水中写真と構図について考える① ~構図の優先順位~
こんにちは、上出です。
今日からコラム「水中写真と構図について考える」シリーズをスタートします。
※本連載は、HIDAMARI PHOTO ACADEMYのメンバーの方からいただいた質問に答える形でスタートしました。
HIDAMARI PHOTO ACADEMYとは、上出が主催するフォトセミナー・フォトツアーに参加してくださった方を招待しているfacebookグループです。
テーマ自体が広いですし、関連する話も色々していきたいので、数回に分けて(10回くらい?)お届けしていこうと思います。
僕自身も悩みながら、勉強しながら書いていくので、「回答」ではなく「こんな考え方もできるのでは?」スタイルです。
今日は第1回なので、「前提」について考えてみましょう。
■構図を学ぶ意味
そもそも、構図を学ぶとどんないいことがあるのでしょうか?
僕自身はいつも「構図を学ぶという事は、センスを後から身につけるということ」という話をしています。
生まれながらアーティスティックなセンスを持ってる人なんてほとんどいないけど、だから諦めるんじゃなくて、勉強してセンスのいい作品をつくれるようになろうよ、ということです。
話がちょっと飛びますが、歴史的な名画は「完璧な構図」で描かれていると言われています。
どうやら構図が完璧になると、人を感動させたり、イメージを届けたりしやすくなるようです。
■水中写真における構図
なので、意図的に構図を作った水中写真の方が、ヘンテコな構図の水中写真よりも人の心を動かしやすいと言えます。
しかし…です。
僕らは湖畔でキャンバスに絵を描いているわけではありません。
水中という制約の多い環境の中で、自然を相手に写真を撮っています。
そんな状況で、完璧な構図を作り込むことなんてできるでしょうか?
稀に、できることもあるかもしれませんね。
でも、「完璧な構図」ばかりに気を取られていたら、大事なものを見逃している気がします。
■構図の優先度
仮に歴史的絵画が完璧な構図で描かれているとしても、人の心を動かす水中写真が完璧な構図で撮られているとは限らない。
僕はそう思っています。
ネイチャーフォトという分野で水中写真をとらえるなら、一瞬をとらえることの方が重要とも言えるでしょう。
生物とのかけひきとか、ライティングとか、構図よりも優先度の高い要素はいくつかある気がします。
構図は、バランスをとったり崩したり、安定感や緊張感をコントロールしたり、というための一つの要素にすぎません。
それでも、知っていると知らないでは、伝わり方に大きな差が出ます。
構図を作り込むことは、水中写真においては第一優先ではないけど、押さえておくとセンスを補う強力な武器になる。
僕はそう解釈しています。
■「○○構図」だけが構図じゃない
構図の勉強をしましょう!
というと、ついつい「○○構図には●●な効果があって…」という話になりがちです。
でも、そんなのはググればいくらでも出てくるので、今回の連載ではそういう話はしません。
・日の丸構図
・対角線構図
・三分割構図
・ファイグリッド
・四分割構図
基本的には、この5つを覚えておけば良いかなと思います。
ファイグリッドと四分割構図は、三分割構図の応用的な位置づけにしておくと、実際には使いやすいのではないでしょうか。
今回は触れないけど、これを知らないと構図の話になかなかついていけないので、復習を兼ねてググってみて下さい。
■広義の構図
「水中写真と構図について考える」シリーズでは、○○構図の話からもう2歩か3歩踏み込んで、もっと広く深く構図について考えて行きたいと思っています。
イメージしているのは以下のような要素についてです。
・インパクト
・奥行き
・線と目線
・余白とスペース
・構図の外し方
・トリミング
・寄りと引き(伝えたいことによって)
・目的や用途による違い(SNS・フォトコン・プリント)
・フレーミング
うーん、なんだか先が長そうですね。笑
まあ、気長にいきましょう。
僕の言ってることが正解ではないので、あまり納得しすぎずに、疑いながら読んでみてもらえると嬉しいです。
そして、コメントや質問なんかもらえたらもっと嬉しいです。
では、水中写真と構図についてこれから一緒に勉強していきましょー!
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