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北村小開校150周年 卒業生3人で記念誌制作

地域と紡いだ歴史 次代へ

 石巻市立北村小学校(金祐子校長・児童59人)の卒業生有志3人が、開校150年を祝う記念誌を制作した。21日には130部を同校に寄贈。今後は児童や教職員、行政区長、民生委員児童委員らに手渡す。記念誌の題名は「150年を語る」。同校と地域で紡いできた歴史を次代につなごうと、思いが込められている。

 制作者は昭和39年度卒業の高橋保芳さん(72)、本郷敏朗さん(同)、渡邊俊夫さん(同)の3人。高橋さんは元PTA会長で児童に郷土芸能の「大沢南部神楽」を教えており、「子どもたちのために記念になるものを残したい」と2人に声を掛けた。

左から本郷さん、金校長、高橋さん、渡邊さん

 同校は学制発布の翌年、明治6年に開校した。その歩みの中でも、大正10年から25年ほど校長を務めた齋藤荘次郎氏の功績が大きいという。齋藤氏は愛郷心の醸成に尽力。歴史や文化を大切にする校風は現代にも受け継がれ、朝日山計仙麻神社のみこし渡御への参加や神楽の伝承活動などが行われている。

 記念誌の題名は「地域と学校の歴史を語り継いでほしい」と3人の意見を反映した。昨秋ごろから制作を始め、主に本郷さんが資料収集し、文章やデザインは高橋さん、校正と印刷は渡邊さんが担った。

 A4版26㌻オールカラーで沿革や歴代校長、PTA会長、校舎の変遷などを写真やイラストで紹介。150周年の記念品や行事の様子も掲載した。

 中には、旧河南町北村で13年間村長を務めた木村匡氏の記念館「立教堂」の写真や、平成15年の宮城県北部連続地震で校舎が全壊した様子もあり、地域の歴史も概観できる。

 金校長は「素敵なものを作っていただきありがたい。子どもたちには3人の思いや制作経緯、地域と学校の歴史を伝えつつ記念誌を渡したい」と話した。

 高橋さんは「地域で聞き取りしたが、そこで初めて知ることもあった。長い歴史の中での移り変わりをぜひ子どもたちに知ってほしい」と語った。
【泉野帆薫】


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