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イエスの死の前後について 2

イエス・キリストは人類の罪を取り除くために犠牲の死を遂げられました。
その深い愛の表明の前、イエスは何をされたのでしょうか。
そして、何を教えられたのでしょうか。
まず、死を迎える一週間前から見ていきましょう。
その前の出来事はこちらの記事をご覧ください。

ニサン8日の日没後

過ぎ越しの6日前にベタニヤに到着します。この日は安息日なので、日没前には到着していたと考えられます。ベタニヤには復活したラザロがいます。

ニサン9日の日没後

ベタニヤに住むシモンがイエスと友人たちを夕食に招待します。
シモンは「重い皮膚病だった」と記されています。(マタイ26:6, マルコ14:3) おそらくイエスに癒してもらったのでしょう。そこには、ラザロと彼の姉妹マルタマリアも招かれています。この時もマルタは給仕をしています。マリアはというと、高価な香油ナルド*を持ってきます。それは300デナリ(一年分の給料に相当)もします。
その香油をマリアはイエスの頭と足に注ぎ,髪の毛で拭きます。すると家中に良い香りが広がります。
弟子たちは腹を立てて,「この香油をどうして無駄遣いするのか」と言います。(マルコ 14:4)ユダ・イスカリオテも,「どうしてこの香油を300デナリで売って,貧しい人たちに施しをしなかったのか」と批判します。(ヨハネ 12:5)ユダがそう言ったのは,貧しい人たちのことを気に掛けていたからではなく,自分が管理していた弟子たちの金箱からお金を盗んでいたからです。貪欲で邪悪になっていました。

*ナルド つまり甘松(Spikenard)は,ヒマラヤ山脈原産で,インドの特産品でした。現在でも、スパイクナードと呼ばれてふつうに売られています。
300デナリ ー 1デナリは当時の一日分の賃金でした。(マタイ20:10)

しかし、イエスはもっと重要なことに注意を向けられます。マリアは「わたしが葬られる日のために行っている」と言われます。イエスに対する愛と敬意からなされたその行為は,実は,間近に迫ったイエスの死と埋葬の準備を意味したのです。

マリアの行動は高く評価される

マリアの愛と自己犠牲に基づいた行動は他の人々から批判されました。
しかし、この度もイエスは彼女を擁護され,高く評価されました。
「世界中どこでもこの良いたよりが宣べ伝えられる所では,この女のしたことも,彼女の記念として語られるでしょう」と言明されたのです。―マタ 26:6-13; マル 14:3-9; ヨハ 12:1-8。

額の大小は問題ではない

イエスは額の大小ではなく,魂のこもった努力や自己犠牲を高く評価されました。ですから、イエスはこの2日後、自分の持っていた値の小さな硬貨をささげた貧しいやもめを称賛されました。(マルコ 12:42,43)弟子たちがマリアの高額の寄付についてとがめた時には,「彼女をそのままにしておきなさい。……彼女は自分にできることをしました」と言って,弟子たちを叱責されました。(マルコ 14:6,8)

ニサン9日の日中


弟子たちとベタニヤを出発し、エルサレムに向かわれます。
途中でイエスは子ロバに乗られます。これはゼカリヤ9:9の預言の成就です。
イエスがエルサレムに近づくにつれ,一緒に進んでいく人の数が増えていきます。多くの人たちがこう叫びます。「お救いください,この方を! エホバの名によって来る方が祝福されますように! 間もなく来る,私たちの父ダビデの王国が祝福されますように!」(マルコ 11:8-10)このようにしてイエスはエルサレムに入られます。
イエスは神殿に行って人々を教えられます。また,盲目の人や足の不自由な人を癒やされます。祭司長と律法学者たちはその様子を見ます。男の子たちが神殿の中で,「お救いください,ダビデの子を!」と叫んでいるのを聞いて激怒します。イエスは,「『あなたは子供や幼児の口から賛美を生じさせた』とあるのを読んだことがないのですかと言われます。(マタイ 21:15,16)
イエスは神殿の中を全て見て回ります。そして時間が遅くなったので,弟子たちと神殿を離れ,ベタニヤに戻られます。


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