茂木敏充

茂木敏充氏は「かしこい」のだそうだ。

確かに東大経済学士やハーバードの行政学修士など耳に心地の良い来歴をお持ち。

その後もどことなく華やかなプロフィールで現在に至るため、頭がキレると形容されるのかもしれないが

国会や記者会見をあまねくチェックしているが今のところ彼が賢いと感じるところまで私の腑には落ちていない。

残念ながら。

私が彼の賢さを見抜けない不埒者というのは当然可能性としてはある。

しかし、長年の人柄や政策についての提言、国会の態度などを見続けると、賢いにもさまざまな種類があるのだなとつくづく思う。

記憶力や分析力、継続力、そして根回し力、恫喝力はあるのだろう。しかし想像力や言語力、伝達力はかなり劣る。自律性や社会貢献性のなさは目に余る。
哲学もさしてなさそうだ。光の当たるレールを直走る人には哲学は生まれない。

一度、サシで対話してみたい。私には彼がどのように対峙するかの想像が容易につく。まず目を合わせもしない。見た目からしてパッとしないただのおばさんと話すのは彼の信条に反する。そして私が財閥令嬢としるや否や掌を返したように話し始める。そんなものだ。

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2019年東京大学学部入学式スピーチにて上野千鶴子氏は以下のように述べた。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

私たちの不幸は多額の税金を費やし育てた人材が自分の才能を社会に還元しようとしないところにある。もちろん彼らはそのために国政に意図的に存在している訳だ。二階氏も麻生氏や岸田氏も、いかに税金を払わず家督を継がせるかに(だけ)は大層熱心である。

基本的人権を根幹とする社会を構築するチャンスはあった。逆に何がそれを阻んだのかと言えば一つの理由ではない。様々なピースが絡み合い今に至るだけだ。

松下幸之助はこの惨状をどう評価するのだろう。

それにしてもマチズモを体現したら当代一と言えると思っていたがその実は如何にも小物のいじましさがあったし、やはり私の考える「賢い」はだいぶかけ離れている。

自民党派閥の裏金問題処理に追われる総理を尻目に、茂木敏充幹事長(68)は次の総裁選に出馬せんと野望を滾(たぎ)らせている。だがそんな茂木氏の政治資金管理団体の少額領収書を精査すると、政治資金処理に関するある疑惑が明らかに――。後編では飲食店の領収書の宛名が各店舗の手書きではなく、ハンコで捺印されている問題について報じるが、前編では「ランチにしか見えない支出」が3年間で400件以上もある問題に迫る。【前後編の前編】

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 自民党の中でも茂木敏充幹事長が率いる茂木派は、麻生太郎副総裁(83)の麻生派などとともに立件の憂き目には遭っていない。そのため、これまで両派閥は裏金問題とは無縁として、派閥を存続させる方針を貫いてきたのである。だが、

「茂木氏及び茂木派に対して、新たに“裏金疑惑”が浮上しています」

 とは社会部デスク。

「2009年から22年の間で、茂木氏の資金管理団体『茂木敏充政策研究会』から政治団体『茂木敏充後援会総連合会』に総額4億4590万円の資金が移動していることが明らかになったのです」

 何が問題なのか。

「資金管理団体は『国会議員関係政治団体』に該当し、人件費を除く1万円超の支出について、使途を政治資金収支報告書に記載するよう義務付けられています。一方で、後援会は『その他の政治団体』に当たるため支出の公開基準が緩く、5万円以上の政治活動費だけを公開すればよい。結果、この14年間で後援会の支出のうち、実に約94%が使途不明になっています」(同)
私的な飲食ではないかと疑わざるを得ない支出

 同様の資金の移動は、茂木派ナンバー2の新藤義孝経済再生担当相(66)にも見られるという。政党支部は、資金管理団体と同じく「国会議員関係団体」に当たるのだが、

「新藤氏の場合、自身が代表を務める『自由民主党埼玉県第2選挙区支部』から『新藤義孝後援会』に10年間で2億6000万円を寄付しています。その使途の詳細は、やはりほとんど明らかにはなっていません」(同)

 3月4日に開かれた参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫参議院議員もこの問題について「裏金を作っているのではないか。茂木派方式なんじゃないか」と追及。茂木氏及び茂木派の政治資金の処理の仕方に注目が集まっている。

 そこで本誌(「週刊新潮」)は改めて、過去に情報公開請求で取得した17~19年の3年分の「茂木敏充政策研究会」の少額領収書を精査した。

 まず、少額領収書を点検して気付くのが「組織活動費」として計上されている支出の中に飲食店の領収書が多いことだ。「組織活動費」の少額領収書は3年間で総計410枚に達し、17年は飲食関係だけで98枚、18年も97枚、19年に至っては127枚とその数を激増させている。

 しかも、牛丼チェーンの「吉野家」での480円の支出(19年3月6日)やカレーチェーン「カレーハウスCоCо壱番屋」での2114円の支出(19年7月12日)に代表されるように、およそ政治活動とは思えない、私的な飲食ではないかと疑わざるを得ないものが目立つ。特に否が応でも目に留まるのが、カレー屋や麻婆豆腐専門店などの「辛いモノ」を提供する店の多さである。
たとえば17年は東京・港区でカレーなどを提供するレストランカフェ「A」の6回総額1万7543円を筆頭に、麻婆豆腐専門チェーンの「陳麻婆豆腐赤坂東急プラザ店」(現在閉店)3回総額1万1000円、カレー専門店「デリー銀座店」3回総額1万3300円といった具合。

 また18年も「A」6回総額2万1580円、「デリー赤坂店」(現在閉店)4回総額1万8380円のほか、「デリー銀座店」2回総額9410円などが並ぶ。

 さらに19年になると、スープカレー熱が高まったのか「札幌ドミニカ銀座店」8回総額3万840円に加えて、「陳麻婆豆腐赤坂東急プラザ店」7回総額2万2000円やテイクアウト専門の港区のカレー店「B」を6回総額3万9150円分も利用しているのである。とりわけテイクアウトなどは単なるランチではないのか……。

 自民党関係者が苦笑しながら語る。

「茂木氏はヘビースモーカーで有名で、官僚が作成した“トリセツ”には“あらゆる場所で(煙草を)吸える環境を最大限整える”と記されていたほど。その同じメモに“辛いものも好き”と明記されていたことからも、茂木氏は辛いモノが本当に大好きなのでしょう」

 つまり、本来は政治活動のために使う政治資金で好みの「辛いモノ」を提供する店を繰り返し利用していたのではないかという“私的利用”の疑いが濃厚なのである。後編では飲食店の領収書の宛名が各店舗の手書きではなく、ハンコで捺印されている問題について報じる。

「週刊新潮」2024年3月21日号

自民党の茂木敏充幹事長の資金管理団体から寄付を受ける政治団体「茂木敏充後援会総連合会」と、棚橋泰文元国家公安委員長の政党支部や資金管理団体から寄付を受ける同「棚橋泰文後援会連合会」で2020~22年、使途の詳細が分からない支出がそれぞれ全体の97%超、2団体で計1億3500万円以上あったことが25日、政治資金収支報告書で分かった。
 政治資金規正法は「国会議員関係政治団体」について、人件費を除く1万円超の支出全てで使途を報告書に記載するよう義務付けている。資金の移転元となった両氏の政党支部や資金管理団体は、この関係団体に該当。しかし、移転先の二つの後援会は関係団体ではなく「その他の政治団体」になるため、支出の公開基準が緩く、政治資金の流れが事実上チェックできない状態になっている。規正法の「抜け穴」が改めて露呈した形だ。
 二つの後援会は、いずれも議員本人が代表を務める資金管理団体と同じ所在地にあり、会計責任者や連絡先も同じ。収入のほぼ全ても、両氏の資金管理団体と政党支部からの寄付となっている。

共同通信社2024/2/25

自民党の茂木敏充幹事長(68)が、2021年の衆院選にかかった経費を“二重計上”していたことが月刊誌「文藝春秋」編集部の取材で分かった。公職選挙法違反の疑いがある。

【画像】茂木氏の選挙運動費用収支報告書

 自民党幹事長として、「政治刷新本部」の役員を務めるなど、裏金問題の真相究明に当たっている茂木氏。今回発覚したのは、茂木氏が2021年の衆院選(10月31日投開票)を巡って1枚の領収書を使いまわし、経費を“二重計上”していた問題だ。
領収書の筆跡が完全に一致

 茂木氏が栃木県選挙管理委員会に提出した「選挙運動費用収支報告書」には、栃木市内の製造業・A社に対する支出が記載されている。

〈令和3年11月12日 47,592円 電気代 A社〉

 茂木氏の支援者が語る。

「選挙期間中、茂木氏はA社から事務所を借りていました。そこにかかった電気代を支払ったのでしょう」

 他方、茂木氏が代表を務める政治団体「自由民主党栃木県第五選挙区支部」の政治資金収支報告書にも、A社に対する支出が記載されている。

〈令和3年11月12日 47,592円 備品 A社〉

 支出の目的こそ異なるものの、同日付で、1円単位まで同じ金額が支出されている。いったい、どういうことか。小誌は栃木県選管に対し情報公開請求を実施。茂木氏の選挙運動費用収支報告書と栃木県第五選挙区支部の政治資金収支報告書で計上された支出について、それぞれの領収書の写しを入手した。

 驚いたことに、この2枚の領収書は、日付や宛名、但し書き、金額の筆跡が同一だ(下記、画像参照)。コピーによるものと見られる擦れこそあるものの、手書きされた文字については一言一句、完全に一致する。この2枚の領収書が同じものであることは一目瞭然だ。
どちらか一方が裏金になっている疑い

 栃木県選挙管理委員会の担当者が首を傾げる。

「1枚の領収書を用いて2件の支出がされているということであれば、“二重計上”になってしまいます。政治資金収支報告書か、選挙運動費用収支報告書のどちらかが間違っているのでしょう」

 政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授はこう指摘する。

「候補者個人が選挙のために使う『選挙運動費用』と、政治団体が日常的な政治活動の為に使う『政治資金』は法的に全く異なるものです。前者は候補者である茂木氏の“個人の財布”であり、後者は自民党栃木県第五支部という“政治団体の財布”です。両者を一緒くたにすることは許されません。

 領収書が1枚しかないということは、どちらか一方の支出は、実際には支払われていなかったということになる。つまり、手元に残ったお金が裏金になっていることを意味します。領収書を確認したうえで、それに基づいて支出を計上しているということは決して事務的ミスとはいえないでしょう。

 しかも、自民党栃木県第五支部の政治資金収支報告書では、「支出の目的」について領収書の記載とは異なり、〈備品〉と記載しています。〈電気代〉とした場合、選挙運動費用との二重計上が発覚する恐れがあるため、敢えて費目を変えたのではないでしょうか。意図的に裏金作りをしたと見られてもしかたありません」
「事務的ミスが判明したので速やかに訂正します」

 茂木氏の事務所に尋ねると、次のように回答した。

「選挙区支部の政党活動にかかる支出として選挙区支部の収支報告書に計上すべきところ、事務的ミスで選挙運動費用収支報告書に計上されていることが判明しましたので、速やかに訂正します」

 政治資金パーティの裏金問題を巡って、「当事者にはしっかりと説明責任を果たしてもらいたい」と訴えた茂木氏。自身の疑惑についてどのように説明するのか注目される。

 2月12日に配信した「文藝春秋 電子版」のオリジナル記事では、“二重計上”疑惑に加えて、別の問題である“ヤミ選挙事務所”疑惑についても報じている。

2024/2/12文春オンライン

自民党の茂木敏充幹事長の関係政治団体から、住所と連絡先、会計責任者が同じ別の政治団体に、2022年までの10年で約3億2千万円が移されていたことがわかった。資金が移った団体は、国会議員の関係政治団体よりも金の使途などの公開ルールが甘く、使途の大半がわからない形になっていた。

【図】茂木幹事長をめぐる「資金移動」のイメージ

 4日午後の参院予算委員会で立憲民主党の蓮舫氏が問題視し、政府に対応を求めた。

 同様の「資金移動」は、茂木氏が会長の「平成研究会(茂木派)」で事務総長を務める新藤義孝経済再生担当相をめぐっても行われ、10年で約2億5千万円が新藤氏の関係政治団体から別の団体に移されていた。

 国会議員関係政治団体は原則、「1件1万円超」の経常経費と政治活動費を政治資金収支報告書に明細まで記載しなければならない。一方、「その他の政治団体」では、経常経費の明細の記載は不要で、政治活動費も「1件5万円以上」と基準が緩い。関係政治団体は監査が必要だが、それ以外の団体では不要となっている。

朝日新聞デジタル2024/3/4

発言が出たのは、19日に公開されたユーチューブチャンネル「ReHacQ―リハック―」のインタビュー番組の後半。茂木氏は「前向きな政策をやっていく」とし、「パンとサーカス」に触れた。
 「どうですかね。今国民の皆さんが求めているのは、多分ローマ時代のパンとサーカスで言ったら、パンじゃない、サーカスなんだと思うんですよ」と話し、こう続けた。「例えば、給付金の支給も悪いことではないですけど、それよりも景色が変わった、何かやっぱり新しい日本が見える、自分たちの未来が見えると。ある意味、コロッセオ(闘技場)で展開したのとは違った決闘ですけど、サーカスなんです、やっぱり」
 司会者に「パンが食べられない人もいる。切り取られて炎上しますよ」と突っ込まれると、「訂正致します」と応じた。しかしその後もパンとサーカスの話を続け、「今の日本でどちらが必要かと言うと、景色が変わること。一人一人にチャンスが生まれる、豊かになっていると実感できることが大切だ」とした。

◆総理を代えることで国民を沸かせる?
 やりとりを素直に受け取ると、茂木氏は「国民が前向きになれる政策」をサーカスと表現したようだ。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「発言の裏には、『今の総理じゃ、観客が全く沸かない』『総理を代えることで違う景色を見せるんだ』という意味が含まれているのでは」とみる。
 しかし、「ギリシア・ローマ名言集」(岩波文庫)によると、「パンとサーカス」という言葉は、古代ローマの詩人ユウェナリスの「(民衆が)熱心に求めるのは、今や二つだけ パンとサーカス」という風刺詩から来ている。
 パンは、食料として無料配布された小麦で、サーカスはコロッセオで行われる剣闘士と猛獣の決闘などの見せ物を指す。ユウェナリスはそれに熱狂するローマ民衆の堕落をやゆした。これが転じて、権力者が民衆に食べ物や娯楽を与え、政治への批判精神を忘れさせる愚民政策を象徴するようになった。

◆もともとの意味は愚民政策だけど
 伊藤氏も「『パンとサーカス』という言葉が意味するのは愚民政策だ。国民なんて食べ物と娯楽を与えておけばよい、という上からの目線の発想をしていると受け取られても仕方ない」と指摘する。
 そもそも政界では、野党が与党批判をする際に使われることが多い。茂木氏自身、2012年の講演で「今の政府のやり方は明らかに『短期のバラマキ』。ローマ帝国の末期で言うパンとサーカスの世界です」と当時の民主党政権を批判している。
 ローマ帝国はパンとサーカスによって民衆の不満を抑えて繁栄したという歴史解釈もあるが、少なくとも現在、言葉の上では前向きなニュアンスに乏しい。改めて真意を茂木氏の事務所に尋ねると、「発言は番組内ですでに取り下げた」と回答があった。

◆人物評は「優秀すぎる故に周囲にきつい」
 ポスト岸田に名を連ねる茂木氏。「抜群に頭が切れる」というのが周囲の評価だが、ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「優秀すぎる故に周囲にきつく当たることが多い。最大の課題は人心掌握だろう」と嘆く。
 「昔の政治家の言葉は繊細で力があり、ある意味計算されていた。いまは自民党だけでなく、野党も含め、問題になりそうな発言はすぐ撤回すればいいという風潮だ。言葉をおろそかにする政治家が国民と対話できるだろうか」

東京新聞2024/5/23

ユヴェナリスが口にしたと言われる「パンとサーカス」は、権力者側が口にすることではない。そして古代ローマのパンはパンであったしサーカスはサーカスであったからまだマシだ。

日本政府がやるパンは腐っていたり食べられなかったり米粒くらいで到底パンとは言えないし、サーカスもあの幼稚なプロジェクションマッピングだったりしてサーカスのレベルが圧倒的に低い。
「パンとサーカス」さえも、満足にできない我が愛すべき永田町の人たち。

そして我が愛すべき日本人は、外を知らないため比較対象を把握できず、あの程度のものを「パンとサーカス」として楽しむ訳で、

ああ、宜なるかな。

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