見出し画像

石巻日日こども新聞 吉川英治文化賞記念イベント

歴代記者出演、公開取材も

こども新聞40号記念イベント (21)

こども記者らが主役となり、ライブ配信した

 石巻地方の子どもたちが作る石巻日日こども新聞(公益社団法人こどもみらい研究所主宰)が、次号で通算40号となるとともに、来春創刊10周年を迎える。それを記念して11日、オンライン形式のイベントを実施した。これまで参加したこども記者はのべ約750人で、発表した記事は約500本に上る。イベントでは、12月発行の40号へ向けた公開取材や10年間の活動を振り返る動画、新聞制作にかかわってきた現役、歴代のこども記者らのメッセージなどをユーチューブで配信した。【平井美智子】

 イベントは、ふだんはワークショップで利用している石巻ニューゼの2階のレジリエンスバーで行い、こども記者である地元の小中学生たちが司会・進行役を務めた。
 開会あいさつした齋藤桃香さんは初代こども記者。今春から看護師として医療現場で働いている。「震災から復興する地域をさまざまな角度から取材して伝えたこども記者の活動は、私の人生に大きなプラスになった」と語り、今後も地域に根差した取り組みに期待した。
 公開取材は、第18号(平成28年6月発行)、20号(同12月)、第25号(平成30年3月)に掲載した熊本県防災消防航空隊「ひばり」を主題に、担当記者だった村松鈴音さん(立教大学2年)が行った。
 「ひばり」は東日本大震災の被災地で計79人を救出しており、村松さんもその一人。現在も連絡を取り合っている当時の副隊長の西村澄生さんと、「ひばり」によって搬送された石巻赤十字病院で無事女児を出産した佐藤好さんを画面越しにインタビューし、10年前の状況や防災に対する考えを語ってもらった。
 佐藤さんは「何十年たっても、あの時に助けてくれた皆さんには感謝でいっぱい」と語り、西村さんは「震災時は皆が気持ちを一つにして仕事をした。コロナが収束したら石巻を訪ね、復興しつつある地域の姿を見たい」と再会を期待した。
 その後、現在のこども記者たちの活動報告や元こども記者、サポーターらのメッセージ紹介などがあった。最後にこどもみらい研究所の太田倫子代表理事が「子どもたちは生まれながらにしてジャーナリスト。旺盛な好奇心と取材相手の心を開く力を持っている。これからも長く続けていきたい」と語り、活動を支えている読者やサポーター、地域の人たちに感謝を述べた。

地域に目を向け来春10年

 こども新聞は東日本大震災翌年の平成24年3月11日に創刊し、以来3カ月に1回発行している。石巻地方の小中高校生らが記者となり、子どもの視点で震災後の地域や人々の姿などを伝えている。その活動が評価され、今年3月には第55回吉川英治文化賞を受賞。今回のイベントはその受賞記念も兼ねた。
 なお、第39号はイベントを開催した11日に発行し、石巻日日新聞にも折り込まれた。また、この日のイベントの模様は、ユーチューブ( https://youtu.be/0cOd4Qv2LHg )で視聴できる。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。


石巻日日こども新聞 WEBページ https://kodomokisha.net/

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。