不毛な場所から文化は生まれない

プロジェクションマッピングの歴史は意外にも古い。

これでギネスを狙うのか。なんだかそれ自体が古臭い。正直なところそんな印象。

しかも完成品もおそらく5年後には誰の記憶にも残っていないだろう可もなく不可もなくと言ったところだ。あの軽薄で幼稚なプロジェクションマッピングには、世界の目を釘付けにするような先見性も特殊性もなければ(大したことがないから)もはや嫉妬もない。白人至上主義には抗いたいが、このお粗末さでは舐められるのが関の山。

日本人はこの程度か

と思われるだろうとゲンナリする。

※この感想は私個人の感想である。

もし日本人の大半がこのデザインを支持するならば私は趣味が合わないと言うだけの話なんだけれど。

しかし、科学以外の全てを産んだと言われる古代ギリシャやヨーロッパの祖とも言えるローマ帝国のあの堂々とした文化に慣れた人たちは、幼稚な文化には見向きもしない。秋元康系やジャニーズ系のような未成熟文化は内向きのものだ。せせこましい。文化的に大人であるというのが外交のカードにもなり得るストラテジーであるというのが理解できない人たち。

この高校生の文化祭のようなもの(高校生の文化祭に失礼)に50億ほど費やしているらしい。今後はもっと増えるだろう(このままでは)。
事業者は入札指名停止中の電通の関連企業。
実行委員会のメンバーは東京都、観光財団(電通が理事)、新宿区。産業労働局観光部振興課の住所は都庁。
独占禁止だの公正取引だの機能不全に陥り第三者の目がないまままるで仲良しクラブの所存である。

まあ、文化が幼稚なことも電通も書きたいことは山ほどあるが、

この日記の本丸はそこではない。

「発明は不得意で、既存のものを工夫することは得意な日本人」と良く言われるが、

全くその通りだと思う。日本人が発明したこととは一体なんだろうか?かつて存在したのだろうか?

幼児ポルノか。

コンピュータ、クルマや戦闘機、ロケットなどから、法律や概念のような無形物まで、海の向こうからどんぶらことやって来るものばかり。

輸出したことはない。
マンガやアニメは最後の砦と言われるが、これは産業ではないし日本国内の内需拡大に残念ながら影響しない。

日本人は、モノづくりから社会設計まで果てしなく人任せだ。いや、人任せというよりも

どの業界、どの団体でも決定権を持つ人たちが横のつながりを持ち、多様性を知らないままに日々自分のことだけと真摯に向き合い続けているために社会設計が世界において立ち遅れているから決定権を持たない他の人たちが一所懸命に海の外の国から実績を輸入して立法しようとする

というのが日本の実態であろうか。

そこでこの、日本社会を停滞させているのは誰だと問えば

家父長制を良しとする、主に男性である。高齢男性と言ってもよい。

発明が不得意なのも、工夫が得意なのも、それらを壊すのも、日本を急激に衰えさせ少子化にしたのも、結局は高齢男性たちの一人相撲である。画一的な平坦な似たような高齢男性の群れは土で例えるなら肥沃な土地の真反対である。

そう、日本は政府がまるで不毛な土。

新しい文化も土壌が腐っては生まれまい。幼稚なプロジェクションマッピングが関の山である。

クールジャパンも、高齢男性が取り仕切っている限り税金の無駄遣いは免れまい。

デジタル化も議論が尽くされないまま浅く進むのかと思うと暗い気持ちになる。

🔸

書きながら、この国が世界に先立っていることがあったと思いついた。

「サステイナブルでない」ことに於いては世界有数のレベルであった。

また、発明ではないが、日本は愚かな権力者がどこまでかつて世界を席巻した経済国を「早く効果的に」衰えさせるかを実証実験している、その経過をテストケースとして歴史に献上しているとも言える。

愚かな権力者は、これだけ早く壊すことができると。

それにしても滅亡のモデルは大英帝国を視野に入れていたが、もはや公権力の腐り具合は、そんな甘い者ではなかった。反省。

夜の東京観光の新たな目玉にしようと、東京都新宿区の都庁第1本庁舎で26日、壁面を使ったプロジェクションマッピング「TOKYO Night&Light」の上映が始まる。25日夜にはオープニングイベントが行われ、「最大の建築物への常設展示」にあたるとして、ギネス世界記録に認定された。
同庁舎では26日から毎晩、4~32階部分の壁面約1万4000平方メートルを使い、平日は都内の観光名所が持つ風景、土日・祝日は東京の自然や文化、技術力を描いた作品などが上映される。当面は午後7時から30分おきに計5回の上映を予定する。

読売新聞web2024/2/25

政府の知的財産戦略本部(本部長・岸田首相)が6月にまとめる新たな「クールジャパン戦略」の原案が明らかになった。アニメやゲームなどクールジャパン関連分野を「基幹産業」と位置づけ、海外展開を推進する方針を明記した。農林水産物の輸出などでは、中国への依存から脱却を図る方針も盛り込んだ。
 「クールジャパン戦略」の改定は2019年以来、5年ぶり。原案では、新型コロナウイルス禍が収束し、インバウンド(訪日外国人客)が増加する一方、米中対立など国際情勢が厳しさを増していることに触れ、「クールジャパンをリブート(再起動)すべき時期が到来した」と強調した。

 アニメなどのコンテンツ産業の海外展開は22年に過去最高の4・7兆円に上り、鉄鋼産業(5・1兆円)に匹敵する規模に成長している。若手クリエイターやアーティストらの海外展開に向けた活動を「複数年にわたって弾力的かつ継続的に支援する」と記した。

 また、日本文化や学術関連の資料をデジタル化することは、新たな価値の創造にもつながるとして、26年度以降の戦略を策定する方針も示した。

 このほか、東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を受けた中国やロシアによる日本産水産物の輸入禁止措置も課題に挙げ、農林水産物の輸出先の多角化や新規開拓に取り組むとしている。インバウンドについても、「一部の国・地域に過度に依存することを避ける」とした。

東京新聞2024/5/27

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