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ウェブマガジン「石巻Days~未来都市の生き方~」を創刊します

「生まれ育ったまちを元通りに戻すには、何年かかるのだろうか」
そう思った東日本大震災の発生から9年が経過しました。夕刊を発行する石巻日日新聞はあの日も新聞を印刷していました。午後2時46分は配達員さんが新聞配布をはじめる頃でした。
あれから、私たちは、変わることなく新聞を出し続けて来ましたが、新聞を発行する石巻市、東松島市、女川町の姿は大きく様変わりしました。

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2020年3月11日、日和山公園から南浜町・門脇町を見下ろした景色。風が強いものの、少しずつ集まってきた人たちが、3月11日の景色を眺めていました。

未来都市「石巻」

東日本大震災をきっかけに、人口減少やコミュニティーの分断が進み、地方経済は大きな衰退を経験しています。課題先進国「日本」の中でも「課題先進都市」となった石巻地域では、「全国に先駆けて突きつけられた多くの課題」に大人や子ども、企業や行政が立ち向かってきました。

人口の流出や減少が進む中で、被災地域の伝統文化を継続していく方法を模索する人たち。復興公営住宅や新市街地で、コミュニティー形成や課題解決に取り組む人たち。販路開拓のため、地域を売り込む新商品開発に汗を流す人たち。

昭和の高度経済成長の仕組みで発展、拡大、開発してきた地域は、人口が減少することで見直しを余儀なくされています。人がいなくて、働き手が足りないうえ、消費が増えず、モノを作っても地元ではなかなか売れない。人材や資本はどんどん、仙台へ流れ、東京へ集中していきます。

私たちが2011年3月12日から、伝えている毎日の話題は、もしかして全国地方都市の数年後、数十年後の姿、「未来都市」の様子かもしれません。

回覧板であり続けること

大正元年(1912)10月1日、石巻日日新聞の前身である「東北日報」が創刊しました。発行人で初代社長の「山川清」は役立つ情報発信を貫くことに覚悟を込めて「地域の回覧板たれ」という言葉を残しました。

石巻日日新聞社が運営する「石巻Days」は情報があふれるインターネットの世界でも石巻を感じてもらうウェブマガジンです。これから掲載していく記事では東日本大震災により、課題先進地となった未来都市「石巻」での生き方や生活を紹介していきます。

今の時代に合わせて、役立つ情報を伝えていくという覚悟を込めて「新聞とは違う媒体名」としました。

今、伝えておきたい石巻

今、この瞬間も地元の伝統文化を伝承する人が減っており、地域の歴史が急激に失われようとしています。グローバル化が加速する今だからこそ、この伝統文化やまちの歴史が無かったことになってしまったら・・・。

この地で生まれ育った私たちの立ち位置が埋もれ、存在がぼやけてしまいます。

インターネットなら、石巻にいながらも全国や世界へ発信できますが、私たちはこれまで同様、石巻地域の人々へ「地元を知る話題」を提供していきます。ローカル新聞社の私たちの発信力は、それほど大きなものではありません。しかし、創立から100年を越える歴史の中で、「地域とつないできた縁」があれば、全国へも届く力になるのではないかと考えています。

これから地域で共有したい「思い出」や「理想」を回覧していただき、地域を思う「ローカリスト」として皆さん一人ひとりを「熾して」(おこして)いきたいと思います。地域への「帰属意識」を誇りとしてもらうため、まちへの「愛着」をコラムとして掲載し、自分たちの「立ち位置」を知る昔の紹介や、「理想の未来」を考え提唱していきます。

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2020年3月11日、日和山公園から中瀬を見渡す景色。新しい内海橋や堤防の整備が進みます。

私たちの活動は皆様のサポートにより、行われていきます。 気になる話題があれば、ツイートやシェアで情報発信をサポート・回覧していただけると、うれしく思います。どうぞ、お楽しみください。

石巻Days編集長 石森洋史

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。