- 運営しているクリエイター
記事一覧
幼さの 『蹴りたい背中』を読んで
ずっと「高校生の物語だ」と思いながら読んでいた。というのも、主人公のハツも、もう一人の登場人物である蜷川も、思春期の嫌なところを煮詰めたようなキャラクターをしている。
解説を書いた斎藤美奈子さんが指摘した通り、ハツは強がりだ。周囲と馴染めない原因が自分にあることを認めたくない。一見、理論の通っているような考えを持っているが、それは馴染めなさの肯定するためのものにすぎない。例えば顧問の優しさ(甘
ずっと「高校生の物語だ」と思いながら読んでいた。というのも、主人公のハツも、もう一人の登場人物である蜷川も、思春期の嫌なところを煮詰めたようなキャラクターをしている。
解説を書いた斎藤美奈子さんが指摘した通り、ハツは強がりだ。周囲と馴染めない原因が自分にあることを認めたくない。一見、理論の通っているような考えを持っているが、それは馴染めなさの肯定するためのものにすぎない。例えば顧問の優しさ(甘