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暑いアツいぞ!〝熱中〟の祭り本番

彩る七夕飾り 陸上行事華やかに


 第100回石巻川開き祭り(同実行委員会主催)は2日目の5日、歩行者天国とした石巻市中心部の陸上行事や旧北上川での水上レース「孫兵衛船競漕」が始まり、祭り本番のにぎわいとなった。各会場には多くの人が訪れ、午前中から30度を超える気温と相まって熱気ムンムン。出演する市民の元気と節目の記念で規模を増した行事の数々が、見る人の心も〝アツく〟している。

七夕飾りで彩られたまちなかに多くの人が繰り出した

 祭りは5日からが本祭。中央のアイトピア通りには華やかさを演出する手作りの七夕飾り46個が設置され、浴衣姿の人や通りで繰り広げられる演目を引き立てている。かわまち交流広場は昨日に続いてステージイベント会場となり、地元の出演者のほか、100回の祭りを記念した特別ゲストやいしのまき観光大使による歌、演奏で盛り上がった。
 友人と訪れた石巻市大街道南の三浦愛さん(16)は「4年ぶりに行動制限のない祭りで、まちの人たちの楽しそうな笑顔にこっちも楽しくなる。思い出に残る夏にしたい」と目を細めた。

孫兵衛船競漕も号砲


 住吉公園前では、石巻大橋から下流550㍍をコースに、手こぎの船による孫兵衛船競漕が開幕した。41回目を数える12人乗り一般は33チーム、25回目となる女性限定8人乗りのミニは10チームが参戦。中心部近くで行われるのは4年ぶりで、船から聞こえる掛け声や初の実況放送が見る人に熱戦の興奮を伝えている。

旧北上川を疾走し、競り合う孫兵衛船


 就職してから30年出場しているカガク興商の佐々木良臣さん(48)は応援で乗船。若いチームをまとめて予選突破し、「地元の企業なので地域に貢献したい。あすは決勝に進出して盛り上げたい」と汗をぬぐった。
 最終日の6日は、中心部で恒例の小学校鼓笛隊パレードや大漁踊り、孫兵衛船競漕は決勝レースがある。
【熊谷利勝、山口紘史】

亡き人へ寄り添う
東日本大震災供養祭


ゆっくり流れる灯籠と、夜空を照らす供養花火


 川村孫兵衛翁報恩供養祭と川施餓鬼供養祭、東日本大震災慰霊祭十三回法要は4日、住吉公園で営まれた。昨年はコロナ禍に伴い関係者のみで行ったが、今年は4年ぶりに住民も参加。遺族らは焼香をし、亡き人を想いながら静かに手を合わせた。
 石巻市新舘から孫を連れて訪れた女性(67)は、震災の津波で命を落とした親戚に心を寄せた。「十三回忌というが、月日が経っても悲しみは変わらない。手を合わせながら『子どもや孫がこんなに大きくなったよ』と心の中で伝えた」と話した。

川面照らす灯籠4千個


 旧北上川では、震災犠牲者へのメッセージなどが書き込まれた色鮮やかな灯籠が約4千個浮かび、幻想的な光景を作り出した。優しい光を灯しながらゆらゆらと揺れる灯籠に向かい、黙とうする市民の姿もあった。
 前夜祭となった祭り1日目のフィナーレは約400発の供養花火。中瀬公園から打ち上げられ、白を基調とした大輪が夜空に咲いた。【山口紘史】


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