次を登り始める前に
最近の話。
生きてきて大層な歳を重ねてはいないけれど、
よくぞ今まで生きてこれたねと昔の自分に言ってあげたくなる。
最近になってそう思うことが増えた。
誰かから見たらこれっぽっちも生きていないと思われるかもだけど、私にとっては結構大きめの山を登山し終わった様な気分になっている。
次が待っているのだけれど。
次の山を登ると、その前に登頂できた山の記憶はどうしても薄れてしまう。
それがどんどん積み重なるといつかは忘れてしまうかもしれない。
せっかくの経験、景色、感情もいつかは忘れてしまうかもしれない。
私はそれがものすごく怖く、嫌だと思っている。
楽しかったことも、悲しかったことも、全て忘れてしまう前にどこかに残して次の山を登り始めたい。
ここにはそれを残していく。
私の今まで生きて出会った人、起こったこと。
私なりの人生の一区切りがついた今、ここに書き記したい。
ここまでふらっと来て、ふらっと読んでくれている人、
これも何かの縁だと思い、私のことを片隅に残していてほしい。
私が登りきることができた山の武勇伝を仕方なく聞いてほしい。飽きたらやめてもいい。
案外大層なことは成し遂げていないって思われるかもだけど。
19年間の思い出の在り処をここに遺すことにする。
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