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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
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#復興

復興バス旅 石巻発未来行き㊦

三陸道から新市街地を俯瞰  東日本大震災の復興財源を使った基盤整備の終了を節目とし、石巻市が9日に開いた復興事業完結記念イベントでは、市中心部に新しくできた市街地や道路を車窓から眺める無料の「復興めぐりバス」が運行された。2コースあったこのバスに記者も乗車。昨日のAコース渡波方面に続き、Bコースの蛇田方面で見えた風景を伝える。【熊谷利勝】  軽いバス酔いも、懲りずに最後部座席に座る。A、Bコースとも停車場所は同じ。開成地区のマルホンまきあーとテラスから石巻南浜津波復興祈念

全国の支援に感謝発信

石巻市 基盤整備「完結」式典  東日本大震災の復興財源を活用した新しい街の基盤整備事業が昨年度で終わった石巻市は9日、マルホンまきあーとテラスで記念の式典を開いた。地元をはじめ国や県の関係者や、これまでの派遣応援職員らを招待し、約600人が出席。未曽有の災害の発生から再生の道のりを映像で振り返り、全国からの支援に感謝を発信した。  完結式典は石巻広域消防音楽隊の演奏で開幕し、出席者全員で震災犠牲者へ黙とう。齋藤正美市長が「今後も心の復興と地域コミュニティー再構築など一人一

石巻発着 走って復興支援 唐沢さん発起GO!GO!ラリー

クラシックカー約110台 全国のクラシックカー愛好者が集う「GO!GO!ラリーin東北」(実行委員会主催)が9月30日と10月1日にあり、約110台が石巻市の街なかや牡鹿半島を駆け抜けた。【熊谷利勝】  俳優の唐沢寿明さんが発起人となり、令和元年に始まった東日本大震災の復興支援イベント。コロナ禍の休止を挟んで今年で3回目となり、昨年に続き石巻市が発着点になった。

¥0〜
割引あり

震災伝承と心の復興へ 100通りのありがとう 初の石巻公演

市民ミュージカル千秋楽  東日本大震災のあった石巻地方の住民ら約100人による「心の復興13回忌ミュージカル100通りのありがとう」の石巻公演が24、25日、石巻市のビッグバンで行われた。未就学児から80代までの出演者が歌と踊りを交え、12年前の教訓や伝えきれていない支援への感謝を発信。涙あり、笑いありの舞台は、犠牲になった人を忘れず前を向いて生きていく決意に満ち、震災を知る地元の観客の共感を呼んだ。【熊谷利勝】  3月の東松島市に続く公演で、公開されたゲネプロ(最終通し

空間と時間俯瞰し提案 「乗り越えるのがプロ」 10年滞在で第二の古里 コンサルが見た震災㊦

 東日本大震災後、巨額の予算が割り振られた被災自治体は前例のない大規模事業に取り組み、英知を結集して災害に強いまちを作り上げた。石巻市ではコンサルタント会社(株)ドーコン=本社・札幌市=の石巻分室責任者の今野亨さん(59)がさまざまな業務にあたった。決して順風満帆ではなく、批判の矛先が向くときもあったが、未来の石巻を思い描き、構想を形にする縁の下として約10年間住み続けたまちは〝第二の古里〟になった。 ■設計から怒られ役まで ドーコンの派遣職員として平成24年に石巻市に赴任

民間住宅を公営住宅に 「石巻モデルの復興事業」 コンサルが見た震災㊥

 石巻市で約10年に及ぶ復興事業を支え続けたコンサルタント業の(株)ドーコン=本社・札幌市=。石巻分室で責任者を担った今野亨さん(59)は当初、技術者不足を補う他社への派遣社員として石巻を訪れ、復興計画の事業化作業に明け暮れた。その中で常に頭にあったのは財政再生団体となった北海道夕張市での仕事の経験。将来の人口減少に対応した既存の土地や建物を活用した復興事業という、一見地味な取り組みの必要性を感じていた。 ■将来の空き家リスク見据え 今野さんが石巻市で腕を振るい始めたのは平

がれきに埋もれた被災地 10年に及ぶ記録と記憶 「復興はできるのか」 コンサルが見た震災㊤

 総合建設コンサルタント業の(株)ドーコン=本社・札幌市=が東日本大震災直後から石巻市で遂行してきた復興支援事業は、この5月で終了を迎えた。石巻市街地復興工事調整会議の運営支援や南浜津波復興祈念公園の基本設計など、復興事業を縁の下で支えてきた。震災から11年が過ぎ、ドーコン石巻分室=同市立町=では責任者の今野亨さん(59)が残務整理をしながら復興の日々を語った。ともすれば市民よりも石巻を知る人。そのまなざしは新たに生まれた地域の魅力はもちろん、石巻の未来もしっかりと見据えてい

中心部の河川堤防完成 石巻・23日に式典と行事 ブルーインパルスもお祝い

 東日本大震災後、旧北上川河口部で整備が進められていた河川堤防が完成し、23日に石巻市内で記念の催しが行われる。マルホンまきあーとテラス=開成=で関係者の完成式を開き、いしのまき元気いちば=中央=前の堤防で一般向けイベントを開催。午後1時には川の上空を航空自衛隊松島基地のブルーインパルスが飛ぶ。【熊谷利勝】  完成式は午前11時から国交省東北地方整備局と石巻市の主催。来賓がくす玉を開くほか、河口部の復旧復興を見てきた市民が今後のまちへの思いを地域の声として発表する。  一

趣味のキャンプ 有事に力 温かい食事で気分も前向き 石巻市渡波 高橋幸一さん

 日本製紙㈱石巻工場の元社員高橋幸一さん(64)=石巻市渡波=は、工場の機械を動かすために必要な電力を供給する動力部原動課の係長だった。3月11日は非番。用事のある妻を仙台に送るため車で三陸道を走っている最中、地震に遭った。  まるで布のように波打つ道路。すぐ石巻港インターチェンジから一般道に降り、自宅に急いだ。カーラジオは大津波警報を伝える。石巻大橋で川の水位が下がっていることに気付き津波の襲来を確信した。  そして家に到着。室内の家具は倒れ、食器類も散乱。高橋さん夫妻

中心部観光地化でにぎわい創出 女川町 「楽しい、面白い」詰め込む

 震災後、女川町は原状復旧にとどまらない新しい港町再生に公民連携で臨み、「身の丈に合う」独自の地域づくりを推進してきた。駅前や海岸広場など作り上げた空間を生かし、町民も観光客も「何だか楽しい、面白い」を享受できるまちを目指してきた。これを後押しするかのように、今年は国の重点道の駅に指定された駅前商業エリアが「道の駅おながわ」として開業した。今はコロナ禍のため難しいが、いずれ交流人口拡大のさらなる起爆剤になりそうだ。  町内にはJRや国道398号、離島航路ターミナルなどさまざ

蛇田新橋が暫定開通 慢性渋滞の解消期待 本年度末に工事完了

 架け替え工事で令和元年11月から通行止めとなっていた石巻市の北北上運河に架かる蛇田新橋が30日、暫定開通した。付帯設備の工事は続いているが、道路と歩道が完成したことで渡ることが可能になった。架け替え前は交通量の多い路線であり、並行する石巻バイパスの渋滞解消が見込まれている。  新橋は長さが36.2メートル、幅11.5メートル。別にあった歩道橋を含めて1本となり、下流側に幅2.5メートルの歩道が設けられた。以前あった信号は架け替えとともに撤去され、右折できるスペースが確保さ

約10年ぶりに球音戻る 女川町民 野球場が再開 震災後は仮設団地整備

 女川町の町民野球場リニューアル記念大会が20日に行われた。東日本大震災後、仮設住宅の建設場所に提供されてきた球場に約10年ぶりに球音が戻った。  リニューアルを祝うような晴天。3月に改修工事が完了した球場は、両翼が4メートル延びて94メートルに。フェンスはラバー仕様になったほか、これまで土だった外野には芝生が敷き詰められた。 よみがえった女川町民野球場  須田善明町長らによる始球式の後、招待チームによる2試合が行われ、結果は、日本ウェルネス宮城高6-4石巻工業高、日本

女川町は19日 22人出走 小中校の校庭周回 駅前で到着祝う式典

 県内の東京五輪聖火リレーは19-21日の3日間で石巻地方を含む16市町村をつなぐ。1日目(19日)の最終到着地である第5区間の女川町では、計22人のランナーが走る予定であり、圏域で唯一、セレブレーション(式典)も行われる。  当日は石巻市でのリレー終了後、女川町に聖火が運ばれる。町内でのリレーは午後5時20分に町民第二多目的運動場C棟を出発。総合体育館前を通り、災害公営住宅の運動公園住宅、大原住宅前を通りながら、下り坂を南下。女川駅前、町役場前を経由し、昨夏に移転新築した

復興の姿発信「i感謝博」 密避け長期の観光行事 11月までツアーや飲食店巡り

 東日本大震災から10年の石巻市の復興を発信し、国内外の支援に感謝する「i感謝博(あいかんしゃはく)」(石巻観光協会主催)のオープニングイベントが6日、石巻駅前にぎわい交流広場で行われた。11月まで人を呼び込むさまざまな企画を用意しており、関係者がテープカットで開幕を告げた。会場では今年最初の石巻ふれあい朝市が同時開催され、コロナ禍で外出を自粛していた市民も久しぶりの催事を楽しんだ。  オープニングイベントでは、石巻観光協会の後藤宗徳会長が「コロナ対策し、小規模の催しを長く