見出し画像

芸観大生による中高生のための演劇WS『演劇ってなんだろう?』レポート1

はじめに
但馬地域では、現在演劇部のある高校は1校しかありません。一方で、演劇をつくりたいと思うやる気ある若者や学生がたくさんいます。したくても設備がない、あるいは仲間がいないと悩む学生がたくさんいます。本企画は、地域に散り散りになっている学生をつなぎ、誰もが劇をつくることを目的としたワークショップです。そして、豊岡市民プラザが主催する「但馬ハイスクールアートフェスティバル」や著名な演劇人による演技講習、照明・音響講座(「劇の学校」)に繋げてゆく「演劇の入り口の入り口」をコンセプトに開催したワークショップです。
本企画は、豊岡市民プラザ・NPO法人プラッツ主催のもと開催され、但馬地域に住む中高生を対象に募集しました。当日は大学生によるファシリテートのもと、計4つのプログラムを行いました。

【開催日時】

2024年5月4日〜5月5日(両日とも10:00-16:00)

【プログラム】

2024年5月4日(土)
10:30-12:30 つくるプログラム「物語をつくろう!」
14:00-16:00 よりよくするプログラム「なにがおもしろい?」

2024年5月5日(日)
10:30-12:30 えんじるプログラム「上手にウソをつく!?」
14:00-16:00 思いやりプログラム「なかよくつくる工夫」

12:30-14:00(昼休憩) 大学生とおしゃべりタイム

【開催場所】

豊岡市民プラザリハーサル室 (兵庫県豊岡市大手町4-5 アイティ 7F)


①つくるプログラム『物語をつくろう!』

【日時】
5月4日 10:30-12:30

【参加者】
中高生14名 大学生4名

【内容】
劇作家・演出家である岩井秀人のオリジナルワークショップ「ワレワレのモロモロ」を行いました。岩井秀人本人に許可をとり、HIBOCO(現:ひよコモンズ)のメンバーにより行われました。今回のワークショップでは、参加者が各々の自己紹介を終えたあと、彼らに「ひどい目にあった経験」を話してもらいます。ポツポツと手が挙がる中から、誰か一人のエピソードを取り上げました。さらに、その経験を深掘りながら舞台上で再現してゆきます。これで1セットです。そして、参加者は、演じ手に回ることも、ギャラリーで見続けることもできます。

今回は、クラスメイト全員の前で転けた話、一人だけ寿司屋に行けなかった話など、6つの面白いエピソードが上がりました。その中で一番盛り上がったのが、ある中学生の下校時の出来事でした。その学生は、部活がなく早帰りでウキウキだったのにも関わらず、他人の自転車を蹴ったというあらぬ疑いをかけられ職員室で2時間の事情聴取を受ける羽目になってしまいます。

3人がそれぞれ別の部屋に分かれ、「やった、やっていない」のやり取りが3つ同時に行われている場面では、全員が笑いを堪えながら楽しそうに見守っていました。また、疑いをかけられている本人たちは至って真剣な一方、早上がりでウキウキな背景を知っているギャラリーは、シュールな状況も相まって、演劇の物語の仕組みを楽しんでいるようでした。


【企画運営】

主催:豊岡市民プラザ・NPO法人プラッツ 共催:HIBOCO
後援:芸術文化観光専門職大学
監修:平田知之(芸術文化観光専門職大学講師)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?