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「働きたい」女性美容師応援

社会課題対応ラポールヘア

 東日本大震災後に石巻市で創業した社会課題解決型の美容室、㈱ラポールヘア・グループ(早瀬渉代表)初のヘアカラー専門店が1日、イオンタウン矢本=東松島市小松=内に新規開店した。「女性が働きやすい環境」に注力し、時間制約の多い子育て世代の美容師や働く意欲のあるシニア美容師を積極採用。早瀬代表(47)は「お客様も従業員にとっても居心地が良く、コミュニティーが育める場になれば」と望んでいた。

従業員は全員女性で、店内も落ち着いた雰囲気

 同社は平成23年10月、石巻市大街道に復興支援美容室を創業。震災で働く場を失った美容師の生活再建支援のため、当初から女性を積極雇用。現在は全国に46店舗を展開し、総勢250人の女性美容師の雇用創出に貢献している。

 「同性に施術してほしい」と望む女性客は多く、ニーズの高い女性美容師だが、出産や結婚を機に辞める人も多く、どの現場も人材不足が顕著。長時間の立ち仕事で身体的負担を感じたり、育休や時短制度があっても「常勤者に申し訳ない」などと上手く制度を活用できなかったり、働きづらさから退職を選ぶ人も多いという。

 「周囲の理解も含めて地方はいまだ、女性が肉体・精神・社会的に満たされた状態で働ける環境ではない」と早瀬代表。「子育て中の人はもちろん、復帰を希望する人や50―70代の女性美容師も生き生きと働ける場が地域には必要」と語る。

矢本にカラー専門店

 新規開店の「ラポールヘア・カラーズ イオンタウン矢本店」はこれらの社会課題に注視した店舗。従業員は20―50代の女性4人で、石巻地方在住、または出身者。互いに勤務調整し、子どもの送迎や親の介護など都合に合わせた出退勤ができるのも利点。店長は設けず、横並びの立場で働くため、早上がりの精神的負担も少なく残業もない。

 「キャリアを高めたいなら石巻や東松島のグループ他店に移ってもらってもいい。その人に合った働き方をしてほしい」と早瀬代表は語る。

子育て、介護と仕事両立

 「子育てで10年以上仕事を離れ、3年前に復帰したが、前の職場は忙しすぎた。ゆとりを持って働きたくてここに入った」と3児のママ美容師(39)=石巻市蛇田=。店のさまざまな配慮に感謝しつつ「子育てしながら技術も高めたい」と話していた。

イオンタウン矢本のテナントとして新規開店した

 石巻市出身の山本美和さん(51)は、同社の地域活性に対する思いに共感し、仙台の美容室から移った。「いつか地元で働きたいと思っていた。縁ができて感謝。お客さんの心が安らぐような店にしたい」と描いた。
【山口紘史】

今月末まで特価提供

 同店では6月末まで、白髪染めなど一部メニューをオープニング価格で提供。部分根本白髪染めは税込1980円、ハーブカラー全体白髪染めは2640円から行っている。営業時間は午前9時―午後6時。予約は電話かホットペッパービューティーでWEB申込。予約優先。問合せは同店(25―7556)まで。


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