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【女子サッカー】震災伝承 女川でテイラー杯

国内外の女子選手集結

 石巻で外国語指導助手を務め、東日本大震災の津波で犠牲になった米国出身女性のテイラー・アンダーソンさん(当時24)の名前を冠した女子サッカー親善試合が8日、女川スタジアムであった。国内外で活躍するプロ女子サッカー選手13人が参加し、高・大学生チームとのチャリティー戦や幼児、小学生向けのサッカー教室も開いた。

サッカー教室で子どもたちとふれあう選手

 テイラーさんは平成20年から石巻市の小中学校で英語の指導助手を務めた。震災時は万石浦小勤務で、児童の下校を見届けた後の帰宅途中、津波に襲われた。フリーの翻訳者で大会実行委員長の寺田美穂子さんが「日米の架け橋になりたいと願ったテイラーさんのように、将来の活躍を夢見る女子サッカー選手を後押ししたい」と同大会を企画。昨年初開催し、今年も震災伝承と地域活性化を目的に開いた。

サッカー親善試合と交流

 今年も国内外のプロリーグで活躍する日本人選手が女川町に集結。午前中に行われた子ども向けのサッカー教室では、シュートやパス練習などで交流した。

 仙台市の三浦あおはちゃん(7)はマイナビ仙台レディースのFW武田菜々子選手(24)とMF遠藤ゆめ選手(18)の大ファン。「一緒にサッカーができるのはうれしい。来てよかった」とご満悦の様子。遠藤選手も「子どもたちとふれあえる場は私たちにとっても貴重。元気をもらえる」と話した。

 午後に行われたチャリティー戦は、プロ選手らが「チームテイラー」として組み、仙台大と明成高の混成チーム「朴沢学園」と対戦。一流の技術を見せたチームテイラーが10―0で勝ち、会場を沸かせた。

遠藤ゆめ選手と記念撮影を楽しむ子ども

 また一行は前日の7日、石巻南浜津波復興祈念公園にあるテイラーさんの記念碑を訪問したほか、津波で3人の子を亡くした遠藤伸一さんの講話を聞いたり、市内小学校に設置されたテイラー文庫を見学したりした。

 寺田委員長は「選手も子どももサポーターも楽しそうに活動していたのが印象的。来年以降も継続していきたい」と話した。
【山口紘史】

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