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半世紀経て全線開通 七窪蛇田線が供用

線路越え市街地結ぶ橋

 石巻駅から約600㍍西側のJR線をまたぐ山下中里高架橋の開通式が25日、現地で行われた。これにより、昭和41年3月に決定された都市計画道路「七窪蛇田線」は、58年の時を越えて全線開通。線路で分断された市街地間が行き来しやすくなり、交通量を分散させることで水押踏切を中心とした駅周辺の混雑解消や災害時の避難路、緊急輸送路としての効果が期待される。

関係者がテープカットとくす玉を開披した

 七窪蛇田線は、かつて七窪の地名があった石巻市山下町二丁目の国道398号を起点とし、蛇田字新下沼の国道45号に至る南北方向の主要幹線道路。途中、石巻(中里)バイパスと交わる。全延長2720㍍で、高架橋でJR線を越える必要があった570㍍のみが長く未整備だった。市は東日本大震災後、駅前への市立病院の移転に伴う交通対策で残る区間を整備することにし、平成26年に事業着手した。

山下中里高架橋と国道398号の交差点

石巻駅周辺の混雑解消に

 新たに開通した区間は、延長292㍍の山下中里高架橋を含む山下一丁目の国道398号から、石巻バイパスの交差点まで。全幅15㍍の上下各1車線で設計速度は時速50㌔となっている。両側に幅3・5㍍の歩道があり、山下側2カ所に階段も設けた。

中里方面から山下側(手前側)へ関係車両が通り初めした

 事業費は約84億円で、財源の約半分に国の社会資本整備総合交付金を活用。開通に合わせて山下側の国道交差点に信号機を新設し、東側の押しボタン式信号機は撤去された。

 午後3時の一般開放に先立ち、午前に南中里の本線部で開通式があり、市、国、県の関係者や地元町内会長らが参加。各代表者がテープカットとくす玉開披を行い、中里側から車両が通り初めした。齋藤正美市長はあいさつで「長年の悲願であり、全線開通は大きな喜び。地域の活性化に寄与するとともに、災害時には避難・救援としての役割を担うことを確認している」と述べ、用地協力者や工事関係者にも感謝した。

 新年度も一部工事は続き、バイパス交差点の改良工事を予定している。【熊谷利勝】




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