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芸観大生による中高生のための演劇WS『演劇ってなんだろう?』レポート4

本記事は、芸観大生による中高生のための演劇WS『演劇ってなんだろう?』レポート3の続きです。まだ読んでいない方は、先にレポート3をお読みいたくことを推奨します。

本企画は、豊岡市民プラザ・NPO法人プラッツ主催のもと開催され、但馬地域に住む中高生を対象に募集しました。当日は大学生によるファシリテートのもと、計4つのプログラムを行いました。

④思いやりプログラム『なかよくつくる工夫』

【日時】
5月5日 14:00-16:00

【参加者】
中高生10名 大学生5名

【内容】
やる気や目的が違うクラスメイトと文化祭劇をつくる時にどうすればよいかを議題に、大人も含め全員で考え話し合いました。最初は高校生や大学生の実体験をもとに、問題点を整理しました。練習に来ない人がいたり、熱意のある人に意見が言えない空気ができていたりなど、多様な角度からの問題が上がりました。中でも創作を取り仕切る代表者(リーダー)のあり方についての話を中心に進んでゆきました。そこで、理想像として、どんな小さなことも聞くリーダー、NOT命令YES提案なリーダーなど、クラスのまとめ役として振る舞うことが大切だと思わせる意見が出ました。また、必ずしもケンカしないことがよいこととは限らないという意見も出て、全員が心地よい創作環境をつくることは難しいが、それを支えるためのリーダーやサポーターの大切さに改めて気付いているようでした。全員が真剣に考えている様子が、終始ひしひしと伝わってきました。

【参加者の感想(アンケートより一部抜粋)】
「自分のやってきたリーダー像と違うリーダー像がきけて、参考になった。」

「最後のワークで、結局なんでもめるかって、人間だからだよーと言っている子がいて、シンプルだけど本当にそうなんだよなと思いました。」

「リーダーがどれだけ信らいされているか、安心できるかが大事だと思います。…演劇以外にも学ぶことができ楽しかったです。」


まとめ

今回のワークショップイベントで、但馬地域に新たな「演劇創作の入り口」を作ることができました。2日間を通じて、演劇を楽しむ要素とも言える「鑑賞(見る)「考察(考える)」「創作(仲間とつくる)」「演技(演じる)」を総合的に体験できる新たな試みとなりました。その結果、各回たくさんの応募が集まり、半数の学生が全てのワークショップへ参加しました。学生にとっても、今まで漠然と「好き」だった演劇が、ワークショップを通じて新たな発見や楽しみ方、あるいは好きな要素を見つける機会になったと思います。
また、但馬地域で生活する中学生と高校生、大学生が同じ空間で何かに取り組むという、今までなかった機会を創出することができました。特に思いやりプログラムは、彼ら自身より少し年上の学生と、あるいは大人と対等の立場で話し合う場が生まれました。そして、学びや気づきを持ち帰り、参加者自身が次のステップで活かせるヒントを持ち帰っていきました。


【企画運営】

主催:豊岡市民プラザ・NPO法人プラッツ 共催:HIBOCO
後援:芸術文化観光専門職大学
監修:平田知之(芸術文化観光専門職大学講師)

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