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リーガルシューズ石巻店 12月3日閉店

足元のおしゃれ支え42年


 紳士靴メーカー「リーガル」=本社・千葉県=の製品を扱う専門店「リーガルシューズ石巻店」=石巻市立町=が、12月3日に42年の歴史に幕を閉じる。東北地方で唯一、直営店ではない「オーナー店(専門店)」として営業を続け、ファッションに敏感な市民の足元を飾ってきた。現在は閉店セールで感謝を込めており、常連客や愛好者が足を運んでいる。

「最終日まで笑顔でお客さんを迎えたい」と新柵さん(右)とスタッフ

 リーガルシューズ石巻店は、同市内で靴店を営む正岡賢司さん(75)が「地域の人たちに上質な靴を履いてほしい」と昭和56年に単一ブランドを扱う専門店として開業した。当時のアイビーブームも後押しし、流行に敏感な市民を中心に支持を集めた。日本製革靴の祖とも言われるリーガルは、時代に流されないデザインと耐久性で長年愛用する人も多いという。

 同店は東日本大震災で被災したが、翌年の平成24年に復活。しかし郊外のアウトレット靴店の台頭や商店街の衰退、そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、惜しまれながらも閉店を決めた。

セール開催中

 10日から始まった閉店セールには、なじみ客の姿も。中には「私の行く店がなくなってしまう」と嘆く声も聞かれたという。正岡さんは「都市部と同じサービスを地方でもと始めた店は、多くのお客さんに支えられて42年間やってこられた。本当に感謝しかない」と語った。

 店長を務める新柵ひろ子さん(52)は18歳から33年間、店を支え続けた。「多くの人に毎日〝はなまる〟をもらう日々だった。最後の日まで笑顔でお客さんを迎えていきたい」と話した。
【渡邊裕紀】


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