雑巾

友人が雑巾を買った事がきっかけで彼氏と別れたという話を聞いた。
雑巾くらい自分で縫えないのかとか言われたらしい。
使い古したタオルだとか服とかで作れって事なんだろうか。
まあ、そういうことを始まりに、日常生活のいろいろな場面において、意識の違いがあって別れるに至ったらしいが、諸々を話している間彼女が泣いていた事は確かだ。
恋人と別れた事が悲しくて泣いていたのか、悔しくて泣いていたのかはわからない。
彼女は「私はたとえタオルだろうと服だろうと、自分が働いて買った物を雑巾なんかにしたくない」と合間に言った。
「雑巾も自分の給料で買ってるのに雑巾は雑巾で良いのか」と、少し思ったが、まあそれは「雑巾は雑巾のまま尊重する」という事でスルーしても良いのかもしれない。
世の中にはこういう事がきっかけで別れる恋人たちもいる。
相手は何の気なしに言ったことが、相手の琴線に触れ、大きな溝になる。
(その彼は彼女が土日のカフェで友人に泣きながら怒りだか悲しみだかを語るほどだなんて思ってもなかっただろう。)
とりあえず「別れて正解」だったことに変わりはないのでそうコメントした。
私は他人に雑巾だか掃除だかについて口出しされるくらいなら、家事代行雇うかロボット掃除機買うルートを選びます。楽ですよ。

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