こんな靴でよく月山なんか登れたな~
過去一で辛い山行だった。なんと登山開始30分で靴が死んでしまった…。これが下山して駐車場で撮った登山靴。左足の損傷が激しい。約15年も履き続けたからか満身創痍。様々な山を踏破し苦楽を共にしてきた相棒、お疲れ様!
低山はほとんど地下足袋で登っていたので、久々の出番。目的地の月山(1,984m)は岩と石の登山道なので登山靴を引っ張り出してきた。ただ、いつもの流れで確認しないまま履いてしまったのが反省点。
八合目駐車場からの出発は木道から始まる。いつもと違って足の運びがワンテンポ遅れる。何か釘でも刺さっているのかと思い靴底を見たら左足のアウトソールが剥がれ落ちていた。 「マジか!?」 そうこうしているうちに今度は右足側も剥がれた。まるでコントのような苦行。
「今日は登山そのものを諦めようか」と迷ったが、チャンスはその日しかなかった。別に山は逃げないんだけどな~ でも、12年に一度しかない卯年御縁年なのだ。諦めるより「後悔しない生き方を全うしよう!」が勝った。
後悔しない生き方を
確かに後悔はしていないがキツかった。いよいよアウトソールが接着していた黒いスポンジが剥がれると硬い革がむき出しに。ビジネスマンの革靴で歩いている感じ。まぁこれが滑る滑る。真っ平らな石なんかないから一歩一歩石に対して鉛直に足を着地させるように。これがスムーズにできたのは、過去に一本歯下駄で登山した経験が活かされたから。何事も無駄な経験なんて一切ない!
それでも気を抜いてズルっと滑る度、つま先側から次第にインソールがむき出しになってきてしまった。すると小石や笹の葉が足裏に挟まってくるわけよ(笑)。もう靴の機能を半分以上失った。
このインソールが厄介でどんどんつま先側ににズレて垂れ下がってくる。すると段差を越えるときに引っかかって「おっとっと」となる。ヒトの歩行は自然に足を出すと、つま先が下がる。だからインソールを引っかけないように必要以上にスネの筋肉を緊張させながら腿上げをして着地の繰り返し。省エネとは真逆の歩行。
はぁ~ 月山の登りでバテるなんて初めての経験。2時間もかかって月山神社本宮に到着。何度も来ているが1/3が晴れ、1/3が霧、1/3が雨という確率。今回は霧だった。そういえばここの天気予報はバッチリ当たっていた。
月山神社の後は一縷の望みを抱いて山頂小屋へ。山伏さんが履くような白い地下足袋を売っていないかと。着いてみると『本日休業』の看板が…。「いや~凹むわ~」自分で解決しろってことね。ひとまず月山9合目の「佛生池小屋」まで無事に下りられたら、そのまま駐車場まで続行と決めた。最悪の事態になったら靴下の中にインソールを入れて下山とまで考えたが杞憂に終わる。何らかの紐が余っていたらインソールとアッパー部を結ぶ手もあったかもしれないが「タラレバ」で何が起こるか分からないのが登山。
壊れた靴で登山なんてもちろん誰にもオススメできない。しかも荷物を極力最小限に抑える目的でバイクブーツは家に置いてきた。そう、これしか持ってきていない。こんな状態の靴でギアチェンジしながら帰ってきたのだ。こんな無謀な行いをするアホタレに12年分のご利益は与えられるのだろうか…。
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