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〝炎〟めでる石巻版「たき火台」

北村・三和工業が製品化 タキビズムとコラボ

 コロナ禍から静かなブームとなっているアウトドアキャンプ。テントやテーブル、食器など多種多様な器具が発売されているが、特に人気が高いのが「たき火台」。石巻市北村の三和工業㈱(佐藤隆一社長)は、たき火道具ブランドの「TAKIBISM(タキビズム)」=香川県=と連携し、金属加工技術を生かして石巻オリジナルのたき火台を製品化した。市のふるさと納税返礼品にも使われており、アウトドアファンの注目を集めそうだ。

「加工技術の粋を詰め込んだ」と話す佐藤社長(右)と浅野部長

 たき火台は、三和工業とタキビズム、情報通信事業などを行う㈱キューズ(上條哲也社長)=東京都=の協力で実現した。キューズでは石巻市内で製造されている空気清浄機を取り扱っており、その外装を手がけていたのが三和工業だったことから、たき火台プロジェクトが始動した。

手打ち成形の職人技

 タキビズムで扱うたき火台「ジカビ」をベースし、三和工業の加工技術を惜しみなく投入して独自の製品にした。ステンレス製で基本構造は「ジカビ」と同じだが、強度を高めるためにフレームを追加し、火床となる炉皿は一つ一つ手打ちで成形。最新のレーザー加工で「金華さば」をモチーフにしたロゴを削り出し、石巻らしいデザインに仕上げた。

 製作を担当した同社の浅野徳男部長は、加工歴20年を超すベテラン。「作りやすさと使いやすさの両立が職人としての腕の見せ所。耐久性が高いので長く使える」と推す。従来製品に追加でき、やかんや鍋が置ける器具「五徳」も新たに開発したことで、使い勝手を向上させた。

石巻市北村の三和工業㈱とたき火道具ブランドの「TAKIBISM(タキビズム)」のコラボたき火台

 「ジカビ・イシノマキ」と名付けられたたき火台は1台約3万円と安くはないが、昨年末の発表直後からキャンプ愛好者を中心に反響があり、「ジカビ」愛用者からも熱視線が注がれている。佐藤社長は「金属加工を始めて半世紀以上の歴史を刻んできた。そのひらめきとノウハウを可能な限り詰め込んだ石巻にしかないたき火台」と品質に太鼓判を押す。

「金華さば」をモチーフにしたロゴ

 キューズの上條社長も「震災を経験し、防災意識の高い石巻だからこそできたコラボ製品。火おこしは災害でも役立つため、教訓を伝えることができる製品」と話していた。

 三和工業は「ジカビ」以外にもたき火台の製作をしているほか、さまざまな金属加工を請け負っている。問合せは(86―3286)まで。【渡邊裕紀】


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