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懐かしき昭和に会話弾む

雄勝、北上、河北移住の二子で 映像、写真、現物も紹介

 昔の映像や写真などを通した交流会「写真で振返る昭和の暮らし」が18日、東日本大震災後に整備された石巻市二子団地内の西町内会館で行われた。NPO団体の20世紀アーカイブ仙台(坂本英紀理事長)主催。震災前は雄勝、北上などに住んでいた住民ら約50人が参加し、昭和期の思い出話に花を咲かせていた。

 アーカイブ仙台は住民が記録した写真や8ミリ映像を後世に残す活動を行う仙台市を拠点とした団体。同様のイベントを岩手県の釜石市や陸前高田市、宮城県では石巻市や仙台市などで行ってきた。2年前に蛇田で催し、雄勝の映像を流した際、参加した一人から「二子にたくさんいる雄勝の人にも見せたい」と声がかかり、今回の実施となった。

昔の道具を懐かしむ参加者

 交流会で、坂本理事長が「映像を通して昭和を思い出し、お話をしてほしい。認知症予防にもなる」とあいさつ。まずは昭和の暮らしで活用されていた道具の数々を披露した。

 風呂敷、やなぎこうり(つづらかご)から始まり、せっけんの代用としていた「サイカチ」、魚をひっかけるカギ状の「のんこ(のっこ)」、ところてんを作る「てん突き」など、今ではあまりみられなくなったものばかり。クイズ形式で品物を見せると、参加者は手を挙げて答えていた。

 続いて昭和40年代の雄勝町内の祭りの映像を上映。法印神楽を撮影した動画を見ていると、参加者からは「うちのおじいさんがいた」「あれはタネオさんだっちゃ」と次々と声が上がった。

昭和40年代の雄勝の様子などが上映された

 このほか、昭和50年代の集落の風景が映った映像も上映。二つの灯台のシーンでは「あれは雄勝ではなくて女川の崎山から撮ったものだな」などと懐かしさに浸っていた。

 雄勝町水浜出身の70歳代男性は「カツオ船などの隆盛で最も勢いがあったころの古里を見ることができた。人の多さに驚いた」と話していた。【秋山裕宏】

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