ガスグリルは日本のBBQを変えられるか

GWも終わって夏本番まであと少し。ホームセンターのアウトドア売り場もBBQコンロや炭がレジ傍に並ぶ季節がやってきた。BBQは多くの人にとって非日常。普段はすることがない野外で食事をするためにコンロやクーラーボックス、タープや食事を切るナイフに至るまでこだわる人はこだわる。ただ、そのような「非日常」のレジャーはどれくらいの頻度で楽しむことができるのか。

BBQのハードルが高すぎる今の首都圏の環境
東京や神奈川だけを見てみると普通の公園は火気厳禁。BBQ=BBQ場がある公園でやるのがスタンダードだ。庭先でのBBQを縛る法律がないにしても、住宅の密集具合を考えると、庭先でBBQをやるのはあまり現実的ではない。ではBBQ場にいけばいいかと思うと、そこには厳しい予約の争奪戦がある。新木場や城南島のBBQ場は2–3ヶ月前に電話予約が必須。ただ受付電話もパンクしているようで、運良く予約できたとしても2–30分はかかる(通話中が続くのでひたすらリダイヤルボタンを押し続ける)。BBQをやることに対して予想以上の手間がかかる。「朝起きてBBQがしたくなったから友達を誘う」ことはなく「2ヶ月後の土曜日にBBQ場でスペースが確保できたから友達を誘う」という流れになる。(もちろん関東にもいくつか予約しないでも行けるBBQサイトはあるからそればかりではないけど)。こだわりのギアを揃えてもBBQをすること自体に大きなハードルがあるのが今の現状だ。


ガスグリルでガーデンBBQが実現できるのか
Iawatani、Coleman、Weberなどはチャコールグリル(炭を使ったグリル)の他にもガスボンベを使ったグリルも発売している。値段はチャコールグリルよりも高めだけど(Weberは4万円越え)、もし都心でBBQできる庭があればガスグリルの方がBBQできる頻度は高いかもしれない。当日の天気も誰が来るかもわからない中、BBQ場の電話予約を勝ち抜いて、当日も駐車場確保するために早起きしてBBQも良いけど、朝起きて「天気いいからBBQやろうかな。そういえば鶏のモモ肉があったな」とガスグリルに火を入れるのも悪くない。家で唐揚げを揚げてOKな環境であれば、ガスグリルのBBQは近所迷惑にはならないはず。

ガスグリルの問題は価格、でもBBQへの「本気度」が高ければ価値はある
ガスグリルは高いため、BBQに対する「本気度」が試される。またかさばるため家族の理解も必要だろう。ただ、それでBBQを行うことに対するハードルが下がれば(それこそ年1–2回のBBQの数が倍になるなら)、そこに投資する価値はあるのかなと思う。BBQ場にチャコールグリルを持ち込んでやるBBQも気持ちがいい。ただ今の都心ではそこに至るまでのプロセスにあまりにも労力を使う。庭があることが前提だとしても、気軽にできるBBQはガスグリルで実現するかもしれない。「庭さえあればBBQができる」というスタートラインに立つことができる。

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