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さぁ 今度は芸術の秋ですぞ

現在、米沢市は国宝を2点所有している。その中の一つが狩野永徳筆の国宝『洛中洛外図屏風』である。上杉博物館では11月5日(日)まで原本を展示している。11月3日(金)の「文化の日」は入館無料。この常設展と特別展、ゆっくり見ると約2時間。芸術作品は時間にも心にも余裕を持って♫

私はじっくり眺めたかったので平日に。国宝の展示といっても元々屏風の役割は間仕切りや風除けがメイン。当時の暮らしに椅子は存在せず畳や板の間に座っていたわけだ。だから目線に合わせて屏風の下側に公家のお屋敷など見どころが多い。ホントに目線に合わせたかは私の勝手な解釈なので狩野永徳の意図は分からない。

貴族の蹴鞠もいいが庶民の暮らしにも目線を伸ばしてみよう。樹木に留まっている小鳥を長い棒で捕まえようとしている。その棒の先端に付いているのは餅だな。ほほぉ~ 天然の粘着物で捕まえようとは頭がいいね。

別のところでは冬なので焚き火をしている。それにしても当時の京の都は暖かったんだな~ 皆んな薄着だよ。あっ! でも、あそこに寒がりがいるぞ。着物をズラしてわざとケツ丸出しで暖を取っている少年。いいね~ これがホントの庶民の暮らしだったのだろう。

屏風を斜めから眺めると微かに絵の具の凹凸が見える。桃山時代の作品なのに綺麗に保存されている。織田信長からいただいた上杉家の宝だからね。事前に予習してから行くと更に楽しめるだろう。

茅葺きとタバコ問題

こちらは国宝ではないが重要伝統的建造物群保存地区の大内宿。紅葉で混雑する前の今月上旬に行ってきた。平日なのに観光バスが何台も往来していて賑わっていた。私と同じようにバイクのツーリングでも。

大内宿はこのまま時代劇のロケに使われそうな感じで残っている。貴重な茅葺きの建物だが少し疑問に思った。なんと喫煙所があるのだ。寛大だな~ 茅は一度火がついたらあっという間だろうに…。

それは西暦2000年3月に起きた。米沢市の白布温泉で大規模な火事が発生。茅葺き屋根の東屋と中屋が全焼してしまった。その後東屋は再建し中屋は更地に。唯一焼け残った西屋のみが茅葺きのままの状態で営業を続けている。その西屋は昨年とんでもないトラブルに巻き込まれてしまった。今度はネットでの炎上。禁煙の部屋でタバコを吹かした輩がいたのだ。記憶に新しいと思う。

犯人は未来の想像力に欠けた若者かと思いきや50代のオッサン! 自分のした行為がその後どうなるかなんて秒で分かる年齢だろうに。喫煙率が低くなった現代においても火事の原因第1位は“タバコの不始末”なのだ。

私が大内宿の心配をしても余計なお世話。ただ、古き良き日本の風景は安全に残して欲しいな~と思うだけ。

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