新型コロナ 最新情報&対応方法(2022/1/4)

飛騨市民病院 中林玄一ICD(院内用であり、一般向けに作成した文章で無いことを含み置いてご活用下さい)

◉現在、本邦における主流は"依然としてデルタ株"で、当初予想された1月からの感染拡大が起こっていると考えられます。

しかし先行する諸外国の状況から、オミクロン株(o株)は今後急速な増加をきたしてくると考えられます。

そのため「世間では強制的にwithコロナに突入」すると考えられますが、一方では「医療機関(病院・介護施設など)でゼロコロナが求められる」という両面対応が必要になってきます。


◉o株では空気感染の要素が従来株より強くなっていますが、先行事例を分析しますと「(空気感染で有名な麻疹ほどではなく)当院の対応方法を堅持すれば対応・防護可能な範囲」と考えられます。

引き続き「個別感染対策」+「充分な換気」で"漏れのない対策"に努めてください(イメージとしては「水槽の水が漏れて部屋の床を濡らさないよう」にピチッと境目を維持する感覚で日々の対策をお願いします)。


◉o株は弱毒化しているのでは?との憶測がもっぱらですが、肺症状(呼吸不全)が少ないと判明しているだけです。最新速報ではLong Covid(長期的な後遺症)の一種である「ブレインフォグ(頭がぼーっとして考えられなくなる)」は無症状を含めた約半数に認められるとの報告があり予断を許しません。

また感染拡大国では医療関係者の罹患者が多すぎて「通常の療養期間を短縮して罹患者の勤務復帰」の基準を策定して業務維持せざるを得ない状況になっています。このため、日常生活を含めて「自分のため(ひいては職業的な倫理的に)感染はできるかぎり避ける」努力を推奨します。


◉マスクにつきましては、静かに座って呼吸・話す際は「サージカルマスクの1重≒2重」とのスパコン解析が既出で「静かに1人で休憩中などでは1重で問題ない」です。

ただし"中林の臨床経験"として「動きつつ沢山話す状況(通常の勤務状況)」では、(外側からの圧迫密着が起こらない)1重だと「装着スキルが高くても隙間がたくさん開いてくる(特にヒゲが少しでも伸びていると顕著)」ことを実感しますし、「2重の方が吸気フィルタリングが強く働いている(自分を守りやすい)」と感じます。

感染力が増したオミクロン株の流行拡大が危惧される現状も考慮して「当院の原則は2重マスクを維持」の方針でお願いいたします。その上で(マスクが苦しい方は)「外側マスクはウレタン可」「1重マスクで"頭の後方から牽引して密着性を高める"各種の道具(ゴムバンドなど)」も可といたします。

重要なことは「鼻の側部、頬部位のマスクとの隙間が無い状況を堅持してください。マスクの交換頻度は個人差がありますが、交換推奨タイミングは「COVID-19疑い診療直後(交換は外側のみ)」「何らかの臭いを感じた際(内外2枚とも交換(雑菌による悪影響を避けるため。なお匂いが感じられにくい際はCOVID-19検査相談を)」「(個々判断で)そろそろ交換と思った時点」でお願いいたします。


◉ワクチンは3回接種することでオミクロンに対しても効果が著増する(反対に2回まででは感染防止効果は期待できない)ことが判明しています。

今月のワクチン接種は「自分のためにも、仲間のためにも」接種を推奨いたします(もちろん中林も接種します)。


◉【N95マスクについて】自分の結論としては「装着するなら、ガチな気持ちとスキルで使用する」ことを推奨します。

感染者が少ない状況でN95マスクを使用すると「油断して楽に(緩く)装着しがち」であり、これに「通常診療でたくさん会話・動作」することが重なると「(それなりに息苦しい割に)ズレて隙間呼吸が起こって効果が大幅に落ちる」ことが想定されます。

着けるなら「顔にくっきり跡が付くほど圧着」して使用が推奨されます(長時間は困難)。したがって「本当に(コロナが)怪しい方を診療する場合」や、「クリーンパーテション/ドロップレットブロッカーなど防護デバイス無しに密着検査する/暴れる人を密着して押さえつける状況」などに「気合を入れて装着/使用すること」を推奨します。

漫然と装着することは現時点ではむしろ推奨しにくいと感じています(そもそも院内で気合を入れても市中で装着し続けられませんので、普段の生活も考えると不織布2重の堅実な運用の方が実用的と考えています)。


◉なお最近の新型コロナは「約100個のウイルスに同時侵入されると感染する」と推測されつつあり、これは出現当初株の「1000個ほど」より感染力が上昇しています(これはノロウイルス(接触感染メインですが)の数個〜100個に迫ってきています)。

アイシールドによる「目の防護」は常時を推奨いたします。ただし、まだ「麻疹のように(感染対策をしていても)ワクチン・免疫が不十分なら同室で必ず感染する」ほどの「極小粒子による確実な空気感染力は無い」とも考えています。N95を携行しつつ、必要に応じて確実に使用することを推奨します。


◉大変ですけど、(闘牛のように)かわすイメージでやり過ごしましょう!

飛騨市民病院 中林玄一ICD(院内用であり、一般向けに作成した文章で無いことを含み置いてご活用下さい)