見出し画像

中止相次ぐ歓送迎会 花需要減で生産者悲鳴 ガーベラ最盛期に直撃

 新型コロナウイルスの感染拡大は、生花業界にも大きな影響を与えている。年度の切り替わりに開かれる歓送迎会が軒並み中止となり、贈答用の花の販売が落ち込んでいるためだ。㈱石巻花卉園芸=東松島市赤井=の3月の売り上げは前年比で2割減となり、生産農家も悲鳴を上げている。【渡邊裕紀】

 石巻地方に生花を卸す同社では、2月ごろから新型コロナの影響が出始め、需要が伸びる3月の彼岸時期でも注文は前年比2割減。そこに卒業式の縮小、送別会の中止などが追い打ちをかけた。

 一方で市場価格は海外からの輸入が飛行機の減便で少なくなったことも影響し、3月は上昇。それまで1本約20円で推移していたガーベラが、一時60円まで高騰した。バラも通常60円前後だが、100円近くまで上がるなど社会情勢で価格も乱高下した。

 新年度を迎えた4月は、県内でコロナ患者が相次いだことで県と仙台市が外出自粛を要請。さらに花が売れなくなり、価格は下落した。同園芸の立花善孝専務は「需要が高い母の日(5月10日)に期待したいが、自粛が長引けば影響は必至だ」と懸念する。

新型コロナ 生花にも影響 (6)

9日は3万2千本出荷されたが、価格は昨年の半分

 東北最大のガーベラ産地となっている石巻市桃生町の「JAいしのまき桃生ガーベラ部会」は、6軒の生産者で構成している。祝い事に使われるガーベラは3―5月が最盛期であり、同部会では約7割を関東方面に出荷しているが、今年は需要減で価格が伸び悩む。

 9日は約3万2千本が出荷されたが、昨年に比べて価格は半分程度。農林水産省の新型コロナ対策「花いっぱいプロジェクト」で買い取りがあり、損失はある程度補われているが、それでも売り上げは減少している。

 母の日が頼みの綱だが、同部会の西條弘悦部会長は「感染拡大で出荷する市場が止まる可能性もある。新型コロナの収束が見えないため、長期化の不安もある」と嘆き、生活への影響を憂慮した。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。