相手に警戒させることで、シャビシモンズ&ダブルボランチらを活かした地上戦も活かして攻撃に緩急をつける。
前半ボールを前に入れた後やや単調に終始したオランダの攻撃から、修正
の効果は明確だった。

膠着戦を切り開くショートコーナーからの一撃

サイドアタックと高さ、合間で中央ポゼッション攻撃を散らしながら押し込むオランダに対し、トルコはオランダのサイド攻撃に対応する自陣守備532、流れの中では4バックでデパイ・ベグホルストの中央2FWに牽制をかけながら、守りを固める。中盤で奪えれば一気に攻め上がりショートカウンター、またはロングボールでユルマズを走らせオランダの守備ラインを押し下げる、基本前半同様のやり方で膠着状況を維持するべく試合を進める。

全体としてはオランダの攻勢でゲームが進む中、シャビシモンズ・ラインデルスらを中心に中央〜左サイドで前進、右サイドのベグホルスト・ダンフリースに大きく展開し、ゴール前へ折り返しを狙う形が明確に効いてくる。

69分、右からのショートコーナー、スハウテンが落としたボールをCKキッカーのデパイが蹴り込んだボールに、ゴールエリア中央へフリーに走り込んだデフライがしっかりと合わせてゴール、ゲームは同点になる。

前に出るトルコの間隙を突いたオランダのパスワーク

同点に追いつかれ、前に出ないといけなくなったトルコ。それでも攻め手を大きく変えることもできない。
ゾーン1〜2でのボール奪取から速い攻め、ファウルを受けてFKでの攻撃を仕掛ける一方、全体に縦の距離感が間延びしだした時間帯、オランダからするとパスを通せるルートが徐々にできはじめる。

72分、アケに代わりファンデフェン、ラインデルスに代わりフェールマンを投入。強度担保+キック精度・アシスト能力に定評のある2人を入れることで、前に来るトルコに対してデパイ、ガクポら前線アタッカーを活かす狙い。

敵陣内、ガクポ・ダンフリースがペナ角付近に貼り、サイドから中央、対角とボールを動かしトルコを押し込む中の75分。
ペナルティアーク手前付近、高く上がったクリアボールの回収で両軍が密集する中、シャビ・シモンズが一瞬の隙間を縫うスルーパスで密集を越えた右サイドのダンフリースに展開。ダンフリースのダイレクトでの折り返しにガクポが突入。最終的にはオウンゴールの形で得点に成功しオランダはこの試合はじめてリードを得る。

最終盤、トルコ怒りの4バックと下がりすぎるオランダ防衛ライン

点を取らないといけないトルコ。前に出るため+負傷対応の選手交代をかませつつ442ベースのフォーメーションに移行。サイドバック高上がりして2バックを底に自陣からのビルドアップも猛攻モードに移行。

オランダは前進守備4231ミドルプレス、自陣守備5バックでゴール前を塞ぐ。ボール保持時はハイボールでの陣地回復やサイドから前線へのシンプルな配球・パス連携を中心に、自陣に穴をなるべく空けないように、かつなるべくトルコ陣での時間を増やせるよう対応を続ける。

前がかりのトルコを前に80分以降、たびたびシュートを浴びるも、オランダはゴール前に5〜6人が守備に備える状態。とにかくゴールを割らせない。
本来はクロスやシュートを打たせないために、前に出てボールホルダーに圧をかける守備も必要なはずが、全体に下がり切るためボコボコに打たれまくる。

とはいえ、ゴール前でボールが不規則な動きをしても、即座に2、3名と反応してシュートブロックを決めるDF、GKの迫力は本当に尋常ではなく。トルコの猛攻に対し、薄氷スレスレな空気は変わらぬまま、それでも「絶対破らせねぇぞ!」の気迫熱量伝わる走りっぷりでゴールを守り切り、戦い抜いて試合終了。2vs1逆転勝利。お疲れ様でした。

まとめ

ガクポの綺麗でなくても、身体ごと相手ごとゴールへ押し込んだ姿のように、気持ちで追いつき、勝ち切った一戦でした。
トルコは同点においつかれた段階で相当の心理的ダメージを負ったことは表情やプレイの変化からもありありと伝わってきました。そういう流れでトルコが一気に余裕を失ったことで、オランダは前傾姿勢で前への選択肢をゴリゴリと増やしていくくやり方で押し切ることに成功した。

とはいえ、試合終盤のgdgd、ふだんまずは守備から!と入るサッカーに見慣れている自分にとってすごく心臓に悪い展開で、EUROの期間中オランダもどこかで安定するのかな……と思っていたらその方向は最後まで安定しなかったという。

試合終盤の撤退守備の整理部分、試合のクローズに関する難は、最後の1戦となった準決勝イングランド戦の結果にそのままつながったのかな、という印象は、今でも持っている。

オランダ代表ってそういうもんでしょうか。自分なりのこと全部書き終えたら、識者の記事も読んでいきたい。


ということで、足早ですが、準々決勝まで終えました。

ABEMAでのEURO動画配信があるうちに決勝の内容もざっくりまとめようと思います。間に合わなかったら今更wowow入るか、、CLEL見れるし。

ともあれ、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました🍊

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